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旅行記:北欧(世界自然旅)

24.最悪のコリ (2004/5/21:雨後曇

 バスがない

 ヨエンスーには、ヘルシンキから6時間かけて到着。ここはフィンランドの中でも風景が美しいとされるカレリア(Karelia)地方の中心地で、多くの乗客が降りて、ほとんどの人が迎えの車で駅を去っていく。車のない私は歩いて市街に向かうが、ちょうど雨がぱらついてきて嫌な感じだ。しかも今日は祝日。この時期、ヨエンスーのYHAは1軒のみ(夏季は3軒)なので、一杯なのは間違いないだろう。宿を予約していないので気が重いが、それでも一縷の望みにかけることにした。

 この街は『地球の歩き方』には載っていないので、昨日見た地図を頼りに宿に向かうと、やがて目的のFinnhostel Joensuuに到着したが、受付は閉まっている。表記によれば、もう受付時間になったはずだが…仕方なく別棟に向かい、恐る恐る聞いてみると…意外にも空いているとのこと。ここはホステルにしては高いが、2泊確保して事なきを得た(ここが駄目だったら、キャンプ場はまだオープンしていないので、野宿するところだった)。

 そして翌日、雨の中をバス停まで30分ほど歩き、9時発の便に乗る。この日向かうコリ国立公園(Kolin kansallispuisto)は70kmほど北にあって、あのシベリウスが作曲のインスピレーションを受けたとされる風光明媚な場所である。

  ヨエンスー市街からは直通バスがなかったので、まずは1時間ほど北上してコリンポルティ(Kolinportti)で乗り換える。運転手のジェスチャー曰く、コリ行のバスは10分ほどでやってくるそうなのでそのまま待機。ところが、目的のバスはやって来ない…1時間待っても、ヨエンスー行が1台現れただけで、他にバスは現れなかった。連休の谷間とは言え、今日は平日だし、問題ないはずだが…

  しかしこのままでは埒が明かないので、コリまで9kmを歩くことにする。ところが、雨は予想以上にひどく、数百m歩いただけでズボンがびしょ濡れになってしまった。急ぎ雨具で全身防備を整えるも、雨は激しいまま。身も心もしんどいが、我慢して粛々と歩いていく。こんな時、颯爽と駆け抜けていく車が恨めしい。時には水までかけてくれる輩もいて、本当に恨めしい限りだ。

 雨のコリ歩き

 1時間ほど歩いたところで雨脚が多少弱まったが、相変わらず降り止むことはない。しばらくすると前方に小高い丘が見えてきた。あれがコリだろうか…わずかな期待を持って歩き続ける。我慢に我慢を重ねて、2時間あまりでようやくコリに到着するも、国立公園へはさらに3kmとの表示が…もういい加減嫌になってくるが、ここまで来て帰るわけにもいかないので、さらに我慢して歩いていった。

 こうして、最後は坂道を延々登って、コリ国立公園に到着したのは2時過ぎ。事前の予想より、3時間以上遅くなってしまった。ひとまず軽く昼食を取っていると、車で来ている家族連れなどが行ったり来たりして賑々しい。こんな日でも観光するんだな、とふと思ってしまった(自分もその1人だが、土日はバスがないので、今日行かないとさらに3日も滞在しなければならないのだ)。

 腹ごしらえを終えると、階段を昇り、ホテルの横を通過して登山口に向かう。今日歩く予定のコースはわずか3km、しかし現地の地図を見ると、実にたくさんのコースがある。観光局で紹介しているのは一番楽なコースだけだが、もうちょっとマシな紹介の仕方があるような気がする…

View of Koli
コリからの眺め

 さて、登山口から百段あまりの階段を上がると、いきなり左手に雄大なピエリネン湖(Pielinen)が見えてきた。小さな島々が点在した実に美しい光景で、これなら作曲のインスピレーションを受けるのもわからなくはない(今の私の精神状態では、とても無理だが)。と同時に、大きな岩盤も登場するが、これらは2億年以上昔のものらしい。そしてまもなく、フィンランド南部最高峰のウッコ・コリ(Ukko-Koli:347m)にあっけなく到着。雨はだいぶ弱まってきており、しかも周りには誰もいないので、なんとか展望を楽しむことができた。

Ukko-Koli
ウッコ・コリ

 しかし、まもなく息を切らせて登ってきたグループに占拠され、喧騒の渦に巻き込まれてしまった(しかも、彼らはお酒を持参して騒ぎ始めた)。これは敵わないので、さっさと展望台を後にし、緩やかに下っていく。するとアッカ・コリ(Akka-Koli)が現れたが、ここは木が多くて展望が利かない。そこからさらに進むと、パハ・コリ(Paha-Koli)に到達。こちらは険しい岩肌が露出し、展望も抜群だ(ウッコ・コリよりも良い)。静寂そのものなので、ここでしばらく休憩することにした。

Paha-Koli
パハ・コリより

 今さら止んでも…

 パハ・コリで雨が止んでくれることを期待したが、意に反して、逆に雨脚は強まってしまった。しばし待機するも、これではただ辛いだけ…これ以上いても展望が良くなる気配はないので、下り始めることにした。

 緩やかな森の道を進むと、やがてマッカラン・フィールド(Mäkränaho)に到達。時間に余裕があればさらに奥へと進みたいところだが、既に3時半過ぎ。ヨエンスーに帰れなくなる可能性大なので、ここでほぼ反転して平坦な道を戻っていく。30分ほどで駐車場にたどり着き、後は元来た道を淡々と進行。そしてコリの村が近づくと雨は止んで、薄日が差すまでになった。今さら止んでも…天気も恨めしい。

 コリの村には4時半過ぎに帰着したが、バスの時間がどこにも掲示されていない。仕方なくバス停で待っていると、逆方向からバスが現れ、私を見て、運転手が声をかけてきた。フィンランド語なので何を言っているかわからないが、こちらがヨエンスーに帰りたい旨伝えると、とにかく乗りな、というポーズ。バスは未舗装路を通ってどんどん奥に進み、しばらくして舗装路に戻り、やがてコリンポルティに戻ってきた。別の乗客のジェスチャー曰く、あと30分あまりでヨエンスー行が来るそうだ(それにしても、フィンランドの田舎では英語が通じない!)。

 乗客の言うとおり、まもなくバスは現れ、無事ヨエンスーに戻ることができた。一時はどうなることかと思ったが、まぁ、今回は最悪のコリを見てきたということで、機会があったらまた(晴天の日に)訪れてみたいものである。

 そして翌日、再びの雨の中をバス停まで歩き、7時発のバスに飛び乗って北上を開始。5時間近くかけてコンティオマキ(Kontiomäki)まで進み、ここでロバニエミ(Rovaniemi)行の列車に乗り換えて北極圏の手前まで進むつもりだった。が、このままではどうにも物足りなくなって、急遽予定を変更。ロバニエミ行を見送ったら、大雨の中を駅で待機し、バスでクーサモ(Kuusamo)に向かった。

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