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チベットの旗

旅行記:チベット(世界自然旅)

51.緑の大地へ (2004/11/5-7:晴時々曇

 寒い温泉

 カイラス山を愛で、マナサロワール湖も眺めることができ、もはや思い残すことはなくなった。振り返れば、ツアー募集に苦戦し、旅の途中も何度か困難に直面したが、それももう、後3日かけてネパール国境に向かうだけだ。厳しいながらも雄大な自然に出会うことができ、今となっては苦労して来た甲斐があったと思う。さらば、西チベット!

 こうして宿を去ろうとしたところで、急遽温泉が開いたとの報が舞い込んできたため、慌てて皆で向かう。そして、さっそく入浴するが、思ったよりお湯は温かくなく、浸かっていると寒くなるほど…これには参ったが、とにかく急いで頭や体を洗って、風邪をひかぬうちに上がらざるを得なかった。

 ともあれ、これで心身ともにリフレッシュしたところで、心機一転、元の道を戻っていく。轍の悪路を跳ねるように下り、新藏公路に出たら、そのまま東へ。すると、日本人らしき女性がヒッチハイクをしていて驚かされた。こんな交通量の少ないところでは難しいだろうに(乗せてあげたいが、荷物が一杯なので無理) …

 ホルチュまで来たら休憩し、ここで早めの昼食をいただく。これでもう、マナサロワール湖にナムナニ、それにカイラス山ともお別れと思うと寂しいが、もう十分に感動させてもらった。ありがとう…

 そして、それから車は延々走り続け、今宵はパルヤンに停泊となった。

Memonani from Hor Qu
ホルチュからのナムナニ

 同じ道を引き返す

 翌日も目を見張るような快晴で、ここ数日は本当に天気に恵まれている。ついに完全なる乾季に入ったということだろうか…車は朝から砂丘地帯を抜けて走り、トンバで昼食を取ってサガへ。途中、流されていた道もちゃんと修復されていて、特に問題なくサガまで戻ることができた。久々にインターネットの世界にも触れ、文明社会が近いことをヒシヒシと感じさせられた。

 そして翌7日、再びヤルツァンポ川を渡ろうとすると、ダルチェンで会った日本人女性と偶然再会した。彼女は深刻な歯痛に悩まされていたが、運良くイタリア人のツアーに同乗させてもらい、これからネパールに向かうところらしい。ただ、イタリア料理の食材とシェフも同行した大名ツアーなのに、彼女はトラックの荷台で身を隠さなければならず、死ぬほど辛いらしい。この先、ひどい悪路があるだけに、無事にネパールに着けることを祈るばかりだ。

 フェリーで川を渡ったら大名ツアーに別れを告げて、中尼公路を目指す。道中は、以前と同じように悪路が続くが、ここは何とか通過。ペンクツォまで来ると、今度は物乞いの子供たちがいなくて驚いたが、ここで昼食を取って英気を養った。

 ここまで来ればあと一息だが、ガイドとドライバーはショートカット・コースをたどりたいらしく、道端で会った遊牧民に道を確認している。そして、轍の分岐を見つけたところで右折し、ナキウサギが逃げ惑う中を疾走していくが、途中で深い雪と川に遮られてしまった。どうするのだろう…

Land Cruiser
この車で走ってきた

 中尼公路に出て

 ドライバーは外に出て周囲の状況を確認し、「これなら大丈夫」と言って、突破を図った。かなり怖かったが、どうにか対岸に渡ることができ、今さらながらランドクルーザーの性能に感動する。そして、そのまま川原を進んで、中尼公路の62道班に出た。

 ここから少し登ると、まもなくヤルレシュン・ラ(聶汝雄拉山口:5100m)に到達した。風がもの凄く強くて寒いが、前方にはラプチカンをはじめとしたヒマラヤの高峰群が望め、西にはシシャパンマの姿もある(こちらは、やや雲がかかっている)。これでもう、チベットとはお別れのような気がして、何だか切ない気分になった。

View from the last pass
ヤルレシュン・ラからの眺め

Gorge near Nyalam
緑の渓谷に入ってきた

 そして、ここからは一気に高度を下げ、恐ろしいほどのスピードで疾走していく。1000m以上の高度を急下降して、ミラレパ寺院(米拉日巴寺)の前で停車。ここで寺院の見学と相成ったが、正直それほどの見所ではなく、「おまけ」の感が拭えない。ミラレパには悪いが、わざわざ立ち寄るほどのことはなかった。

 ニェラム(聶拉木)を過ぎてからは、渓谷沿いをグングン下っていく。かなり狭く急な道をゆくので、雨季だったらかなり怖いことだろう。しかし、空気は急に濃厚になり、周囲には緑が見られるようになってきた。茶褐色の大地が続いていたので、これには思わず感動してしまう。そして、夕方にはついに国境の街、ダム(樟木)に到着。なんと予定より3日も早く、ツアーを終えることができた。

 街中ではカラフルなトラックや、南アジア風の人を多く見かけるようになり、さすがに国境の街に来たと実感する。樟木夏尓巴酒店にチェックインしたら、ツアーの打ち上げと称して皆で夕食へ。ところが、あまりの開放感から、日本人の男とカナダ人が泥酔してしまい、はちゃめちゃな騒ぎとなった。大声で"Free Tibet!"などと叫んでいるし、公安が現れないかと不安になるが、ともあれ、こうしてツアー最後の夜は更けていった。

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