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旅行記:アメリカ国立公園(世界自然旅)

7.峡谷の楽園 (2003/5/27:晴

 日の出鑑賞

 グランドキャニオンを見るなら、日の出と日没の前後が良いと言われている。この大峡谷が赤らみ、立体感も増すからだ。これを逃す手はないので、当然のように暗いうちから起きて、日の出鑑賞に向かうのであった。

 日の出スポットにはいくつか候補があったが、近くの展望台は混んでいると考え、やや離れたヤキ・ポイント(Yaki Point)を目指す。まずはシャトルバスに乗り込み、キャニオンビュー・インフォメーション・プラザ(Canyon View Information Plaza)へ。ここでバスを乗り換えるが、念のため掲示板を確認していると、か細い声で「あのぉ、日本人の方ですか?」と声をかけられた。見れば日本人女性2人組がいて(北米旅行で初めて見た日本人だった)、頷くと妙に安心した様子。近くに日の出を見るスポットがあるかと聞かれたので、すぐそこにマーサー・ポイント(Mather Point)やヤバパイ・ポイントがあると教えたら、さっさとそちらに行ったのであった。

 それは良いとして、しばらく乗り換えのバスを待つが、肝心のバスが一向にやって来ない。もう運行している時間なのだが…しかし、待てど暮らせどバスは現れず、気がつけば空が明るみ始めていた。このままでは日の出すら見落としかねないので作戦変更。すぐ近くのマーサー・ポイントに向かうことにした。

  マーサー・ポイントに着くと、予想通り、大変な混雑でとても近寄る気にはなれない。仕方ないので少々東にずれた展望地に陣を張り、そこで日の出を鑑賞することにする。やがてご来光を迎え、峡谷が一気に色彩を帯びてきた。やはり朝焼けは美しい。

Mather Point
マーサー・ポイント付近より

  しばらくはただボーッと様子を眺めていたが、1時間も経つと人が減ってきたので、改めてマーサー・ポイントに向かってみる。すると、先ほどの2人組がまだ展望台にいたので、軽く挨拶と当たり障りのない会話をする(私のことを大学生と間違っていたようだ)。後は若干の散歩をして、朝の活動を終えた。

 ハバスパイ日帰り

 しかし、今日のメインはこの後にある。念願だったハバスパイへ、日帰りながら行けることになったのだ。いったんキャンプ場に戻り、9時に公園外のヘリポートに出向くと、既に参加者はスタンバイ完了。私も慌しく準備を整え、2台に分かれてヘリに乗り込む。そして、あっという間に飛び立った。

 しばらくは松林の上を飛んでいくが、やがて赤茶けた大地と峡谷が一帯を支配した。ここがハバス・キャニオン(Havasu Canyon)。ここも公園外だが、想像よりはるかにスケールの大きな景観だ。ヘリはこの狭い峡谷を縫うように進み、そして忽然と集落が現れる。すると、轟音を立てながら着陸。我々を降ろすと、別の何人かを乗せて再び飛び立っていった。

Havasu Canyon
ハバス・キャニオン

Supai Village
スパイ村に降り立つ

 スパイ村(Supai Village)はのどかな雰囲気で、古き良き時代にタイム・スリップしたかのようだ。居住するのは白人ではなく、いわゆるネイティブ・アメリカンと言われるハバスパイ族。馬が荷物運びや移動手段として使われており、大人も子供も自在に操っている。埃っぽい点を除けば、近くには清流が流れ、緑もあり、とても美しいところである。

View from Supai Village
スパイ村からの眺め

Supai horses
馬が活躍している

  すると、まもなく案内役が現れ、周辺の見所を説明してくれる。てっきり集団で動かなければいけないと思っていたが、帰りのヘリの時間に戻ってくれば良いらしい。これは願ってもない展開! 馬の利用を勧める案内役を軽くあしらって、歩き始めることにした。

