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旅行記:アメリカ国立公園(世界自然旅)

1.白色の岩壁 (2003/5/17:曇後晴

 初アメリカの苦労

 初めてのアメリカへの旅は、5月15日の昼過ぎ、大韓航空のロスアンゼルス(Los Angeles)行でスタート。9時間ほどかけて、同日の早朝に到着した。時間が巻き戻って変な感じだが、気を取り直して入国手続きに進むと、早くも長蛇の列…おまけに審査に時間がかかって、1時間以上待たされてしまった。質問に素直に答え、難なく通過したら、今度は荷物検査。これも問題なかったが、続いて国内線ターミナルに移動するも、目的のカウンターがよくわからない。おまけに乗客が多数詰め掛けていて大混雑…4時間半あった乗り換え時間は、あっという間になくなりかけていた。

 なんとかカウンターを見つけてチェックインを済ませたのは、搭乗の1時間前。これは書類に記されていたタイム・リミットだった。手荷物検査を済ませば楽なもので、サンフランシスコ(San Francisco)には1時間ほどのフライトで到着。バスに乗り換えて中心街に着いたら、後は歩きでユースの宿HI-SF City Centerへ。日本語のパンフレットも置いてあってさすがだが、受付の人からは、治安の悪いところには近づかないよう注意された。夕方に少し辺りを散歩してみたが、確かに一部雰囲気の悪いところはある…出だしで躓きたくないので、その後はろくに観光することもなく、宿に戻って静かに過ごしたのであった。

 明けて翌朝、いよいよ最初の目的地、ヨセミテ国立公園(Yosemite National Park)に向かう。ヨセミテに行く方法はいくつかあるが、今回は楽をしようと、直通のツアーバスを片道利用させていただく。重苦しい曇天のなか、バスは8時に出発。大きな橋を渡り、しばらく走ると単調な景色が広がって退屈…時差ぼけも手伝って少し眠ってしまったが、気がつけば山がちの道を走るようになっていた。この辺りはまずまずで、特に峠からの下りは景色が良い。やがてマーセド川(Merced River)に沿って進むようになり、狭い渓谷を縫うように進んでいく。そして、ついに入場門が現れた。私はここで、今後のことも考えて国立公園パス(National Parks Pass:これ1枚で1年間、アメリカ国内の国立公園などに出入り自由)を購入。念願のアメリカ国立公園に足を踏み入れた。

  バスはまもなくヨセミテ渓谷(Yosemite Valley)に入るが、すぐに右折してぐんぐん高度を上げていく。すると渓谷の景色が開け、あまりにも有名なトンネル・ビュー(Tunnel View)の展望台で停車。ここで休憩となった。あいにくの天候で今ひとつ感動しないが、ここには7泊もするので、まぁ今日のところは許してあげよう。

Tunnel View
トンネル・ビューからの眺め

 その後、左右に迫る岩壁を眺め、センチネル橋(Sentinel Bridge)などに寄り道しながらヨセミテ・ビレッジの中心部にやって来ると、ここでフリータイム。しかし私は片道だけなので、運転手にチップを渡してお別れし、無料のシャトルバスで宿となるCurry Villageに向かう。この辺りは、ヨセミテの中でも特にブラック・ベア(Black Bear)が出没する地域。当然のように匂いのするものは全てフード・ボックスに収納するが、それでもテントキャビンに泊まるのはやや心もとない(おまけに夜は冷える)…この日はその後も天気が優れなかったので、大して動き回ることもなく就寝した。

 曇天のヨセミテ

  そして翌17日、いよいよ動き回ろうと思ったが、今日も曇りですっきりしない。だが、朝から大勢の観光客が出かけていっている。ここヨセミテはアメリカでも最も人気のある場所の一つで、夏の間は宿を確保するのが困難なほど。まだハイ・シーズン前の5月半ばでも、ビレッジ内のホテルとキャンプ場に空きはない。1月に予約したから良かったものの、行き当たりばったりだったら、入ることさえできなかったかもしれない。

 それはともかく、このままでは埒が明かないので、諦めてハイキングに出かけることにする。今日はひとまず手頃なところで、家族連れも多く訪れるバーナル滝(Vernal Fall)とネバダ滝(Nevada Fall)のコースを歩く。シャトル・バスでハッピー・アイル(Happy Isles)まで行ったら歩行開始。まずは沢に沿って緩やかに登り、橋を渡ると前方にバーナル滝が見えてきた。分岐を左に取ってミスト・トレイル(Mist Trail)に入るが、今年は残雪が多いため、このコースは数日前に開いたばかりらしい。さらに進むと滝の瀑音が激しくなり、まもなく滝からの水しぶきが舞うようになってきた。さすがは"Mist Trail"。かまわず歩くと、その先からは登りが急になって滑りやすいうえ、飛沫も半端ではなくなり、たちまちびしょ濡れになってしまった。恐るべし"Mist Trail"…雪解け水の多い時期だからこそなのだが、これは予想以上だった。

