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旅行記:北欧(世界自然旅)

34.苦難の果てに (2004/6/9:曇時々晴

 最後は嵐

 ここまで来れば一安心…のはずだったが、北極圏の天気は気まぐれで、翌日は嵐になっていた。強風に大雨、周りにはガスがかかってろくに景色も見られない。本当は早いところ下ってシャワーを浴びたいところだが、これでは歩く気がしない。最後の最後まで、本当に苦難が続くものだ。

 これまで無理して歩いてきたおかげで、日程には丸1日分の余裕があった。ただ、食料には余裕がなく、昼には底をつく計算だ。そこで台所にある食料を確認すると、幸い1日を過ごす分の食料がストックされていたので、これを使わせていただくとして、しばらくは待機することにした。

 嵐のような状態は昼過ぎに収束したが、天候はなかなか回復せず、雨は降ったり止んだりを繰り返し、景色も良くならない。終点からのバスは1日2便、朝と夕方前しかないので、結局この日の帰着は諦め、もう1泊することに決めた。

 しばらくゆっくり過ごしていると、夕方になって天気が少しずつ良くなってきて、一部で青空が覗くようになってきた。すると7時過ぎ、例のチェコ人が現れた(この時間に着くところを見ると、前の小屋を昼過ぎに発ったのだろう)。こうして再びの共同生活となったが、幸いここは3部屋、各6ベッドが開放されているので、全く気にならない(強いて言えば、食事時の音声だけ)。ともあれ、明日こそ良い天気になることを祈って眠りについた。

 待った甲斐?

 翌日、期待して起きてみたが、空は相変わらずの曇り空で、山々は隠れたままであった。10時過ぎまで待ってみるものの、雲は晴れないどころか、雨まで降ってきてしまった。まったく、せっかく待ったというのに…業を煮やして、雨がほぼ止んだところで、11時前に宿を出て帰途についた。

 小屋からしばらく平坦な道をたどり、橋を渡って下り始めると、ここに来てようやく、雲が切れて青空が覗くようになってきた。最高峰こそ見えないが、周囲の山々は概ね見えるようになっている(雲は多いけれど)。何度か立ち止まっては振り返り、回復状況を確認しながら進んでいくが、これは待った甲斐があったと言うべきなのだろうか。

View of Kebnekaise
徐々に回復傾向…

 いったん見晴らしの良い場所で小休止するが、すぐには回復しないので、この先でも見られるだろうと先を急ぐことにする。ところが、丘の横を下ってゆくと、背後の山々がほとんど見られなくなってしまい、やや残念な展開となった。こうなったら仕方がないので、淡々とお気楽な道を歩いていく。

 ここまで来ると、これまでの氷雪の世界から一変し、緑あふれる世界に変わってきた。まだ木々は芽吹き始めたばかりだが、あの厳しい世界から来ると、とても暖かく感じてしまう。ただ、風の弱い湿地帯を通ろうものなら、たちまち蚊の大群が寄ってきて、攻撃を仕掛けてきた。やはり一長一短だと思わずにはいられない。

Láddjuvággi
途中の景色

 歩くにつれてだいぶ暑くなり、これまでの厚着では辛いほどになってきた。ラッドゥ湖(Láddjujávri)まで来ると、ようやく背後の山々が見渡せるようになり、雲が多いながらも迫力ある景観を見せてくれている。

Láddjujávri
ラッドゥ湖より

 ここからゴールはもうすぐ。後は平坦な道をひたすら歩き、3時頃、無事ニッカルオクタ(Nikkaluokta)に到着した。そして貸切状態のバスに乗って、一路キルナ(Kiruna)へ。その後Yellow Houseに宿を取って、この1週間の疲れを癒したのであった(久々に文明社会に戻ってきたので、贅沢にもハンバーガーを食べてしまった)。

 街は暑い

 キルナからはいったんアビスコに戻り、ここで預けていた荷物を引き取って再パッキングする。この日はよりによって気持ちの良い晴天で、周囲の山々が殊のほか美しい。天気予報によれば、今日から4日間は晴天が続くのだという。まったく…ついていない時はこういうものだ。

View of Tjåmuhas
トムハスを望む

 アビスコで少々景色を楽しんだら、その日のうちに、夜行列車でストックホルムまで一気に南下する。夕方になると雲もほとんど消えて、車窓から眺める景観がとても美しい。ここも一瞬で通り過ぎてしまうのがもったいない光景が続く、素晴らしいところだ。

Train view around Abisko (1)

Train view around Abisko (2)

Train view around Abisko (3)
アビスコの車窓から

 夜行列車はクシェット(簡易寝台)を取ったので、6人1組の3段ベッドで、私は真ん中だった(スンズヴァールで予約しておいたのだが、6人のところに3人だけだったので、結果的には直前でも問題なかった)。疲れがたまっていたので忽ち眠りにつくと、後は夢心地…気がつけば朝で、もうだいぶ南下してきていた。

  そして昼過ぎ、無事ストックホルムに到着。この日は晴天ということもあって、ラップランドの山の中から来るとものすごく暑く感じてしまう(ついこの間まで0℃前後の日々が続いていたのに、急に20℃近くまで上がるのだから当然だろう)。おまけにすごい人、人、人…さすがは北欧随一の大都市だ。

Stockholm
ストックホルム

 まずは船のYHAaf Chapmanに向かう(ここは3週間前の予約でギリギリだった)。中は清掃中とのことだったので荷物を預けて街に繰り出し、久々に散髪。続いて旧市街のガムラスタン(Gamla Stan)に出向くが、途中で雷雨になってしまい、身動きが取れなくなってしまった。その1時間後、雨が止んだところで駅に行き、く久々にメール・チェックをして宿に戻った。

 そして翌日ストックホルムを後にし、一路デンマークのコペンハーゲン(København)に向かう。4時間かけて、最後は海峡をエーレスンド橋(Øresundsbron:7845m)で渡ると首都着。すぐに乗り換えて、ミュンヘン(München)行の夜行列車で北欧を去り、一気にアルプスまで南下するのだった。

 それにしても、北欧では苦難続きで、宿の確保困難、ツアーやバスの不催行、ノルウェーを除いて天候不順(普通、ノルウェーが最も天気が悪いのに…)、物価高など、大変なことばかりであった。混雑を恐れて少し早めに来たのだが、それがかえって裏目に出てしまったようだ。

  それゆえ存分に楽しめたとは言い難いが、それでも雄大な自然の一端に触れることはできた。特にノルウェーには魅せられ、それだけでも来た甲斐があったと思えるほど。今度はぜひ秋口にでも、もっと時間を取り、じっくり準備を整えて、のんびりと巡りたいものである。

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