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南極の旗

旅行記:パタゴニア&南極(世界自然旅)

74.南極らしい絶景 (2004/2/25:曇後晴

 生態鑑賞

 船は一夜のうちに南極海峡とブランスフィールド海峡を越え、再び南シェトランド諸島周辺に戻ってきていた。今日はあいにくの曇り空で、冴えない天気ではあったが、これが本来の南極の天候。文句は言うまい。

 船は当初、まずデセプション島(Deception Island)に上陸する予定だったが、朝になって突然リビングストン島(Livingston Island)に向かうことになった。どういう事情かはわからないが、まぁ良い。まもなくハンナ・ポイント(Hannah Point)にたどり着き、ゾディアックに乗ってポイントに向かった。

Zodiac
ゾディアックに乗って出発

 ここはヒゲペンギンやジェンツーペンギンのルッカリーとして有名なだけあって、のっけから多数のペンギンたちに圧倒される。どういうわけか、海沿いにはジェンツーが多く、少し上がったところにヒゲの群れが生息している。いきなり匂いがすごくてむせそうになったが、ただジッとしているもの、横になっているもの、動き回るものなど多種多様で、ともかくその様子を夢中で撮影していた。

Rookery at Hannah Point
ジェンツーペンギンのルッカリー

Chinstrap Penguins at Hannah Point
ヒゲペンギンも多数生息している

Chinstrap Penguin
横たわるヒゲペンギン

Gentoo Penguin
羽を広げたジェンツーペンギン

  しばらくすると、リーダーの先導で少し先まで歩くことになった。そこにはゾウアザラシ(Elephant Seal)が横になっていて、凄まじい匂いを発している。そこを素通りしていくと、先を下ったところにジェンツーペンギンの群れが生息していて、忙しく走り回ったり、氷の上に乗ったり、近寄ってきて騒いだりとせわしない。ただ、この辺りにマカロニペンギン(Macaroni Penguin)がいると聞いていたのに、どうにも見当たらない。ジェンツーがうるさくて、どこかへ転居してしまったのだろうか。

Elephant Seal
ゾウアザラシ

Sleeping Seals
たくさん横になっている

Running Gentoo Penguins
走るジェンツーペンギン

Gentoo Penguin on ice
氷の上で物思いにふける

  さらに歩くと、動物たちがいなくなってしまったが、その代わりにちょっとした緑が生えている場所にやってきた。ここには南極でもわずかしか生息しないコケ類が自生しており、化石も発見された貴重なエリアである。観光でのダメージから、ここにはまもなく入れなくなるらしいので、貴重と言えば貴重だが、自分もそれに加担しているようで、何とも複雑な心境であった。

Fossil
化石

  そして、元来た道を戻っていくが、ここにはペンギンやアザラシ以外にも、ズグロムナジロヒメウ(Blue-eyed Shag)、サヤハシチドリ(Snowy Sheathbill)、ミナミオオセグロカモメ(Kelp Gull)などが一緒に生活している。それぞれの様子を最後までじっくりと鑑賞し、飽きることなくこの場を去ったのであった。

Kelp Gull
ミナミオオセグロカモメ

Blue-eyed Sheg
ズグロムナジロヒメウ

 見渡す限りペンギン

 これで午前中の探検は終了し、昼食の時間になった。実はこの後、状況が良ければデセプション島のベイリー・ヘッド(Bailey Head)に向かう予定だが、ここは常に波が高いところで、滅多に上陸できないという。ところが、食事を終える頃には急速に天気が回復し、晴天が広がるようになっていた。波も非常に穏やかである。これなら、もしかすると可能になるかもしれない。

Baily Head
ベイリー・ヘッド

 その間にも船は着実に前進し、2時過ぎにはベイリー・ヘッドが正面に見えるようになった。どうやら上陸を決行するようなので、覚悟を決めてゾディアックに乗り込む。そして、いざ進行すると、波は多少あるものの、それほどひどくはなかったので、一気に浜に上陸することができた。そして、目の前には無数のヒゲペンギンの姿がある。丘の上までびっしりと、見渡す限りがペンギンのルッカリーだ。その数、なんと16万羽!

