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旅行記:北欧(世界自然旅)

31.雪深く道遠し (2004/6/4:曇後晴

 晴れてくれ…

 昨日、夕方になって天気が回復傾向にあったが、朝になってみると相変わらずの曇り空…しかも出発しようとすると小雨が降ってきて、先行きが思いやられる展開になってしまった。それでも、今日の行程は20kmほど、あまり悠長に過ごしているわけにいかないので、諦めて歩き始めることにした。

Marshland
湿原をゆく

 橋を渡り、しばらくは平坦な湿原を歩いていくが、この辺りの木道は老朽化していて不安定なので、気をつけながら歩いていく。まもなく登りが始まると、この辺りから所々雪が残っていて、少々歩きにくい。おまけに久々のまともな登り坂で、早くもバテてきてしまった(荷物が重いとはいえ、我ながら情けない)。

 喘ぎながら急登をこなしたところで、正面にキエロン小屋(Kieronstugan)が見えてきた。この頃から雲が少しずつ切れてきて、部分的に晴れ間が望めるようになる。ここは谷越しに美しい山々が広がっているので小休止。晴れてくれるのを願って、しばらく待ってみた(結果は写真の通り…)。

View to Kieronstugan
キエロン小屋方面を望む

 再び緩やかな登りにかかるが、ここまで来ると残雪だらけになってきた。踏み跡を頼りに歩いていくものの、結構深い雪が残っていて、早くも体力を消耗する。まだ標高800m程度だというのに、この先が心配だ。

 2時間ほど歩いたところで、正面にコトトッカ(Kåtotjåkka:1991m)をはじめとする山塊が見えてきた。この頃になると、場所によってかなり差があるものの、だいぶ青空も覗くようになってきている。この山塊の麓にはいくつもの湖があるが、今は完全に雪に覆われ、その姿を垣間見ることすらできない。雪道をかいくぐり、展望の良い場所に出たところで昼食休憩にして、晴れてくれるのを待った。

Kåtotjåkka
コトトッカの山塊

 優美な山々の競演

 この辺りには十数頭のトナカイの群れがいて、私の気配を感じると足早に逃げてしまったが、休んでいる間にまた戻ってきて、気がつけばかなり近くにいた。ちょうど山塊周辺が晴れてきたので撮影しようとすると、トナカイはびっくりして(私の存在に気づいていなかったらしい)、慌てて遠くに逃げていく。雪に足を取られて苦戦したりして、何とも微笑ましい光景であった。

Reindeer
トナカイの群れが逃げる

 雪道で苦戦したのと、途中で休みすぎたため、まだ行程の半分も来ていないのに既に2時過ぎ…天候が崩れる気配はないとはいえ、この先も見る限り雪道だらけなので、先を急ぐことにする。

 相変わらずの雪道に苦戦を強いられるが、周囲には優美な山々が広がっていて、振り返ればギロンやアドネトッロ(Adnjetjårro)なども綺麗に見渡せるようになった。歩くうちに変わっていく景観を楽しみながら、ゆっくりと歩いていく。この時期はどの山も白雪を纏って美しいが、夏になるとどうなのだろうか。

Kåtotjåkka and others
優美な山々が連なる

 少し登って柵を越えてゆくと、前方の視界が開けてきて、これから歩く道のりが手に取るようにわかる。結構歩いてきたつもりだったが、まだまだ先は長い…

  緩やかに谷底まで下りると、アリス湖(Alisjávri)畔に到着。ここから次の小屋まで、シーズン中ならボートが出ているらしいが、無論この時期はあるはずもなく、まだ1~2時間はかかりそうだ(7~8月の運行とちゃんと書いてある)。雪でだいぶ体力を消耗したので、既に夕方になりつつあったが、ここで少々休憩とした。

Alisjávri
アリス湖

 雪が深くて

 ここからはほぼ湖畔に沿って歩いていくが、この湖の標高が772m、既に周囲には雪が多く(湖自体もかなり氷結している)、本来の道もかなり不明瞭になってきた。ある時はズブズブ雪にはまりながら歩き、またある時は雪を避けて、遠回りをしながら歩くが、湿地帯などにはまるとかえって大変な目にあって、抜け出すのが容易ではない。雪も一層深くなってきて、距離の割に時間がかかってしまう。この先、標高1100mあまりの峠越えが心配になってきた。

 数キロ歩いたところで、ようやく前方に小屋らしきものが見えてきた。が、ここからの道が遠い…これまで数少ない踏み跡を頼りに歩いてきたが、ここで完全に見失ってしまい、本来のルートからも外れてしまった。視界は開けているので迷子の心配はないが、どうにも道がわからない…やむを得ず道を開拓していくが、当然これでは時間がかかり、なかなか前には進めない。雪解け水が下を流れる雪渓を渡る時も恐怖で、どこに落とし穴が待っているかわからない。本当にこの先が思いやられる…

Looking back at Giron
来し方を振り返る (左がギロン)

 それでもどうにか難関を突破し、最後には本来の道を見つけることもできて、無事湖南端のアレスヤウレ小屋(Alesjaurestugorna)に到着。白夜なので明るいが、もう8時になろうとしていた。

  さっそく小屋をチェックすると、ここにも誰もおらず、また1人で快適に過ごすことができる。辺りの景観も抜群で、しかもほとんど雲のない天気となって、心休まる一時だ。寝る間際になって少々雲が出てきたのが気がかりだったが、明日も晴天になることを祈って、白夜の床についた。

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