検索 Google
五輪館
Back|Next
旅巧館旅行記アジア>チベット
チベットの旗

旅行記:チベット(世界自然旅)

35.天湖の巡礼 (2004/10/12:晴時々曇

 天の湖へ

 ナムツォはラサの北西約200km、ニェンチェンタンラ山脈(念青唐古拉山脈)中の高原にあり、面積は1920km2と、琵琶湖の3倍もの大きさを誇っている。チベット語で「天の湖」を意味するように、標高4718mもの高地に位置し、その美しさは多くの人を魅了しているという。昨日ナムツォから戻った欧米人は「あまり期待し過ぎないように」と言っていたが、写真で見ると非常に綺麗なので、やはり期待してしまう。

 さて、ツアーは8時集合だったので、隣りのホテルの前で待っていると、まもなく80年代風のランドクルーザーが登場。既にフランス人のおばさま方は乗車していたので、すぐに出発となった。

 トゥールンデチュン(堆龍徳慶)を右折し、青藏公路を北上していくと、ほどなくして青藏鉄道の工事現場が見られるようになった。あと3年足らずで開通する予定だが、工事は急ピッチで進んでいるようだ。完成すれば便利になるものの、何かが失われるような気がしてならない…

 ヤンパチェン(羊八井)で右折すると、いよいよ車窓にニェンチェンタンラ山脈が見えるようになってきた。雪をいただいた山々は殊のほか美しく、見ていて飽きることはない。と、ここでフランス人が写真を撮りたいからと、写真休憩になった。これはラッキー、と心の中で思いながら下車し、しばし周囲の風景を眺めたのであった。

Nyanchen Tanghla
ニェンチェンタンラ山脈 (下は工事中の青藏鉄道)

Nyanchen Tanghla Pass
峠の経幡

 峠まで来たところで再び車を止めると、今度は物売りのチベタンが迫ってきた。むりやりルンタ(風の馬)を押し付けたりと悪質で手を焼いたが、何とか振り払ってこの場を脱出。そのまま下っていき、分岐となるダムシュン(当雄)に到着した。まだ11時前と、食事をするには早かったが、この先はしばらく食べるところがないというので、ここで早めの昼食を取った。

 ナムツォ現る

 食後、分岐から未舗装路に入り、ゲートで入園料を支払って進んでいく。ここはかなりの悪路と聞いていたが、思いのほか揺れは少なく拍子抜けである。そのまま狭い谷間を登っていくと、両側には雪をいただく山が迫るようになり、ついにランチェン・ラ(那根拉山口:5132m)に到達。ここからナムツォを遠望できるので、さっそく外に出てみると、風がもの凄く強くて歩くのも困難なほどだ。寒さも半端ではないので、写真だけ撮ったらそそくさと車内に戻った。

Looking back at Largen La
ランチェン・ラから来し方を振り返る

Namtso from Largen La
ナムツォを遠望

 峠からはジグザグに下り、ナムツォ湖畔に向けて走り続ける。小さな集落を左折すると広大な原野を走るようになるが、正面にはニェンチェンタンラ山脈が見えてなかなかの眺めだ。1時間あまりでようやく湖に近づき、遊牧民のテントが点在する中、車はタシ島(扎西半島)に向けて進んでいった。

 タシ島はナムツォ南東岸にある半島で、観光客がほぼ唯一訪れることのできる場所である。古いガイドブックには、宿泊施設が2ヵ所しかないと書かれてあったが、このところの国内旅行ブームもあって、ずいぶん施設が増えている。ただ、この時期はもうシーズン終了間際なので、それほど混んではいないようだ。

 車はそのうちの1つ、放牛娃賓館で停まり、特に問題なかったのでそのままチェックインする。ここからは自由時間になったので、荷物を置いたらさっそく湖畔に出向くが、予想通り、美しい湖面が広がっているではないか。湖岸近くは淡い乳白色、そして中央部は深い藍色で、遠方にはニェンチェンタンラ山脈が聳え立っている。風景があまりに雄大すぎて、山々の高さを実感できないが、あれでも7000m級の峰々なのだ。これぞチベット!と言うべき眺めであろう。

Namtso featuring Nyanchen Tanghla
ナムツォとニェンチェンタンラ山脈

Namtso Gate
門のような大岩

 湖畔を巡って

 タシ島の周りにはリンコル(巡礼路)があるので、聖地にふさわしく、時計回りで歩いてみる。いきなり門のような大岩が出迎えてくれるが、周囲にはマニ石やマニ塚、それにタルチョがたなびいていて、いかにも聖地といった趣きである。岩山の洞窟にはタシド・ゴンパ(扎西寺)もあり、夏場なら多くの巡礼者が訪れることだろう。

 それからもマニ塚に従って湖畔を歩いていくが、湖の色合いは格別で、思わず見惚れてしまうほどだ。人は全く歩いておらず、1人でのんびり過ごすことができ、実に贅沢な散歩気分である。やがて北側に周り込むと、湖の色が深くなってきて、その変容ぶりもなかなかのもの。さらに周り込んで、1時間もかからずにコルラを達成してしまった。

Namtso lakeside
湖畔を歩く

Namtso color
格別の色合いだ

 しかし、本当の見せ場はこれから。写真集を見て感じたのだが、ナムツォを眺めるなら高台からが良いようなので、そのまま(先ほど周回した)岩山を登っていく。さすがに標高4700m以上なので苦しいが、強風をものともせずに登り続けると、次第にナムツォの展望が開けてきた。実に雄大で美しい眺めだ。タルチョもたなびき、チベットらしい風情を醸し出してくれる。これは来た甲斐があった!

Namtso overlook
ナムツォを見下ろす

 しばらくこの景観を堪能したら、道はまだ先へと続いているので、そのまま登っていく。前方には小さな東屋があるので、それを目標に歩くのだが、思ったよりも大変な道のりだ。途中からは景色も変わり映えしなくなったが、意地で登頂達成。その先の断崖から湖を見下ろしたら引き返し、日が暮れる前に宿へと戻ったのであった。

Flags at Namtso
強風にたなびくタルチョ

Page Top
Copyright © gorinkan.org All Rights Reserved.