検索 Google
五輪館
Back|Next
旅巧館旅行記アジア>チベット
チベットの旗

旅行記:チベット(世界自然旅)

37.旅の仲人 (2004/10/15-17:曇時々雪後晴

 義理を立てたばかりに…

 15日はあいにくの悪天候で、ラサは初雪に見舞われてしまった。この影響で、ナムツォへの道も再び閉鎖されたそうで、先日行けたのが幸運だったとわかったが、それにしても天気が悪い…既にチベット自治区に入って9日目だが、まだ半分も晴れていないのだ。もう時期的には雨季も終わっているはずなのに、どういうことだろう。

 そんな中、昼過ぎになって、今度はベルギー人のカップルが現れ、ツアーについての説明を求めてきた。彼らは非常に好意的で、3人で残り1名を探そうとまで言ってくれる。だが、昨日のオランダ人の意向を無視するわけにもいかない…原則として先約優先主義を採っている以上、まずはオランダ人の動向を見極めなければいけないと思い、その旨を伝えて、少々待ってもらうことにした。

 そして、夜になって再びオランダ人と面接し、改めて状況を説明する。彼らは話を聞き終えると、決断を示すのかと思いきや、「同じようなツアーで、さらに安いのが出ていたので、それと比較して判断する」と言い出した。なに、そんなこと聞いてないぞ!

 なぜ今さらそんなツアーが出てきたのか理解できなかったが、調べてみてすぐにわかった。あのベルギー人のカップルが、私が示したのとほぼ同じ日程で、さらに2,000元安い見積もりで掲示していたのだ。今回、天気の悪化を考慮して、カイラス山では通常より1日多く日数を確保していたが、それもそっくり同じで、カイラス山とチョモランマ・ベースキャンプ(珠峰大本営)の順序を変えただけだ。義理を立てたばかりに、こんな罠にはまるとは…

 仲人役となって

 しかし、もはやこの時点で敗色濃厚であった。ランドクルーザーをチャーターする場合、西チベットへはガイドを同行させなければならないので、客は4人までとなる。私は独り者なので、人数的に半端であるし、ベルギー人とオランダ人では、どう考えても一緒に行きたくなるだろう。安く、しかも隣国同士で行けるとなれば、それを選択するのは間違いないし、それが自然の流れというものだ。

 この時点でもう、半ば諦め気味ではあったが、翌朝にこの2組が打ち合わせをするというので、最後にベルギー人宛てに文書を残し、できれば一緒に行きたいけれど、それが駄目なら4人で言って下さい、と記しておいた。その結果、予想通り2組が結びつき、私は仲人となって彼らの門出を祝うことになった。

 そんな彼らも心痛むのか、午後になって私のもとを訪れ、申し訳ないけれど2組で行くことになった、と告げてきた。他に希望者が現れたら連絡するから、とも言ってくれる。既に覚悟していたので、その申し出でもう十分。旅の無事を祈って別れた。

 しかし、やはり心の傷は深かった。せっかくのチャンスだったのに、アイデアだけ盗まれ、仲人役となって1人外されてしまうとは…これまで一人旅で自由気ままに動いてきたが、チベットは非開放地区が多く、費用もバカにならないので、勝手に動くわけにはいかない。行きたいところが決まっているだけに、かえって思うようにいかないのだ。ここでは、一人旅はイバラの道である。

 癒しの観光

 だが、あまり沈んでばかりいても仕方ないので、翌17日は心のリハビリを兼ねて、ラサの象徴、ポタラ宮を訪ねてみる。10時頃に門をくぐると、予約の必要もなく中に入ることができ、そのまま裏口へと上がっていった。

Top of Potala
紅宮の金頂

White Potala
東庭院から見上げる白宮

 紅宮の裏で入場料を支払い、案内板に従って中に進むと、いきなりダライ・ラマの霊塔・仏塔を見ながらの見学となる。そして段々と上の階に上がり、第4層まで来たところで急に観光客でごった返し、たちまち大混雑となった。すると、ここで奥野さんらとばったり遭遇。到着以来随分と高山病に悩まされていたが、ようやく観光できるようになって喜ばしい限りだ。

 その後、屋上まで上がって聖観音堂などを一通り見て、金頂を俯瞰したら、続いて白宮の屋上に出る。ここからの眺めはなかなかのもので、ラサ市街が一望の下である。東日光殿と西日光殿を拝見したら、急な階段を下って東庭院へ。ここから見上げる白宮も綺麗だが、これでもう、観光は事実上終わり。後は広い階段を下って退出した。

 結局、100元に見合うほどの見所だったかというと疑問であったが、ラサ観光の(事実上の)手始めとしては良かったと思うことにしよう。

 そして、まだ昼過ぎと時間があったので、午後はセラ寺(色拉寺)に向かうことにした。ここはかつて河口慧海や多田等観が学んだという由緒ある寺院だが、個人的には問答修行に興味があったので、訪ねてみたわけだ。ただ、これは平日の午後に行なわれることが多いらしいので、日曜日ではやっていない恐れがあった。

 そこで、ミニバスでやって来たら、ちょっとした出来心で裏口に周り込み、そこから中に入ってしまう。驚くほどあっさりと通過すると、その後は何のチェックもなく済んだが、あいにく問答修行はお休みで、その特異な状況を見ることはできなかった。残念だが、これはまたの機会にしよう。

Sera Monastery
セラ寺

Page Top
Copyright © gorinkan.org All Rights Reserved.