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旅行記:北欧(世界自然旅)

23.「森と湖」入門 (2004/5/19:曇時々晴後雨

 宿がないので

 フィンランドと言えば、子供にとっては「ムーミンとサンタクロースの国」だが、一般的に言われるのは「森と湖の国」。国土の68%が森で覆われ、18万以上の湖が点在するこの国では、いたるところで風光明媚な景観を楽しめるという。そこで今回、十分な独自情報を持っていなかったこともあって、フィンランド政府観光局がPRしていた3つの国立公園巡りを中心に、南から北へと縦断することにした。

 さて、首都のヘルシンキに着いたのは朝の10時。あいにくの小雨模様だったが、さすがに首都ともなると観光客が多く、こんな天気でもかなりの賑わいだ。ところで数日前に調べたところ、今日、ヘルシンキのホステルには空きがなかった。駅前で空き宿を調べてもらうことは可能(有料)だが、観光シーズンの到来とビジネス客の利用で、おそらく宿を見つけるのは難しいだろう。ならば首都を逃げて、衛星都市に宿を取るのが良かろうと、具体的な見込みはないまま、エスポー(Espoo)に向かうことにした。

 雨が本降りになる中、近郊列車に乗って30分ほどで到着すると、駅周辺にはホテルが1つしかない(しかも高そうなところ)。しまった…エスポーまで来たのは、ここから30分ほどバスで北上したヌークシオ国立公園(Nuuksion kansallispuisto)に行こうと思っていたので、その足がかりに適当だったのだ。どうしよう…

 しばらく悩んだが、ならばいっそヌークシオに行ってしまうか、と考え始めた。地図を見ると、いちおう公園内にキャンプ場があることになっている。この時期オープンしているか怪しいものだが、ここに移動してしまうのが一番確実のような気がして、駅前のスーパーで食料を買い込み、バスを待った(本数が少ない)。

 雨はエスポーにいる間も激しく降り、道路上に大きな水溜りができるほどだった。しかし、しばらくすると雨も弱まり始め、3時半のバスに乗る頃には小雨になっていた。幸いにもヌークシオ入口のバス停に着いた時には雨も概ね止んだので、傘をささずに歩いていく。30分あまりでようやく駐車場が現れたが、さすがにこの天候では数台の車が止まっているのみで、人気はまるで感じられなかった。

  静寂の森の中、ハウカランピ湖(Haukalampi)の脇を進み、途中から支道に入って湖岸まで歩く。キャンプ場はすぐで、入口から数百mほどだが誰もいない。ここで再び雨が降ってきたためシェルターで雨宿りし、止んだところでテントを張って寝床を確保した。

 雨は降ったり止んだりを繰り返していたが、天気は確実に良くなっているようで、次第に青空が広がり始めた。それとともに、時々家族連れがやって来ては一時の喧騒をもたらしていく(このキャンプ場は本道から外れているので誰も通らないが、声だけは立派に聞こえてくる)が、夕暮れ間際になって再び静寂が戻ってきて、快適な一夜を過ごすことができた。

Haukalampi
ハウカランピ湖岸のキャンプ場より

 静寂から喧騒へ

 翌日は期待通りの晴天だったが、ノロノロしていたら再び喧騒に巻き込まれかねないので、8時にはキャンプ場を出発し、さっそく歩き始める。さすがにこの時間では誰もおらず、静寂そのものだ。

 ヌークシオには主に3つのコースがあるが、もっともポピュラーなのがハウカランピ・コース(Haukankierros)。全長約4kmで、誰でも楽しめるコースとあってヘルシンキの観光案内にも載っているほどだ。

  まずはここを歩くが、起伏の少ない楽々森歩きで、お気楽に進んでいく。最初の分岐でちょっと寄り道してムスタランピ湖(Mustalampi)を覗いて見るが、なかなかどうして、これは絵になる光景である。元に戻り、坂を登っていくと本格的な森になり、苔やシダ、松林などが見られるようになった(さすがにNZにはかなわないが)。岩がちの道を抜けると、ハウカランピ湖が樹林越しに登場。そのまま進むと、次第に道幅が狭くなり、やがて湖岸に出てしまった。おっと、これは完全なミス…やむなく元に戻っていく。

Mustalampi
ムスタランピ湖

Haukalampi forest
森が広がる

 本道に戻ったら倒木の下をくぐり、ダラダラと歩いていく。カッティラ(Kattila)への分岐を過ぎてしばらく歩くと、今度は白樺林が見えてきた。ちょっと期待したが、これは思いのほか短く、すぐに元の森に戻り、最後は下って車道に到着。誰とも会うことなく、十分に都市近郊の森歩きを満喫できた。

