検索 Google
五輪館
Back|Next
旅巧館旅行記北米>アメリカ国立公園
アメリカの国旗

旅行記:アメリカ国立公園(世界自然旅)

26.驚きの氷雪湖 (2003/6/18:晴

 雪を踏み分けた先に

 今日は昨日同様好天に恵まれたので、さっそくお出かけ…といきたいところだが、まずはColter Bay Campgroundを訪ねて寝床を確保しなければならない。さすがに早朝訪れると、まだまだ空きがあったので、好みの場所をキープし、テントを張って事なきを得た。

  一安心したところで、改めてドライブを楽しみ、昨日寄らなかったトランスフィギュレーション礼拝堂(Chapel of the Transfiguration)などを見学する。映画『ジェーン』を思い起こさせるような光景を目の当たりにしたら、さらに山脈に近づいたところにある、山上の湖を訪れることにした。

Chapel of the Transfiguration
トランスフィギュレーション礼拝堂

 車を置いて歩き始めると、最初は森の中を緩やかに登っていく。ウォーミングアップに最適と思いながら進んでいくと、1時間足らずで、左手に、昨日訪れたブラッドリー・レイクとタガート・レイクが見えてきた。この辺り、ジグザグの登りが続くが、景色が良いので苦にはならない。

View of Bradley Lake
ブラッドリー・レイク(手前)とタガート・レイク(奥)

 しかし、しばらくすると徐々に残雪が見られるようになり、やがて完全に雪に覆われた世界になってしまった。踏み跡が付いているとはいえ、やはり雪面を登ると体力を消耗する。だんだんと足に疲労がたまってきたが、我慢して雪を踏み分けていくと、2時間ほどで、不意に開けた氷雪が見えた。良く見ると、一部溶けて不思議な景色を織りなしている。場所から考えると、ここはサプライズ・レイク(Surprise Lake)だ。まさに驚きの光景だが、これが初めて目にする氷雪湖なのだ。

Surprise Lake
サプライズ・レイク

  この氷雪湖は、雪解け寸前のごく限られた時期にしか見られないので、苦労して登ってきた甲斐があった。ここでしばらく休んだら、踏み跡を頼りに、さらに奥のアンフィシアター・レイク(Amphitheater Lake)を目指す。わずか300mの距離でも、疲労のたまった足には辛い…が、ここまで来ると、湖面はまだあまり雪解けが進んでおらず、雪に覆われた感じだ。人がいなくて静かだったので、ここでまたゆっくりと過ごした。

Amphitheater Lake
アンフィシアター・レイク

 寄り道の結末

 ここで素直に引き返しても良かったのだが、ここからさらに登って尾根に取りつくと、ティトン氷河を眺める展望地に行けるようなので、頑張って歩くことにする。とはいえ、道は雪に閉ざされてわからない状態で、踏み跡すらない。地形から判断して登っていくが、斜面がきついので、なかなか思うように登ることができない。ゴールは見えているのだが…

 転落に気をつけながら、やっとの思いで尾根まで登ると、眼前には荒々しいオーウェン山、そして天を突くようなグランドティトンが頭上奥に顔を覗かせている。ティトン氷河は、もう氷河と呼ぶには忍びないほどだったが、眼下にはデルタ・レイク(Delta Lake)が美しい湖面をさらけ出していた。ここは絶好の休憩ポイント、しかも今年はまだ誰も足を踏み入れていないところだったので、昼食を兼ねてじっくりとこの風景を味わった。

Mt Teewinot
荒々しい山稜が迫る

Delta Lake
デルタ・レイク

 十分に満喫したら、注意しながら下り始める。雪道を抜けると楽なもので、走るように進むことができる。分岐が現れたら、またしても寄り道をと、ガーネット・キャニオン(Garnet Canyon)に踏み入ることにした。まもなくミドル・ティトン(Middle Teton:3902m)が見えるようになり、さらに奥へ奥へと歩いていく。次第に雪が増えてきたが、かまわず進むと、やがて一面雪に覆われるようになってしまった。前方にはスキー板を背負って歩いている人がいるが、もう結構懲りたので、一般人はここで引き返すべきだろう。

Middle Teton from Garnet Canyon
ガーネット・キャニオンから望むミドル・ティトン

  こうして改めて帰路につくが、もう夕方間近となったためか、道中にはミュールジカ(Mule Deer)が登場。のんきに草を食んでいる。さらに下っていくと、前を歩いていた人が、突然止まって引き返してきた。何事かと思いきや、前方からブラック・ベアが歩いてきたという。一緒に恐る恐る覗いてみると、ブラック・ベアがトレイルを歩いて、こちらに向かっているではないか!これはまずいので、まずは音を立ててこちらの存在を気づかせる。すると、クマさんは驚いてトレイルを外れて、迂回して後方でトレイルに合流し、また歩いていった(この後、後続の人たちがどうなったかは知らない)。下手に寄り道するのも考えものである。

Mule Deer
ミュールジカ

Black Bear
迂回するブラック・ベア

 ヒッチハイカー登場

 そして翌日、昨日までで最低限行きたいと思っていたところは歩いたので、せっかくならティトン山脈の裏側にも足を延ばそうかと、ビジターセンターを訪れて相談してみる。対応したのは、まだ見習いの女性レンジャー。なんでも父親が日本人のハーフとかで、親近感を持ったのか、親切に対応してくれる(でも、説明はつたない)。聞けば、未だ残雪が多いものの、1泊2日でバックカントリーに入るのは可能とのことなので、明日のキャンプの許可を取ることにした。

  これで用事は済んだが、この後ゴロゴロするのも何なので、昼前から出かけて、ジェニー・レイクの北にある、ストリング・レイク(String Lake)、リー・レイク(Leigh Lake)を散歩する。湖岸沿いの平坦なコースだが、しばらく歩くと人の気配はあまりなくなり、快適にあることができる。リー・レイクからはモーラン山(Mt Moran:3842m)の眺めが良く、のんびり歩くには良いところだ。

Leigh Lake
リー・レイク

Mt Moran
モーラン山

Bearpaw Lake
ベアパウ・レイク

  結局、リー・レイクの北限を過ぎ、少し下ってベアパウ・レイク(Bearpaw Lake)まで行ったら引き返し、帰りはストリング・レイクの西岸を歩いて駐車場に戻っていく。まもなく終了、というところで、前方に重そうなバックパックを背負った若いカップルが見えた。どこへ行ったか知らないが、お疲れ様である。

 車に戻ったら、一呼吸置いて、キャンプ場に帰る。すると、走り出してすぐにヒッチハイカーが現れた。先ほど見かけた、あの若いカップルだ。

 本来、ヒッチハイカーは危険なので乗せるべきではないし、アメリカでは原則として乗せてはいけない。しかし、あの格好なら悪い人間であるはずがないし、かなり疲れていて気の毒だ。ここでは車がないと移動はできないし、今まで自分もそうして助けられたこともあった…そんなことが瞬時に頭をよぎって、とっさにブレーキを踏んだ。どこまで行きたいのかと聞くと、途中のSingnal Mountain Lodgeだという。ならば問題はないので、小さい車だったが、後席に乗ってもらうことにした。

  彼らはそのロッジで働いていて、ちょっと休みを取って1泊2日のハイキングに出かけたそうだ。乗せたことには大いに感謝されたが(数十キロあるから当然か)、こちらとしても、グランドティトンやイエローストーン国立公園(Yellowstone National Park)の見所などを教わることができ、有意義であった。

Page Top
Copyright © gorinkan.org All Rights Reserved.