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旅行記:北欧(世界自然旅)

29.真夜中の太陽 (2004/5/29:曇一時雨後晴

 近くの名所巡り

 昨日は実働23時間で疲れたので、起床は遅めの10時過ぎとなった。今日も天気は冴えず、一面雲に覆われており、時々雨も降る有様だ。

  もうノールカップに行くつもりはないので、今日はすぐ近くのキルケポーテン(Kirkeporten)周辺を巡ることにする。これは「教会の門」と呼ばれる奇岩で、写真でよく見るのでどこにあるのかと思っていたら、なんと宿から10~15分程度で歩けるところにあったのだ。

 のんびりと過ごし、昼過ぎになって出発。ホテルの横から坂を登り、丘を越えると海岸線が見えてきた。ここを下りていくと、あっけなく到達。目的の岩が見えたが、名所の割には人がおらず、思いのほか凄みもない(むしろ奥の奇岩の方が印象的?)。とりあえず門の下をくぐったり、先に見えるホーネット(Hornet)と一緒に写真を撮ったりしてみるが、天気が優れないのも手伝って、やや物足りないものであった。

Kirkeporten
キルケポーテン

Rocks near Kirkeporten
奥の奇岩

 コースはさらに奥へと続いているので歩いてみると、丘を周り込んで宿泊中のキャンプ場に続いていた。なんだ、こちらからもアプローチできたのか…しかし、このまま戻っても面白くないので、ここから丘を上がり、さらに半島の先端近くまで歩くことにした。

 丘の上には踏み跡があり、岬近くまで歩いていけるとガイドブックには書いてあった。ここを辿っていくと、前方には広大な海、周りにはフィヨルドの海岸線が見えてきた。ホーネットこそ角度が悪くなってしまったが、周りの景色は悪くない。やがて、全体を見下ろす展望地に到達。ここから岬までさらに歩くこともできそうだが、あまり景色は良くなさそうなので中止し、いったん下ったら、今度は海岸沿いに歩いていく。

View at Skarsvåg
半島の先端を望む

 だが、海岸近くを歩いていると、まもなく踏み跡がなくなってしまった。仕方なく道なりに歩くと、急峻な崖になったので回避。いったん手前の丘を登り、そこから集落に向けて下っていく。気がつけばトナカイの群れが休んでいて、突然の訪問者にびっくりして逃げ惑っている。そこから道なき道を下って無事街に戻り、宿に帰ることができた。

Reindeer at Skarsvåg
突然の訪問に驚くトナカイ

 にわかに晴れてきて

 それにしても、フィンランド以降天候に恵まれず、白夜は何度も経験したが、いまだに真夜中の太陽を見ていない。今日もこの天候では駄目そうで、明日にはホニングスヴォーグに戻る予定だ。このまま見られずに終わるのだろうか…

 そんな中、夕方までのんびり過ごしていると、ふいに青空が覗くようになってきた。東の空(雲が流れてくる方向)を見れば、雲はさらに少なくなっている。これはもしや…期待しながら天気をチェックしていると、みるみる回復しているではないか。これを見て、キャンピングカーで来ている人たちは出かけていった。きっとあのノールカップに行くのだろう。しかし、私には交通手段がないし、もうあの喧騒の場所に行きたいとも思わないので、行くとしたらキルケポーテンだと決めて、時が経つのを待った。

 9時過ぎになったところで、散歩も兼ねてキルケポーテンまで行ってみる。予想通り誰もおらず静かで、天気も良さそうだ。ちょうどキルケポーテンからホーネットを望む方向が北になるので、これは良い光景が望めそうだと確信し、撮影ポイントも確認して、再び宿に戻った。

Kirkeporten again
再びのキルケポーテンとホーネット

 そして、11時半になったところで、満を持してキルケポーテンに向かう。ちゃんと太陽は顔を出しており、陽光で暖かいほどだ。ここからでも十分真夜中の太陽を望めるというのに、周りには誰もおらず、静寂そのものだ(ノールカップは、きっとすごいことになっているのだろう)。

  12時を過ぎ、ついに「真夜中」となるが、まだ陽が昇ってきているようには見えないので待機する。やがてキルケポーテンとホーネットと太陽が一直線に並び、美しい景色になった(絵葉書などでは、門越しにホーネットと太陽が一緒に写っているが、この時期は陽が高いので無理)。そして12時半を過ぎて、明らかに陽が昇ってくるのがわかった。ようやく、ようやく真夜中の太陽と、地平線近くを沈んで昇る姿を拝見でき、しかも誰もいない状況でじっくりと堪能できて、大満足の展開だ(結果的には、ラップランドに半月あまり滞在して、これが最初で最後の機会であった)。

Midnight sun with Kirkeporten
真夜中の太陽!

