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チベットの旗

旅行記:チベット(世界自然旅)

43.チョモランマに迫る (2004/10/28:晴時々曇

 ヒマラヤとの対面

 今日はついに、念願のチョモランマ(エベレスト)・ベースキャンプに向かう。初めての世界最高峰に興奮を隠せないが、道程がやや長いため、夜明けとともに出発した。幸い、雲一つない天気に恵まれたようで、これからの展開が楽しみになってくる。

 車はどんどん高度を上げ、中尼公路最高所となるラクパ・ラ(加措拉山口:5250m)を越えると、眼前にヒマラヤの山々が姿を現した。まだ距離はあるものの、感動の対面だ。そして、その景色を堪能しながら下っていき、まもなくシェーカル(協格尓/白壩)に到着。ここで入山料を支払い、いよいよベースキャンプに出立だ。

Shekar view
ヒマラヤの峰々が見えてくる

 街外れでパスポート・チェックを受け、さらに分岐を左に入ると検問所が登場。子供たちが物乞いにやってくる中を通過すると、ここからつづら折の登りが続く。かなりの急坂だが、気がつくとここを自転車で登る旅行者が見える。カナダの国旗をはためかせているので、同行のカナダ人は大興奮。声援を送りながら追い越して、さらに高度を上げた。

 やがてパン・ラ(教烏拉山口:5150m)に登りつくと、そこからは世界最高峰のチョモランマ、そしてチョー・オユー(卓奥友峰:8201m)などのヒマラヤの高峰群が一望の下となった。チョモランマの雲がかかっているものの、ここからはさらにローツェ(洛子峰:8516m)とマカルー(馬卡魯峰:8463m)も望め、8000m峰が4座も俯瞰できるのだ。何という贅沢な眺めだろう…風が強くて寒いものの、それを感じさせない神々しい景観だ。これだけでも、ランクルをチャーターして来た甲斐があったというものである。

Pang La
パン・ラからの眺め (チョー・オユーからチョモランマまで)

 北西壁を望む

 ここからは谷間へと一気に下り、かなりの悪路を進むようになる。タシゾン(扎西宗)まで降りると、しばらくは平坦な道が続くが、この辺りはヒマラヤの高峰が望めないので面白くない。味気ない景色の中、チョモランマが見える時を待った。

 やがて道は緩やかに登り始め、左手に周り込むようになると、まもなくチョモランマが姿を現すようになった。相変わらず後ろに雲を吐いているが、だいぶ近くに見えている。そして、その姿が目の前になったところで、ついにロンボク・ゴンパ(絨布寺)に到着。美しい北西壁が眼前に迫り、誰しも興奮を隠せない。さすがは世界最高峰だ!

Chomolungma from Rongbuk
チョモランマの雄姿 (ロンボクより)

 ただ、外は強風が吹いていて、とても長居はできない…ちょうど昼時だったので、店に入って食事を取るが、窓からは常に最高峰の雄姿が見えている。こんなところなら、どんな食事も美味しく感じてしまうというものだ。

 するとガイドがやって来て、今日はティンリー(定日/崗嘎)まで戻るから、食事を終えたら帰るぞ、と言い出した。いや、今日はベース・キャンプに泊まり、ティンリーに向かうのは明日のはずだ。これには到底納得いかないので、改めて予定表を見せて説得。とりあえずは理解してくれたようだが、今夜はここ止まりで、ベース・キャンプには行かないらしい。予定表にはちゃんと書いてあるのだが、そこまでは(許可を取っていないので)行かれないと言うのだ。

 しかし、4人ともベース・キャンプまで行くつもりだったので、彼らが行けないというのなら、自分たちで行くしかない。もはやガイドの言うことは当てにしていなかったので、明日の11時に戻ってくると言い残して、皆でベース・キャンプに向けて歩き出した。

 世界最高峰の夕焼け

 ロンボクからベース・キャンプまでは12kmほどだが、既に標高5000mを越えているので、それほど楽な道のりではない。無理せずゆっくり歩いていくと、時々ランクルが通過していくが、この差は何なのだろうと思ってしまう。やはり安いツアーにしたせいだろうか…

 しばらくするとチョモランマが見えなくなってしまったが、ベース・キャンプからは綺麗に見えるはずなので、そのまま歩き続ける。川も凍っていて寒々しいが、そんな中を着実に進むと、やや急な登りをこなしたところで、再びチョモランマが姿を現し、目指すベース・キャンプも見えてきた。3時間近くかかったが、もうすぐそこだ。

Chomolungma from B.C.
再びチョモランマが現れる

 すると、ここでバイクに乗った男がやって来て、ベース・キャンプまで乗っていけと言ってきた。ちょっと嫌な予感がしたので断ると、案の定、ベース・キャンプに着いた途端に人に囲まれ、客引き合戦が始まった。先ほどの男も含めて10人あまりが、自分のところに泊まれとしつこく言い寄ってくる(他に泊まる客がいないらしい)。仕方なく値段交渉を試みると、10元まで下がったところで、1軒のみとなったので、そこに決定した。

 ところが、泊まると決めた途端、男は約束を反古にして、お湯は有料だなどと言い出した。これには頭に来て、日本人のカップルはたいそう機嫌が悪くなり、罵声を浴びせるまでになる(これに反省したのか、男はそれ以降静かになった)。これまでチベタンは良い人が多かったのに、こういうところもあるのかとガッカリさせられてしまった。

 そうこうするうちに夕方となり、外に出てみると、残念ながら雲が広がったままであった。チョモランマはもう少しで見えそうなのだが…あまりに寒いので、すぐにテントに戻るが、世界最高峰の夕陽は是非とも見届けたいので、体を温めて再確認。すると、今度はチョモランマが夕陽に照らされているではないか! 何という幸運!! すぐに他の人たちを呼び出して、皆でこの絶景を堪能した。

Chomolungma sunset
夕陽に照らされるチョモランマ

 しかし、夜になると吹き降ろしの風が一層強くなり、とんでもない寒さになった。-20℃対応の寝袋に毛布を数枚重ねるが、それでも寒くて眠り難い。おそらく、今後標高5200m以上で眠ることなどないだろうが、これは本当に辛い夜であった。

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