検索 Google
五輪館
Back|Next
旅巧館旅行記アジア>チベット
チベットの旗

旅行記:チベット(世界自然旅)

40.ようやく決着! (2004/10/21-23:晴時々曇

 救世主現る?

 ようやくツアーの開催が見えてきたとはいえ、まだ予断の許さない状況が続いていた。最悪の場合、カナダ人の条件を呑めば3人で出発できるものの、1人当たりのコストは高くつくし、行程上も不都合が生じてしまう。できることなら避けたい…と思っていたところ、翌21日の夜になって、不意に日本人の若いカップルが現れた。彼らも西チベットに行きたいので、話を聞きにきたという。これはチャンスだ!

 そこでさっそく説明を始めるが、嘘を言って後で取り返しのつかないことになっては困るので、かなり過酷な旅になることを包み隠さず話した。彼らとしては、カイラス山のトレッキングにはあまり興味がないので、その間は村に行きたいという。そして何より、コストの高さが気になるようであった。これでもかなり安い方だと説明し、何とか理解を得ようとするも、やはり旅行会社の人にも確認したいというので、ガイドブックを読んで考えてもらい、明日改めて話をすることにした。

 そして翌日、一緒に旅行会社に出向き、より詳しい説明を受ける。いろいろと話をした挙句、彼らとしては、ランクルの年式を古くしてコストが下がるなら参加しても良いとのこと。この14,000元(約20万円:1人あたり約5万円)バージョンは折込済だったので、個人的には構わないが、問題は今日(金曜日)中に決断してくれないと、許可証の取得が遅れてしまうこと。条件は呑むので、即決をお願いすると、少々考えた後、2人とも承諾してくれた。やったー! さんざん苦労したが、これで来週の火曜日、26日に出発できる見込みとなった。

 しかし、タイミングというのは不思議なもので、この後メールをチェックすると、別の女性2人組からもコンタクトがあり、非常に興味を示していた。また例のカナダ人も行く気満々で、これからラサに向かうところだと書かれている。申し訳ないが決まってしまったと、両名にはお詫びの返事を書いたが、あれだけ人集めに苦労したのが嘘のようであった。

 天空の寺

 これでやっと心配事がなくなったので、翌23日には、早立ちしてガンデン寺(甘丹寺)に向かう。バスのチケットは前日に購入しておいたので問題なかったが、まさか複数台のバスに分乗するほど混み合うとは思っていなかった。

 チベタンに混ざって暗いうちに出発し、2時間かけて門前まで登ると、ちょうど日の出を迎えるところであった。この寺はワンポル山の斜面に建てられているので、その対岸の山に登れば全景を眺めることができる。この機を逃す手はないので、入場料の徴収がないなと思いつつ、急いで登り始めた。

 標高4200mを越えているので、ラサの標高に慣れた身には辛く感じるが、とにかく眺めの良い場所を求めて高度を上げていく。すると、まもなくご来光を迎え、寺にも光が差すようになった。背後にはキチュ河(拉薩河)を望め、まるで天空の寺であるかのよう。美しい眺めに、しばし見入ってしまった。

Gandan Monastery
ガンデン寺

 一息ついたら寺に戻り、まずはリンコル(巡礼路)を時計回りに歩いてみる。裏山からはタクツェ(達孜)の伸びやかな風景が広がり、気持ちの良い散歩道のようである。だが、寺の方に周り込んでくると、ところどころに廃墟の跡が見られる。ここはゲルク派の総本山でありながら、中国によるチベット侵攻と文化大革命により壊滅的な被害を受け、90年代になってようやく再建が始まったばかり。無残な姿が痛々しい限りだ。

View of Gandan
リンコルを周り込んできたところ

 それゆえ、境内は思ったほど見所がない…が、一通り見て駐車場に戻ると、かなりの数の車で一杯になっていた。特に外国人観光客は車をチャーターして来るケースが多いようで(チベタンと一緒にバスに乗りたくないのだろうか?)、思いのほか賑わっている。結局、帰りのバスまで時間が余ってしまったので、改めて入場料を支払ったら、後は出発までのんびり過ごしたのであった。

Gandan overlook
ガンデン寺全景

 最後のゴネ

 これで、ラサから日帰りで行けるスポットはおおむね押さえたので、残り2日は買い出しをしたり、バルコルで土産物を漁ったりして過ごす。ラサに来てかれこれ半月以上経ち、いい加減この街から去りたかったが、考えてみるとこうした「沈没」旅行は初めてだ。今までは忙しく動き回り、次から次へと観光を続けてきたので、日本人旅行者と一緒に食事をしたり、情報交換する機会すら、あまりなかったのだ。そういう意味では、これはこれで貴重なことだったと言えよう。

 なお、この頃になると、以前泊まっていた人たちは続々と出発してしまったが、ここに来て新たな日本人がやって来るようになっていた。ちょうどこの時、再びナムツォへの道が解禁になったので、彼らは自分たちでツアーを組んでいくつもりらしい。やはりチベットのようなところは、1人で行動するよりも、何人かで一緒に旅する方が楽だ。

 さて、出かけていたカナダ人が戻ったのが24日の夜遅くだったので、メンバー全員が顔を合わせたのは、出発前日のことであった。初対面ながら終始和やかなムードで、まずは一安心だ。

 ところが、そのまま旅行会社に向かい、最終確認を行なうと、さらにコストを下げろと、カナダ人がゴネ出した。カップルもそれに加担するものだから、話はややこしくなったが、こんなことは今さら言うべきではない。日数を短くできるから安くしろと言っても、それは悪天候に備えてこちらが設けたものだし、事前にちゃんと説明したはずだ。個人的には呆れてしまったので、口を挟まず成り行きを見守り、結局ほとんど譲歩を得られず終了。まぁ、予想通りの結果であった。

 また、ここで車の確認と、ガイドとドライバーの紹介が行なわれる。ツアー費用を抑えたせいか、ガイドは20代の若者で、英語は話せるものの少々不安である。チベットのガイドの質は低いことで有名なので、半月の長丁場を乗り切れるのだろうか…

 ともあれ、これでようやくラサを抜けることができる。西チベットとネパールに向けて、これからがチベットの旅の真骨頂だ。

Page Top
Copyright © gorinkan.org All Rights Reserved.