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旅行記:北欧(世界自然旅)

17.暴風クルーズ (2004/5/8:曇一時雨後晴

 本当は別の展望台に…

 この日は、予報では晴れるはずだったのだが、いざ起きてみるとどんよりとした雲に覆われていた。昨日の晴天はどこに行ってしまったのだろう…

 さて、昨日プレーケストーレンに行くことができたので、当初の目的は既に達成してしまった。そこで今日はリーセフィヨルドのクルーズ・ツアーに参加し、今度は下から教壇を拝み上げることにした。

 実は、本当はフィヨルドの奥にある展望地、ヒェラグ(Kjerag)に行きたかった。ここは日本のガイドブックにはまるで掲載されていないが、地元では有名な景勝地で、リーセフィヨルドから一気に1000m屹立した山である。冊子"Stavanger Guide"の表紙を飾っているし、ここにある宙吊り(?)の岩は、絵葉書などでよく見かける風景となっている。ところが、ここに向かう公共交通機関はなく、道路も現在は通行止めで、フェリーもまだ運航されていない。これではどうしようもないので、今回はあきらめざるを得なかったわけである(写真で見る限り非常に魅力的なのに、なぜガイドブックに載せないのだろう…)。

 クルーズはこの時期、1社が10名以上の催行で週5日(含週末)、もう1社が土日のみ15名以上で催行している。今日は土曜日、さすがに催行されるだろうと踏んでいたが、出発1時間前に乗り場を通ってもまだガラガラ…とりあえず安い方のクルーズのチケットを購入し、いったんホテルに戻った。

 出発15分前になって再度乗り場に足を向けると、さすがに観光客が何人も乗り合わせており、まずまずの賑わいであった。私の乗った船には約30名、ピーク時と比較すればかなり少ないのだろうが、これなら十分催行となる。そして12時、肌寒い曇り空の中、定刻通りの出発となった。

 ものすごい風と岩壁

 出発するとまもなく、船上は強い風にさらされるようになった。向かい風の中を進んでいくので、これはやむを得ない。私はジャンパーを着て耐えるが、何人かはあっさりと室内に引き下がってしまった。

  しばらくは小康状態が続いたが、フィヨルドが近づくにつれ、強風が牙を剥き始めた。フィヨルドを通り抜ける風が向かい風となってもろに吹きつけるため、前を向けないほどの風となり、寒さは半端ではない。しかも、悪いことに雨も降り出してしまった。デッキ上にいた乗客のほとんどは室内に逃げ込んだが、私と他数名は、この耐え難き状態を耐えた。

Entrance of Lysefjord
リーセフィヨルドへ

Rocks of Lysefjord
大岩壁が広がる

 やがて船は左に折れ、リーセフィヨルドに入っていく。立派な橋を越えると、いよいよリーセの迫力ある岩壁が迫ってきた。相変わらずの強風だが、何百mも直立した岩壁は、その辛さを忘れさせてくれる。そして、最大の見せ場であるプレーケストーレンも見えてきた。下から見ると…想像していたよりは随分小さく感じる。確かに、間違いなく出っ張っているのだが、別に600m独立しているわけではない(そんな岩なら、とっくに崩壊しているだろう)。せいぜい100mぐらいだろうか。

 船はここをあっさりと通り過ぎ、しばらく岩壁に沿って進んでいく。この辺りの岩壁の造形も迫力があって、なかなか見応えがある。やがて滝まで来ると大接近して水を入手し、天然の水が乗客に振舞われた。

  ここで船は折り返し、先ほど通過した岩壁群と教壇の下を、ゆっくりと通っていく(BGM付)。岩壁の直下を進んでいくので、真上を見上げながらの景観を楽しめる。これはこれで悪くない。

Preikestolen closeup
クローズアップ

Preikestolen overlook
プレーケストーレンを見上げる

 教壇の真下まで来ると一時停止し、乗客は皆、拝むようにじっと見つめる。今日は土曜日、上にはどれだけの人がいるのだろう(天気は良くないが、きっとすごい人だろう)。そんなことを思いながら、しばらく教壇を見上げていた。

 この見せ場を終えると、船は最後に、岩壁と岩壁の間へ入り、迫力の景観を演出する(個人的には、これはちょっとわざとらしく感じてしまった)。そして、まもなくリーセフィヨルドから離れて、1時間かけてスタヴァンゲルへと戻っていった(体が冷えたので、帰りは室内でヌクヌクしていた)。

Shipping to the wall
岩壁の間に入っていく

Rock wall at Lysefjord
そり立つ岩壁

 結局、クルーズは3時間半ほどで終了。街は風がほとんどなく、信じ難いほどの違いだ。しかも、夕方になってにわかに晴れ出してきた。何てタイミングの悪いこと…

 北上すると

 翌日はまたも雨…街中は霧に覆われており、心が沈むような天候だ。もうスタヴァンゲルでの観光は一通り終了したので、この日1便のみのベルゲン行フェリーに乗って北上することにした。

  少し早めに乗り場に向かうと、待合室には、ここで夜を明かしたと思われる若者を多数見かける。おそらく宿を確保できず、ここに逃げ込んだのだろう。一歩間違えば自分もこうなっていただけに、何とも言えない複雑な心境であった。

 フェリーは12時発。少し前から若者が大挙してやってきて、ほぼ満席の状態であった。あいにくの天候で、外は何も見えないに等しい。中では映画"Seven Years in Tibet"が上映されているが、テレビは左右の2台のみ…音も聞こえず、ノルウェー語の字幕など読めるはずもないので、時々映像を眺める程度にしておき、後はガイドブックなどを読みながら時間を過ごした。

 しばらく時間が経って、ふと外を見ると、いつの間にか青空が広がっていた。雲ひとつなく、嘘のように良い天気である。ベルゲンに着いたのは4時間後だったが、ちょっと北上しただけでもったいないほどの天候だ。今さら出かけられないのが悔しい。

 船を下りると、まずはツーリスト・インフォメーションに行って情報収集。賑やかな街中を多少歩き(日本人の団体さん見参!)、続いてバス・ターミナルに移動する。丘の上にあるYHA(5km先)方面のバスが見当たらず困ったが、探し回った挙句、通り道で停留所を発見し、無事乗車することができた。

 ベルゲンはノルウェー有数の観光都市。心配になって数日前にYHAの予約を入れておいたのだが、いざ着いてみるとガラガラ(街中から離れているのが原因か)で、6人部屋を1人で使っても、まだ余るほどだ。ここは丘の上にあるので、幸いにも敷地内からベルゲンの街を見下ろすことができる。暗くなるのは11時過ぎと、北欧ならではの状況が影響するものの、この美しい夜景を視界に収めて、1人静かに眠りについた。

Night view of Gergen
ベルゲンの夜景

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