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旅行記:アメリカ国立公園(世界自然旅)

10.他愛なき登り返し (2003/5/31:晴時々曇

 見上げる日の出

 標高差1311mのうち、昨日378m上がったので、今日は933m上がれば良い。でも、ただ登るだけでは芸がない。ここインディアン・ガーデンからはプラトー・ポイント(Plateu Point)という展望地へのトレイルがあるので、まずはここから日の出を拝むことにした。

 恒例のように暗いうちから起床し、一人淡々と展望地に向けて歩いていく。誰もいない、静寂のキャニオンを歩くのは、何物にも換え難い贅沢だ。道はほぼ平坦なので楽々歩いていくと、ようやく薄明るくなってきたところで展望地に到達。誰もいない中、陽が昇るのを待った。

 やがて空が明るくなり始め、背後の岩壁が徐々に光を浴び始めた。足下のコロラド川も良く見える。色彩を帯びた岩は広がり、神々しいまでの風景となる。そして、頭上の岩と岩の間から太陽が昇ってきた。今、自分が大峡谷の真ん中にいて、この見上げる日の出の景色を独り占めしているのかと思うと、ここまで歩いてきた甲斐があったというものだ。

Looking back from Plateau Point
岩壁に灯がともり始める

View from Plateau Point
コロラド川も近い

Sunrise from Plateau Point
神々しい日の出

  陽が昇ったら帰途につき、そそくさと帰っていく。キャンプ場に戻ると、既にほとんどの人たちは立ち去っていて、がらんとして寂しい限り。しかも、ファントム・ランチから上がってくる人も出始めていたので、慌ててテントをたたみ、暑くなる前に出立するのであった。

 あっけない結末

 インディアン・ガーデンから見ると、岩壁が屏風のように立ちはだかっていて、こんなところを登り返していけるのかと心配になる。でも、所詮は一歩一歩の積み重ね。これまでの経験を生かし、とにかく体力を消耗しないよう、無理せずゆっくりと登っていくことにした。

Bright Angel Wall
ここを登る

 しばらくは緩やかな道を進むが、ほどなくしてジグザグの道となり、グングンと高度を稼いでいく。道はとてもよく整備されているし、勾配も緩いので、まずは問題なし。周囲に化石がないか探しながら、着実に歩いていく。やがて3マイル・レストハウス(Three-Mile Resthouse)まで来たので小休止。この辺りで下ってくる人の数が多くなってきたが、周りに東洋人は見当たらない。昨日といい今日といい、キャニオンを歩く日本人は見かけなかった。

Bright Angel Butte
来し方を振り返る

 英気を養ったところで歩行再開するが、相変わらず適度な勾配が続き、思ったよりも骨がない。3日前、グランドビュー・トレイルで苦労したのが何だったのかと思うほど他愛ない道のりだ(それがあったから楽に感じるのだろうが)。何人もの人とすれ違い、追い抜きながら登っていくと、第2の休憩ポイント、1.5マイル・レストハウス(Mile-and-a-Half Resthouse)着。ここで再び休んだら、だいぶ近づいてきたゴールを目指してラスト・スパートに入った。

Bright Angel Rock
リムが近づいてくる

  この先の道はずっと崖に沿って見えていて、ここからはもう、見るからに大変そうではない。ガイドブックなどでは、このコースは非常に辛いと書かれていたが、今日は途中から登ってきたこともあって、そんな感覚は全然ない。そして、小トンネルを抜けてゴール!なのだが、あまりにあっけない結末に、喜びが湧き出てこない。もっと感動すると思っていたのに…

 最後の夕陽

 リムに沿って少し歩き、ロッジの前で休憩。思いがけない展開に、ボーッとキャニオンを見ていると、日本人の団体客が大挙してやって来て、大騒ぎしながら写真撮影に興じている。おまけにやってきたリスに餌をあげたり(餌付けは禁止されている)と、やりたい放題。彼らはきっと展望台から眺めるだけだろうが、それでグランドキャニオンの何を見たというのだろう。それに比べれば、私はいろいろな角度、場所から、様々な時間帯にキャニオンを眺めることができたのだから、きっと幸運なのだろう。

 元のキャンプ場に戻ったら、シャワーを浴びてしばしお休み。十分に体を休めたら、涼しくなったのを見計らって、最後のリム散歩に出かける。そして、あまり知られていないグランディア・ポイントに腰を下ろし、岩壁の向こうに沈む夕陽を鑑賞した。思えば今日で6日目、ハバスパイなど悔いの残ることもあったが、もう十分に満喫したと言ってよいだろう。さらば!

Sunset from Grandeur Point
グランディア・ポイントからの夕陽

 こうして、サウスリム最後の夜は更けていった。

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