Rookery at Baily Head
見渡す限りヒゲペンギンだらけ

Penguin hill
丘の上までヒゲペンギン

  沢を越えて、少し奥まで歩いていくが、本当に見渡す限りヒゲペンギンばかりで、けたたましいほどの鳴き声を発している。沢ですらペンギンたちに占拠されていて、中には流れに足を取られ、溺れかかっている姿も見られる。太ったものから痩せたものまで、カップルもいれば独りものもいて、実に様々な表情を見せてくれる。もう、これはすごいとしか言いようがない!

Penguin river
沢の上までペンギンがびっしり

Swimming Chinstrap Penguin
溺れかかってピンチ!

Fat or not?
太と細

  圧倒されながら浜に戻っていくと、すっかり快晴になったお陰で、対岸には美しい氷河峰が見えている。あの場所から考えて、おそらくリビングストン島のフリースランド山(Mt Friesland:1790m)だろうが、それにしても美しい。しかも、ここでヒゲペンギンの群れがポーズを取っているからなおさらだ。これぞ南極らしい絶景!気がつけば、夢中になってシャッターを切っていた。

View from Baily Head
ベイリー・ヘッドからの眺め

 南極の温泉

 こうして1時間の滞在を満喫して船に戻ると、まもなく出発というところで、不意にザトウクジラ(Humpback Whale)のつがいが姿を現した。彼らはゆっくりと船の周りを泳ぎ、我々の目を楽しませてくれる。周囲にはナンキョクオキアミ(Antarctic Krill)を食らうペンギンの姿もあるので、きっと餌が豊富なのだろう。やがて、クジラはフルークアップして深海に消えていったが、十分に我々の目を楽しませてくれた。

Humpback Whale
ザトウクジラ登場

Fluke-up Diving
フルークアップして深海へ

 そして、次に目指すはデセプション島の中心部、ネプチューンズ・べロウ(Neptune's Bellows)である。ここは幅がわずか550mで、中のカルデラに通じている。例によって甲板の上から眺めていると、迫り来るベロウの中心に忠実に迫り、無事この難所を突破。するとまもなく火山が見えるようになり、捕鯨基地跡も遠望できる(20世紀前半、ここで捕鯨が活発に行われていたが、1960年代の噴火により甚大な被害を受け、以後放置されたままになっている)。いよいよ本日結びの一番。ここは温泉としても有名なので、楽しみである。

Neptune's Bellows
ネプチューンズ・ベロウに迫る

Neptune's Windows
ネプチューンズ・ウィンドウより

 船は捕鯨基地近くのホエーラーズ・ベイ(Whaler's Bay)に留まり、ゾディアックに乗って上陸を果たす。ここから、目指す場所としてはネプチューンズ・ウィンドウ(Neptune's Window)と捕鯨基地跡があるが、後者はちょうどアルゼンチンの科学者一行が見学中だったので、まずは前者に向かおうと、競歩気味に急いで砂地を歩いた(時間が限られているため)。

  一番手でウィンドウに登ると、ここからは南極半島方面を遠望できるが、正直、思っていたほど素晴らしい景観ではなく、ちょっとガッカリであった。岩がちの風景だけ写真に収めたら、他の人が登ってくる中を下り、捕鯨基地跡に向かう。上陸地点まで戻ると、既に露天風呂が作られ、何人かが入浴していたが、ここはスルーして先を急ぐことにした。

  捕鯨基地跡は意外に大きなもので、その当時の隆盛振りを窺えるというものだが、無残に朽ちたものが多い。燃料タンクや飛行機などの残骸はそのまま放置され、建物の中も荒れ果てている。それだけ、ここの火山活動が活発だったということだが、何とも寂しい光景である。

  こうして急ぎ足で見学を終え、上陸地点に戻ってくると、5人ばかりが気持ち良さそうに入浴している。試しに湯加減をチェックすると、これが生温い…外は氷点下なので、こんな温泉に入ったら風邪をひくのは間違いない。それでも、欧米人は気にせず入浴し、中には海に飛び込む輩までいる。とてもじゃないが、柔肌の私には付いていけない。

  それから、10人あまりが海に飛び込んでいったが、私は巻き込まれたくなかったので、諦めて帰途についた。すると、今日誕生日を迎えたアダムがいきなり素っ裸になって(大事なところのみ手で隠して)、海に飛び込むではないか。自分へのお祝いらしいが、なんてことを…当然、これは皆の注目の的になって、後で何度もネタになっていた。

Whaling Station Ruins
捕鯨基地跡にて

Hotsprings at Deception Island
温泉に入浴中

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