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ノルウェーの国旗

旅行記:北欧(世界自然旅)

19.入口から迫る (2004/5/11:曇時々晴

 長さを体感する

 ソグネフィヨルドについては、昨日最も一般的なコースで堪能したので、今日はその「長さ」を体感するため、船でフィヨルド入口から迫ることにする。船は港から8時に出るので、昨日以上に早く出立し、多少の渋滞に巻き込まれつつも、無事15分ほど前に乗り場に到着。そしてわずかの乗客を乗せて、定刻通りに出発した。

 船はノルウェー海を北上していくが、出だしはやや単調な風景なうえ、船が結構飛ばすので、あまり見るべきものはない。1時間半ほど走ったところでようやくフィヨルドの入口に到達し、ここで船を乗り換えて、いよいよクルーズの始まりとなった。

 乗客は、私を含めて10人弱。先ほどよりもだいぶスピードを落として、船はフィヨルドの奥へと進んでいく。さすがに世界最長のフィヨルドだけあって、最初はだだっ広い景色が広がるばかりである。辺りの風景も穏やかで、切り立った岩壁が迫るイメージとは程遠い。船は所々で町に寄り道しながら進んでいくが、徐々に幅が狭まり、周囲にも雪山や岩壁などが見られるようになってくる。そしてバレストランド(Balestrand)まで来ると、一気に美しい風景が見られるようになった。多少雲が増えてきたとはいえ、なかなかの景観だ。

Sognefjord prologue
徐々に迫力が増してくる

Village at Sognefjord
小さな村越しの景観

Balestrand
バレストランド

 この先、船はアウランフィヨルドに入り、一路フロムに向けて進んでいく。途中からは昨日のクルーズと同じ航路を辿り、最後にはクルーズ船ともすれ違って、フロム到着は午後1時前、実に5時間近くのクルージングになった。さすがは世界最長のフィヨルド、これでもまだ一部に過ぎないのだが、長い道のりであった。

Ship at Sognefjord
クルーズ船とすれ違う

 フィヨルドを見下ろすために

 ここからフロム鉄道(Flåmsbana)に乗ってベルゲンに戻り終了、と思っていたのだが、ここまで来てあっさり帰るのももったいない気がしてきた。それに、隣町のアウランからは、アウランフィヨルドを見下ろす景観を眺めることができるという(絵葉書でも有名)。それならと、さっそくバスを調べると…数は少ないが、いちおう走っている。フロム鉄道の最終に乗るとすれば、アウランは5時半発、フロム発は次が2時半なので、3時間近くの時間を確保できる。これで確定! 一転してアウランに向かうことにした。

 他の観光客を尻目に、一人バス停で1時間あまり待機(レンタサイクルがあれば良いのだが…)し、バスに乗車。そしてアウランには10分ほどで到着してしまった。

  ここから展望地までは、車がないので延々歩かなければならない。しかもこの道、現在は閉鎖中のままだ(6月になったら開くのだろう)が、見るからに展望地までは問題なさそうである。

 通行止めの道を淡々と歩いていくと、徐々に高度が上がり、フィヨルドを見下ろすようになってくる。だが、これが意外に時間がかかる…地図で見るのと歩くのでは大違いで、30分あまり歩いたが、まだ道半ばにも達していない。展望地も近くに見えているが、かなり迂回して歩くことになるので、相当時間を要しそうだ。

 そうこうするうちに、西から雲が広がってきた。せっかくさっきまで晴れていたのに…ここまで良かっただけに、贅沢な思いが湧き出てくる。ふと気がつくと、フロムからクルーズ船が出発し、もうじき眼下に現れそうだ。これは絶好のシャッターチャンス! とても展望地には間に合わないので、中途の景色の良いところに陣取り、船の登場を待った。

 クルーズ船は予想以上に遅く、ノロノロとやってくる。上から眺めていると、本当に小さなものだ。しばらくすると、今度は先ほどまで乗っていた船が登場。こちらは結構なスピードで走り去っていく。天気はいまいち優れないが、こればかりは仕方がない。

