「五輪」――それは宇宙の万物を構成するもととなる5要素、「地・水・火・風・空」を意味します。宮本武蔵が記した江戸前期の武道書『五輪書』も、この5つの部に分類して兵法を説いたものです。また、平安中期に密教で創始された塔形「五輪塔」(五輪卒都婆)は同様の思想に基づいており、チベット仏教におけるタルチョの五色も、黄=地、青=水、赤=火、緑=風、白=空を表しています。これらは、映画「フィフス・エレメント」(水・火・土・風、そして第5の要素)や、古代中国の陰陽五行説(木・火・土・金・水)の考え方とも相通ずるものがあります。
また、近代オリンピックの旗に、五大陸を表わす5つの輪が描かれていることから、この大会を通称「五輪」と呼ぶのは周知の事実です。さらに言えば、「ホートンの法則」によると、平均的な樹木の枝ぶり、あるいは血脈や神経網などの分岐の数を調べると、おおむね4~5本に落ち着くのだといいます。
このように、この世界には5つで構成されるものが多く存在します。この「五輪館」も、そうした思想をもとに創設したもので、(大袈裟に言えば)私が世に問う5つのコンテンツから構成されています。具体的には以下の通りです。