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旅行記:北欧(世界自然旅)

27.北極圏の春 (2004/5/27:晴時々曇

 ラップランド突入

 肉体的・精神的疲労からウトウトしていると、所要3時間弱で、バスはもうロバニエミにやって来ていた。ロバニエミと言えば、一般にはサンタクロースの故郷として超有名だが、実はラップランドの玄関口でもある。

 念のために補足しておくと、ラップランドとは、スカンジナビア半島北部からロシアのコラ半島にかけての地域で、特に北極圏以北の部分を指す。この地域はノルウェー、スウェーデン、フィンランド、ロシアの北部からなるが、先住民サーメ(Sami)の人たちは4000年前からトナカイとともに暮らしてきた。この地域の自然現象として有名なのが、夏の白夜(1日中太陽が沈まない)と冬の極夜(1日中太陽が昇らない)、そしてオーロラである。北欧を訪れるならぜひ行かねば、と思っていたところだ。

 今回、目指すはさらに北なので、ロバニエミはただの経由地に過ぎない(サンタさん、ごめんなさい)。昼食を取り、ターミナルで待機して3時過ぎのバスに乗車。数分であっさり北極圏に入り、どんどん北上していく。この辺りはまだ冬が終わったばかりで、荒れ果てた風景が延々続いている。バスは数人の乗客を乗せて走り続け、ウルホ・ケッコネン国立公園の玄関口、サーリセルカ(Saariselkä)で下車した。

 バスを降りると、さっそくトナカイの群れがお出迎え。街中にもかかわらず、平気で餌をあさっている。いきなりラップランドらしい光景に出会ったところで宿探し。ここにはYHAがあるとのことだったが、実際には15kmも離れているので断念し、街中の安そうな宿を探す(寒くてキャンプはできない)。街は冬と夏のシーズンの狭間で寂しい限りだが、幸いMajatalo Saariselän Panimoという安宿が近くにあったので、ここに宿を取った。

Reindeer at Saariselkä
街を徘徊するトナカイ

 ところで、この日も朝から雨で、フィンランドに入ってから、実に9日連続の雨降りとなった。午後になって止んだものの、このところ青空を全く見ていない…と、夕方遅くなって、にわかに陽が差してきた。本当に久々の太陽光線だ。さらに天候は回復し、買い物を終えて部屋にこもっていると、いつの間にか青空が広がり、雲も消えていった。まるで奇跡のよう…

  もう10時過ぎだというのに、さすがは北極圏、昼間のような明るさだ。これぞ真の白夜! この調子なら真夜中の太陽も拝めそうなところだが、この時期は展望地までいかないと見られないし、何よりオウランカの疲れで見る気力がない。もう1日ぐらいチャンスはあるだろうと考えて、青空のもとで眠りについた。

 朝の散歩道

 翌朝は6時起きで、既に太陽は高いところにあったが、まだ人気は感じられない。今日は一気にノルウェーまで向かうつもりなので、チェックアウトまでにウルホ・ケッコネンのコースを歩いてしまおうと、早々に朝の散歩に出かけた。

 ほぼ快晴の中、気持ちよく公園に向かって歩いていく。橋を渡って登りをこなすと、しばらくは平坦な道だが、植物はまだ目覚め前で、木々に彩りはない。途中で2kmコースの分岐を分けるとまた登りになるものの、非常に緩やかな丘なので、全く苦にならない。やがて展望が開けてきて、サーリセリカや周辺の景色が一望のもとになってきた。ここでもう森林限界で、木々は見られなくなったが、そのまま450mの丘まで登る。

View of Saariselkä
サーリセリカを望む

 丘の上まで来ると、手前よりかえって展望が利かなくなり残念(傾斜が緩いため)だが、それでも静寂のラップランドの景色を眺めてのんびり過ごす。気がつけば雲がどんどん増え、風も強くなってきた。長居は無用なので下丘を開始し、楽々な道を下って入口まで戻った。今回はまだ春の始まりでちょっと物足りなかったが、これはやむを得ないこと。可能なら紅葉のシーズンに歩いてみたいものである(本当は他にもいくつかコースがあるのだが、観光局の資料を元にスケジュールを組んでしまったので、今回はこれで止めておく)。

 宿には9時過ぎに帰着し、荷物を整えて10時前にチェックアウト。バスは12時頃なので、土産物屋を覗いたりして時間を潰す(人はかなり少なかったが、昼が近づくにつれ結構増えてきた)。そしてバスに乗り、30分ほどでイバロ(Ivalo)着。ここはラップランドの中心地だが、今回はただの乗り換え地なので、一路イナリ(Inari)に向かった。

 目指すは北端

 イバロからイナリへは1時間ほどだが、途中の景観はなかなかのもので、イナリ湖(Inarijärvi)を始めとした湖沼が点在して美しい。なかでも驚かされたのが、まだ湖が氷結していたこと。長さ80km、幅41km、深さ95mに及ぶ広大なイナリ湖でさえも、部分的に解け始めているものの、奥の方はまだ完全に氷結しているのが見える。やはり北極圏の自然は厳しい。

 イナリには2時頃着。ノルウェーのカラショク(Karasjok)行は1日1便、5時過ぎになるので、ここで3時間ほどの余裕ができた。そこで、まずは湖畔に行って、のんびりとイナリ湖を眺める。街に戻ると、小さな図書館でインターネットができるというのでトライするが、日本語の表示すらできない…これでは駄目なので、その後は複合文化施設シーダ(SIIDA)に行って、サーメの文化やラップランドの自然などの展示を眺めて過ごした(偶然にも、アイヌに関する特別展示も行われていた)。

Inarijärvi
イナリ湖

 ノルウェー行のバスは、ほぼ定刻通りに到着。まだシーズン前なのか、旅行者は私のほかにカップルが2名のみで、車内は閑散そのものだ。国境で休憩をはさみ、何事もなくノルウェーに再入国(検問跡があったが、今は使われていない模様)し、しばらくして終点のカラショクに着いた(ここはサーメの首都とも言われる)。

  さっそくバスをチェックすると、明朝と午後、途中乗換えでホニングスヴォーグ(Honningsvåg)に向かう便がある。目指すはヨーロッパの北端、ノールカップ(Nordkapp)。ここには明後日からの3連休を前に到着しておきたいので、早朝の便を利用することにしよう。

  そして、続いては宿探し。YHAは離れたところにあるので諦め、街中の宿を探すが、比較的安めのところは営業していないのか、明かりがあっても応答がない…仕方なく1kmあまり歩いてKarasjok Campingへ。こちらもずいぶん閑散としたもので、受付の人すらいなかったが、買い物と食事を終えて戻ると担当者が帰還しており、首尾よく泊まることができた。明日はいよいよノールカップだ。

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