View of Aurandsfjord
アウランフィヨルドを見下ろす

 さて、ここから展望地まで登るつもりだったが、時間的にかなり難しくなってしまったので断念。今度クルマがある時に訪れることにして、今いる場所で雲が晴れるのを待つことにする。しかし晴れそうで晴れず、やがて一面雲に覆われるようになってしまった…まもなく5時、バスが迫っているので、やむなく撤収。淡々と下り、町の近くまで降り立ったところで空を見上げると、いつの間にか晴れ間が覗き、そしてあっという間に消えてしまった。わずか30分ほどの時間のいたずらだが、運の悪い時はこんなものである。

 フロム鉄道貸切

 バスでフロムまで戻るが、列車は先ほど出てしまったところで、次の最終まで2時間以上ある(なぜか列車とバスの接続が異常に悪い)。かと言ってもう店は閉まって人もいないので、何もできずに時間を過ごす。昼間の喧騒が嘘のように、この時間ともなると(ごく少数の職員を除いて)人がおらず、寂しいほどだ。

 2時間ほど待ってようやく列車の出発となるが、見たところ乗客が誰もいない…この登山鉄道は風光明媚なことで有名で、普段は観光客が絶えないところなのだが、最終ともなるとこんなものなのだろうか。列車はまもなく出発し、検札を受けるも、やはり他には乗客がいないようで、車掌はそそくさと戻っていく。何とも贅沢なことになった。

 列車は徐々に登りに差しかかるが、この辺りからフィヨルド独特の険しい景観が広がってくる。さすがに有名なところだけあって、雪山あり、岩壁あり、沢あり、滝ありと、風景の展開が素晴らしい。誰もいないのを良いことに、私は左右を行ったり来たりして、存分に風景を眺めていく。しかしそれでも、列車ではスピードが速すぎて、気づいた時にはもう通り過ぎた名所などもあって、少々残念であった(実はこの渓谷を歩くトレイルがあるので、存分に楽しむならそこを歩くのも手かもしれない)。

Mountains from Flåmsbana
雄大な景観が見られる

 やがて列車は急坂を登るようになる。眼前には、これなら登る岩壁に、3層に渡って鉄道が敷かれているのが見える。すると、短いトンネルを抜けたところで列車は停車。気がつけば車掌が隣にいて、降りていいよ、と言ってくる。そこには、有名なヒョース滝(Kjosfossen:93m)が大迫力で流れていた。これまで数々の有名な滝を見てきたが、この滝は落差こそ大したことないものの、豪快さにおいては有名どころに引けを取らない(雪解け中なので、おそらく最大級の水量だろう)。しかも、これを独り占めできてしまうなんて、なんという贅沢か!

Kjosfossen
迫力のヒュース滝

 1人ゆえに遠慮がちに見学し、ほどほどで戻ると列車は再出発、岩壁をくり貫いたトンネルを登っていく。この辺りの景色も素晴らしいのだが、木の柵が邪魔して写真が撮れない…トンネルを抜け、残雪だらけの山々を縫うように進むとまもなく、終点のミュルダール(Myrdal)に到着。50分ほど、貸切状態で有名な登山鉄道を利用できるなんて、思いがけない展開であった。

Flåmsbana
まもなく終点ミュルダール

  少々の待ち時間で、ベルゲン行の急行列車が登場。しかし予約をせずに乗ったため席がなく(全て予約で埋まっていた)、仕方なくラウンジカーで時を過ごす。この鉄道も優れた景観で有名なだけあって、変化に富んだ山々の姿を眺めることができた。

  やがて、ベルゲンに到着したのは夜の10時半過ぎ。それから買い物とネットのチェックをしていたら、12時近くになってしまった。こうなると宿に向かうバスは少なく、しかもちょっと前に出てしまったので次は30分後と、ついに日付が変わってしまった。幸い受付はまだ開いていたが、明日も早い出発を予定しているだけに、寝不足は深まるばかりだ。

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