White birch at Haukalampi
白樺林

 しかし、この最後の下りの段階になって、小学生の賑やかな団体の声が聞こえるようになってきた。このままキャンプ場方面に行ったら格好の餌食なので、逆方向の駐車場に歩き、そこからプナリンタ・コース(Punarinnankierros:約2km)を歩くことにする。

 駐車場からは緩やかな登りで、それをこなすと湖が見えてくるが、何の変哲もない印象だ。ここで雨が降り出したので湖岸の森の中を歩いていくと、しばらくでムスタランピ湖が見えてきた。とともに、対岸には例の小学生の団体がおおはしゃぎしているのが見える。このまま行ったら鉢合わせ、早く行ってくれないかと待機するが、完全に休憩モードに入ったようで、湖岸で遊びこそすれ動く気配はない。仕方ないので近づいていくと、その手前には高校生と思しきグループも休んでいる。う~む、ちょっとの時間の違いでこうも混雑するかと思わずにはいられなかった。

View of Mustalampi
再びムスタランピ湖

 この集団を抜け出したら、今度はコルッピ・コース(Korpinkierros)に入る。このコースは約7.5kmと長く、やや高低差もあるので歩く人は少ないようだ。緩やかなアップダウンをこなしていくと、これまでとは異なり、岩がちで痩せた森が広がっている。

  しばらく淡々と歩いていくと、やがて下りになって幅の広い道に出た。未舗装だが、これは車道だ。ここを進むと分岐があって、再び痩せた森歩きとなった。すると前方に年配の夫婦+犬が登場したので、さっさと追い抜かせてもらう。またも車道に出てしばらく進むと、湖が点在するエリアに入っていった。

  しかし、この景観はもう食傷気味で、それほど感動を覚えることはない。ちょっと物足りないままハウカランピのコースに合流し、めでたく3つのコースを完歩。まぁ、取り立てて素晴らしいわけではないが、フィンランドの森と湖を知る入門コースとしては良かったのだろう。

Korpi forest
痩せた森になる

Korpi lake
途中の湖

  こうして、一段と喧騒の度を増したコース(先ほどの小学生の団体は、まだ同じ場所にいた)を歩いてキャンプ場に戻っていった。

 相性が悪い?

 キャンプ場には、相変わらず誰もいない。本当はもう1泊しようと思っていたのだが、よく考えると列車の予約をしないといけないし、明日は祝日で、バスが極端に減ってしまう。これは非常に不都合なので、簡単な昼食を済ませると撤収作業開始し、1時半前に帰路に着いた。

 私の記憶が確かならば、次のバスは2時頃と、時間がないので早歩きで歩いていく。それにしても重たい荷物で、足が攣ってしまいそうだ。どうにか駆け足で2時前にバス停に着き、数分でバスが登場。この時は貸切状態だったが、途中から中学生ぐらいの団体が押し寄せ、一気に混雑してきた。そして、無事エスポーに着いたら明日の列車を予約し、一路ヘルシンキに向かった(もちろん宿の予約はしていなかったが、一か八かだ)。

 ヘルシンキに到着すると、構内のツーリスト・インフォメーションでホステルを紹介してもらう。1軒目は予想通り駄目だったが、2軒目のStadion Hostelには空きあり、無事宿を確保(実は事前の調べで、この日だけは空きがあったので、多少心にゆとりがあった)。さっそくトラムに乗って宿に向かったが、そこは男の12人部屋…到着時点では誰もいなかったが、考えただけでむさ苦しい。

 荷物を置いて街に繰り出そうとすると、運悪くまた雨が降り出してきた。どうもこの街とは相性が悪いらしい…仕方なく雨の中を歩いていくが、中心街に着く頃にはまた本降りになってしまった。これでは街歩きなどする気になれないので、本屋に入って立ち読みなどしてみる(これが、実は後々役立つのだが)。そして夕食を済ませて部屋に戻ると、予想通りのむさ苦しい世界になっていた。

 翌日、列車に乗るため早起きしてみると、打って変わっての晴天だ。これは出かけないともったいない!と思い立って、予定より早く宿を出て市街に向かい、バルト海の乙女像(Havis Amanda)やヘルシンキ大聖堂(Tuomiokirkko)などを見て周る。祝日の早朝とあって、一部の観光客を除けば閑散としていて、不思議なほど静かだ。西の空を見ると早くも雲が迫っていたが、最後に少し微笑んでくれたヘルシンキに安堵し、東のヨエンスー(Joensuu)に向かった。

Havis Amanda
バルト海の乙女像

Tuomiokirkko
ヘルシンキ大聖堂

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