検索 Google
五輪館
Back|Next
旅巧館旅行記北米>アメリカ国立公園
アメリカの国旗

旅行記:アメリカ国立公園(世界自然旅)

27.橋崩壊 (2003/6/20:晴後曇時々曇

 さらに奥へ

 今日からは1泊2日でバックカントリーに入っていく。久々にテントと食料を担いで歩くので、どこまで持つのか不安だが、さらに奥へと分け入るのは楽しみだ。

Jenny Lake
ジェニー・レイク

Hidden Falls
ヒドゥン滝

 キャンプ場を撤収し、ジェニー・レイク南の駐車場に車を置く。ここからボートを利用して、湖西岸まで行ってしまっても良いのだが、経費削減のため、まずは湖岸に沿って歩いていく。まだ人も少なく、湖面にはウッドリング山(Mt Woodring:3532m)が映っている。そんな中をのんびり歩いていくと、西岸に回りこんだところで次第に登り始め、まもなくヒドゥン滝(Hidden Falls)が姿を現した。

  ここは涼しいので一服すると、ここから本格的な登りとなる。岩場を越えると、インスピレーション・ポイント(Inspiration Point)と呼ばれる展望地に到着。眼下の湖や森の景色が良いので、ここで小休止とした。

 しかし、休んでいるとグループがどんどん押し寄せるようになったので、ほどほどにして歩行再開。いよいよカスケードキャニオン(Cascade Canyon)に入っていく。少し登ると意外に緩やかな道となり、両側に迫る岩山が迫力満点だ。所々ある岩場には、ナキウサギ(Pika)らしき小動物がちょこまか動いていて愛らしい。人もぐっと少なくなり、天気もまずまずで快適であった。

  この峡谷沿いにしばらく歩いていくが、気がつけば雲が増え、にわかに怪しい天候になってきた。大丈夫だろうか。

Inspiration Point
インスピレーション・ポイント

Looking up from Cascade Canyon
迫る岩山を見上げる

Cascade Canyon
小川に沿って歩く

Glacier Lily
グレイシャー・リリー

 悪天と残雪の危機

 1時間足らずでサウス・フォーク(South Fork)とノース・フォーク(North Fork)の分岐に到達。今夜はサウス・フォークのキャンプ指定地に泊まる予定だが、まだ時間はたっぷりあるので、ここはノース・フォークへ入り、最奥のソリトゥード湖(Lake Solitude)を目指した。

 緩やかに遡っていくと、この辺りから急に黄色いグレイシャー・リリー(Glacier Lily)の花が見られるようになってきた。まだ残雪が多いからだろう、雪解け間もない大地から、茎が伸び、花を咲かせている。この花はカタクリの仲間(キバナカタクリともいう)で、是非この目で見たいと思っていたものなので、お目にかかれて光栄だ。

 群落を横目に眺めながら進んでいくと、やがて残雪が深くなり、いつの間にか一面雪の中を歩くようになっていた。おまけに、天候がかなり崩れてきて、今にも雨か雪が降りそうになってきた。これはまずい…しかし、まだ行けるだろうと甘く考えて、先へと歩を進めた。

  キャンプ場を過ぎると、いよいよ道は歩きにくくなり、体力も消耗してくる。分岐から1時間ほどでつけるはずなのだが、まだ湖は見えない。まだなのか…不安を覚えながら雪の急斜面を登ると、ようやく、湖らしき平面が現れた。周囲は完全に氷雪に覆われ、寒いことこの上ない。小雪もちらつき始め、背後のティトン山脈も雲に隠されていく。ゆっくりしようと思っていたが、これでは長居は難しいので、少々佇んだら帰路についた。

Glacier Lilies
グレイシャー・リリーの群落

Lake Solitude
ソリトゥード湖

Looking back at Cascade Canyon
カスケード・キャニオンへ戻っていく

  ここまで足を延ばす人は少ないが、それでも数人の変人はいるもので、帰路でも何人かとすれ違った。皆、いちように辛そうだ。天候はますます悪化し、もう楽しむどころではなくなってきた。とにかく黙々と歩き、分岐を右折してサウス・フォークへと入っていった。

 崩壊で撤退

 キャンプ指定地へは、分岐から1時間ほどで着けると聞いていたので、頑張って登っていく。渓流沿いの難所を攻略しながら進んでいくと、川を渡ろうとしたところで、なんと、橋が見事に折れ曲がり、崩壊しているではないか。聞いてないぞ…

  ここを越えれば、キャンプ地まではもう少し。無理をすれば、渡れないこともなさそうだ。しかし、一度ならまだしも、行くとしたら二度、しかも大きな荷物を抱えて越えなければならない。荷物がなければ問題ないが、折れた橋は結構傾いているので、かなりのリスクを伴う。どうしよう…

Broken Bridge
橋が崩壊していた…

  果たして、ここは安全を取って引き返すことにした。落胆しながら撤退し、分岐からノース・フォークを再び翻って、誰もいないキャンプ指定地にテントを張る。既に凍てつく寒さで、地面はほぼ雪に覆われていたが、どうにか土が覗いた場所にテントを張ることができた。

 これで一安心だが、ここにはクマが来ないとも限らないので、注意が必要だ。そして夜、何物かが近づいてくる音がしたが、幸い襲われることもなく、凍え死ぬこともなく一夜を過ごすことができた(たぶん、キツネかなにかだろう)。

Teton Range from Campsite
キャンプ指定地からのティトン山脈

 翌朝もまだ曇っていたが、天候は回復傾向にあった。新雪をまとったティトン山脈を見ながらテントをたたみ、下山開始。サルオガセの森を淡々と戻っていくと、次第に天候は回復し、晴れ間も覗くようになってきた。すると、前方になにやら怪しげな物音…恐る恐る近づき、覗いてみると、ムース(Moose)が川で水浴びをしているではないか。まぁこれを見られただけでも、バックカントリーに入った甲斐はあったと思おう。

Saruogase
サルオガセ

Moose
ムース

  こうして無事に下山したら、ビジターセンターに戻って状況報告。すると例の新米レンジャーがいて、あの後、橋が崩壊しているとの情報が入り、心配していたという。こちらも最新の状況を写真付きで説明し、あわせてグレイシャー・リリーの群落やムースの写真を見せてあげたら、もの凄く興奮している。これぐらい、レンジャーなら知っていそうなものだが…

  ともあれ、これでグランドティトンは終了。後はジャクソン・レイクを北上し、イエローストーンとの間にあるFlagg Ranchのキャンプ場に移動。明日に備えた。

Page Top
Copyright © gorinkan.org All Rights Reserved.