  私は1人で歩きたかったので、さっさと歩いていく。馬の住処を過ぎるとすっかり人気がなくなるが、キャニオンを見上げながら歩くのも良いものである。ずっと清流に沿って下っていくので、気持ちが良いし、景色も変化に富んでいて飽きがこない。ところどころサボテンの花も咲いていて、快適な道のりであった。

Supai Rocks
いざ歩き始める

Supai Walls
岩壁の中を歩く

Saboten (1)Saboten (2)
サボテンの花がきれい

  こうして淡々と歩いていくと、1時間足らずで、急に轟音が聞こえるようになってきた。何だろう、と思ってさらに進むと、突然右手に、サファイアブルーの水を湛えた滝壺が現れた。そう、これが有名なハバス滝(Havasu Falls)なのだ。

 楽園に思いを馳せる

 よく見ると、滝壺の周りには多くの人がいて、水に浸かってはしゃいでいる。段々と暑くなってきたので、これは気持ち良さそう…逸る気持ちを押さえられず、埃っぽい道を駆け足で下っていった。

 滝壺に到着したら、水着になって入水。ところが、とんでもなく冷たい…足をつけただけだが、全身はとても無理と判断。軽い水遊びで我慢することにした。すると、しばらくしてヘリで同乗していた父娘の2人が現れ、はしゃぎながら泳ぎだした。私のことを覚えていたのか、早く入れと合図するが、これには従えない。アジア人と欧米人では、肌の感覚が違うのだ!

  仕方ないので、私は滝壺の周りを歩き、時々(足だけ)水に浸かって涼を楽しむ。昼時となって、日なたはかなり暑くなっていたが、水辺の日陰は涼しくて快適。これぞ楽園と言わんばかりで、ずっとここにいたいような感情を抱かせた。

Havasu Falls -looking up-
ハバス滝を見上げる

Havasu Falls -looking down-
ハバス滝を見下ろす

Mooney Falls
ムーニー滝

 そんなこんなで昼食を食べていると、先ほどの2人が、一緒に先のムーニイ滝(Mooney Falls)まで行こう、と誘ってきた。私もそのつもりだったので快諾。食後直ちに歩き出し、緩やかな道を下っていく。少し歩くとキャンプ場に着いたが、これぞまさに楽園。岩壁に囲まれ、ほぼ平坦なところを清流がゆったりと流れている。周囲は木立に囲まれ、ほとんどのキャンプ地は日陰で実に快適。ここでも多くの人がのんびりと、思い思いに時を過ごしている。本当ならここでキャンプをしていたのに…と思うと無性に口惜しいが、今さら悔いても仕方がない。機会があれば今度こそ、と決意を固めるのであった。

  楽園のキャンプ場を抜けると、再び視界が開け、まもなく滝の音が聞こえてきた。ところがここで、そろそろ帰りの時間が危ないから帰る、と2人が言い出した。すぐそこなのは明らかなので、説得して、とりあえず滝が見えるところまで3人で向かう。そして、ムーニイ滝ともご対面。こちらはハバス滝よりもさらに豪快な印象だ。

  せっかくなので、私はさらに滝に近づこうと下っていくが、2人は諦めて帰ってしまった。まだ納得いかないので、さらに下っていくが、途中からは岩をくりぬいたような道となり、険しい急降下となった。これは、下りることはできても、そこから村まで戻るのは危険だ…そう考えると、今回は残念ながら下まで行くわけにはいかない。次回こそ、と心を鬼にして、半ばまで下ったところでしばし眺め、帰路につくことにした。

  急ぎ足で元の道を引き返し、ハバス滝まで戻ったところで残り1時間半。これは下りの標準タイムなので、休む間もなく先を急ぐ。さすがに昼下がりともなると暑く、まして登りは辛いが、かまわず前進。まもなく先の2人に追いついたので、その先の川辺で少し休み、再び急ぎ気味で歩いたら、半分の45分(馬の標準タイム)で戻ることができた。後は村でのんびり過ごし、この楽園を去った。いつの日かの再訪を誓って…

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