Vernal Fall with mist
飛沫舞うバーナル滝

Vernal Fall from bridge
橋から見えるバーナル滝(奥)

Nevada Fall from Mist Trail
ネバダ滝

 最強の水飛沫ポイントを通過したところで小休止するが、気がつけば三脚の部品がなくなっている…辺りには見当たらないので、後で探すことにして歩行再開。急斜面を快調に登っていく。足元に気をつけながら滝の上まで上がると、岩盤剥き出しのところで、大勢の人たちが休憩していた。餌目当てに動き回るリスも愛らしい。しかし人が多過ぎるので、滝を軽く見下ろしたら先を急ぐことにした。

  しばらく沢沿いに歩き、橋を渡ると森歩きが続く。ネバダ滝の音は聞こえるのだが、視界があまり開けないので少々物足りない。そこを抜けると、今度は滝横の岩盤伝いに急登をこなしていく。淡々と歩き、結局そんなに滝を見られぬまま上まで来てしまった。だが、まだ2時間ほどしか経っていないので、予定を延長してさらに奥の、リトル・ヨセミテ渓谷(Little Yosemite Valley)に歩を進める。すると、ここからは不思議なほど人がいなくなり、とても静かな世界が広がっていた。これぞ求めていたもの、取り立てて素晴らしいものがあるわけではないが、木立に囲まれた道をのんびりと歩いていった。

  キャンプ場を過ぎると、左手にはヨセミテの象徴、ハーフドーム(Half Dome)の裏顔が見えてきた。でかい…しかし、まだこのドームに登ることはできない(通常、5月末に道が設けられる)し、この先しばらくは見所もないので、少し佇んだら引き返すことにした。

Half Dome (back)
ハーフドームの裏側

 晴天で変身

 帰路につくと、いつの間にやら晴れ間が覗くようになり、あっという間に雲が消え去っていった。驚くべき展開に、急ぎネバダ滝の上に行ってみると、先ほどとは見違えるほど美しい岩壁の景色が広がっているではないか。ヨセミテ独特の、花崗岩が織りなす白色の岩壁群(正確には灰色だが)…曇天では今ひとつだったが、晴天で随分と変身してくれるものだ。

View from the top of Nevada Fall
ネバダ滝上からの眺め

  この景観は格別なので、人の多さにもめげずに大休止。昼食を兼ねてのんびりと寛ぐ。ここからの帰りはジョン・ミューア・トレイル(John Muir Trail)へ。そう、ナチュラリストとして有名なジョン・ミューアの名を冠した、全長約340キロのトレイルの一部を、今こうして歩いているのだ。しかも、滝上を過ぎてからはしばらく眺望が抜群で、ネバダ滝やリバティ・キャップ(Liberty Cap)が迫力ある姿を見せている。素晴らしい!

Vernal Fall
バーナル滝

Liberty Cap
リバティ・キャップとネバダ滝

 道はやがてジグザグに下るようになり、まもなく森の中へと吸い込まれていく。こうなると面白みがないので、後は淡々と下っていき、分岐点で再びミスト・トレイルに入って、紛失した三脚の部品を探してみる。またも滝に濡らされながら捜索するも見当たらず…このままハッピー・アイルに帰着してしまい、残念無念であった。

 しかし、今日はまだ絶好の天候だったので、ここからさらに足を延ばして、ミラー・レイク(Mirror Lake)に行ってみる。ここは驚くほど平坦な道のりで、夕方とあって多くの人たちが帰途についている。そんな中を逆行して歩いていくと、かわいらしい湖(というより池?)が見えてきた。右上にはハーフドームが覆いかぶさるように迫り、なかなかの迫力。さらに調子に乗ってテナヤ・キャニオン(Tenaya Canyon)方面に向かうと、すっかり人気がなくなってしまった。とはいえ、道は一本道の周回路。こうなったら歩いてしまおうと、競歩並みにズカズカ歩き(でも、あまり面白くない)、なんとか暗くなる前に宿に戻ることができた。

Mirror Lake
ミラー・レイク

Looking up half Dome
ハーフドームを見上げる

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