Midnight sun with Hornet
門越しのホーネット

  こうして宿に戻ると、先ほどまで出かけていた人たちも戻ってきていた。深夜だというのに陽が差して、驚くほど明るい。これぞ極地の自然現象。晴れてくれて本当に良かったと、ホッとしてたちまち夢心地になった。

 波乱続き

 翌日はバスの関係上ゆっくりと身支度を整え、12時前にチェックアウト。今日は日曜日、バスは2時前の1便しかないので、早めにバス停に行って、さえない天候の中しばし待機する。そしてバスの時間…のはずだが、車は一向に現れない。まさか客がいないので運休したのだろうか。1時間待ってみるが、全く現れる兆しはない。またやられた…仕方なく、ホニングスヴォーグまで20数kmの道を歩くことにした。

 道はアップダウンを繰り返しながら延々と続き、しかも全重量背負って歩いているので、非常に辛い。1時間歩いたところで雨となり、それも結構強くなってきた。まだ20km近くあるというのに…と、ここで不意に車が止まった。あまりの姿に不憫に思ったのか、ホニングスヴォーグまで乗せてくれるという(ドイツ人の女性だった)。感謝しながら乗せてもらうと一気にホニングスヴォーグに到着した(さすがに車は早い)。

  こうして無事、Rica Hotel Honningsvågにチェックイン。ここははっきり言って高いが、明朝の沿岸急行船・ヒュッティルウテン(Hurtigruten)に乗るためには致し方ないところだ(ここからなら数分で港に行くことができる)。

 そして、翌朝は6時起き。船の出発は7時なので、30分前には着いていようと支度を整えていたところ、突然汽笛が聞こえてきた。窓を覗いてみると、例の沿岸急行船が遠ざかっていくではないか!夢か幻か…しかし確実に、船は遠くへ、遠くへと進んでいく。改めて時刻表を確認するが、トーマスクックの時刻表もガイドブックも、ホニングスヴォーグ発は7時になっている。まだ6時20分だというのに…ダイヤが変わったのか、祝日ダイヤがあるのか、とにかくもうどうすることもできない。

 慌ててチェックアウトを済ますが、当然のように船の姿はない。バスの時間を確認するも、今日は祝日なので午後に1便、それもハンメルフェストかアルタに行くのがせいぜいで、これでは翌日船に乗るのとほとんど変わらない。ならばもう1泊して船に乗るのが良いが、高級ホテルに2泊するほどの財力はない…そこでインフォメーションで紹介してもらっていた唯一の安宿に行ってみるが、こちらは満室で泊まれないという。うぅ、なんてこと…こうなったらもう野宿しかない。

  覚悟は決めたものの、居場所が全くないので、風除けになる場所でしばらく待機する(祝日でほとんどの店が閉まっているのが救い)。あまり同じ場所にいると怪しまれそうなので、居場所を転々としていくが、それでも寒いものは寒く、夕方まで粘ったところで体が震えてきて、耐え難くなってきた。そこで一時コンビニ(もどき)に避難し、ちょっとだけ体を暖めたら、もっと良い場所を探して再び街をさ迷った。

  すると、屋根のある荷物置き場を発見。ここなら風もほとんど入ってこず、野宿できそうだ。ところが、まもなく雨が降り出したので休んでいると、関係者と見られる人がやってきた。ここは雨宿りのふりをして難を逃れたが、危ないところだった。これ以上は危険なので、雨が止んだところで再び移動し、コンビニの裏でしばし過ごす。そして耐えに耐えて、1時半過ぎ、人気がすっかりなくなったところで元の荷物置き場に戻り、寝袋に包まってめでたく野宿をするのであった。

 そして翌朝、今度こそ逃すまいと5時に起床。さすがにまだ船は来ていなかったが、5時半には現れたので、さっそく港に向かい乗船する。中はやはり暖かい…見れば出発は6時15分、やはりダイヤが変更されていたようだ。こうしてようやく最北端の地を離れ、南下することができた。

Hurtigruten
沿岸急行船

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