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南極の旗

旅行記:パタゴニア&南極(世界自然旅)

73.心酔の海氷世界 (2004/2/24:晴時々曇

 待ち遠しい朝焼け

 早朝4時、予告通りリーダーの一声で起こされ、慌てて着替えて外に出た。幸い、真上には星空が覗き、地平線は薄明るくなっている。進むたびに何か削るような音がしていたが、見渡すと周囲には海氷や氷山が無数に浮かんでおり、それらを分け入って進んでいたのだ。もう既に南極海峡(Antarctic Sound)は越え、フリチョフ・サウンド(Fridtjof Sound)に入っているようだが、いきなり異空間の世界である。

Antarctic Sound
氷山の浮かぶ海を進む

Antarcitic dawn
陽は上がりそうで上がらない…

  さっそく甲板の最上部に上がり、この絶景を堪能するが、なかなか太陽は上がってこない…間違いなく寒いと思っていたので、真冬用の装備を(着られるだけ)着込んでいたが、それでも寒くて、他の人たちは続々と中に戻っていく。私も、しばらくは我慢したものの、あまりの寒さに耐えられなくなり、いったん退却せざるを得なかった。

 そして、30分ほど体を温めたら再出陣し、今度は朝焼けを迎えるまで待とうと覚悟を決める。さすがに極地だけあって、太陽は昇りそうで昇ってこず、もう震えが止まらない…それでも意地と根性で耐え忍んでいると、ようやく待ち遠しかった陽の光が差してきた。周囲の氷は薄いピンクやオレンジに染まり、東の空は朝焼け色に輝いている。他の人たちも続々と現れ、この神秘の世界に見入ったのであった。

Antarctic Sunrise
朝焼けになってきた

Mornig ice (pink)
ピンク色に染まる氷塊

Morning ice (orange)
オレンジ色に変化してくる

 この色彩劇場が終わると、船はエレバス&テラー湾(Erebus and Terror Gulf)を進んでいく。ここまで来ればもう、有名なウェッデル海(Weddell Sea)に入ってきたと言って良いのだろうが、この海域は静寂に満ちていて、氷山も雲も海面に投影されている。次第に氷が海を覆うようになり、思うように進まなくなるが、これぞ南極らしい航海!スタッフも興奮して写真撮影に興じるほどで、朝っぱらから興奮は最高潮に達した(このエリアに入るツアーはそう多くないのだ)。

Iceberg reflection
穏やかな海と氷山

Pack Ice
海氷の中を進むようになる

 海氷に上陸

 朝食を手早く済ませてデッキの最上部に戻ると、船は氷を割って進むようになっていた。朝のうちの粘りが功を奏してか、皆口々に「ずっとデッキで見ていたね」と感心し、このポール・ポジションは私の場所であるかのように認知されるようになった。確かに、私以外はほとんど船内に逃げ込んでいたけれど…

  この絶好の場所を確保しながら、なおも進むと、目指すスノーヒル島(Snow Hill Island)が次第に見えるようになってきた。もう少し…だが、氷は段々と厚くなり、徐々に前進が難しくなる。前進・後退を繰り返しながら氷を割っていくが、なかなか分厚い氷を突破することができず、ついに限界…するとアナウンスがあり、これ以上の前進は不可能なので、この前面の海氷に上がることとなった。

Ice break
氷を割って進む

Thick ice
これ以上の前進は不可能…

 急ぎ準備を整えたら、ゾディアックに乗り換えて、海氷に上陸する。最初はちょっと不安だったが、さすがに砕氷船が突破できない氷だけあって、足下はびくともしない。とりあえず前方に見える氷山まで歩くが、氷山に登ったり、ミニサッカーを始めたりと、皆思い思いに過ごしている。こんなこと、南極や北極でないとできないこと。実に貴重な体験だ。

On the sea ice
海氷に上陸!

Iceberg near Snow Hill Island
氷山に歩いて迫る

 こうしてスノーヒル島の手前で遊んだら、船は引き返し、再びエレバス&テラー湾を進行していく。周囲には数多くの氷山が浮かび、海面は鏡のように反射していて、美しい限り。まもなく昼食の時間になったが、それも惜しいほどに、素晴らしい世界の連続である。

Iceberg view near Snow Hill
氷山の中を引き返す

Verious kind of Icebergs
様々な氷山がある

Antarctic Reflection
鏡のような世界が広がる

  昼下がりになると、鏡の輝き具合が一層増して、とても海上を航行しているとは思えない光景が広がっている。しばらく心酔して見ていると、ここでアナウンスがあり、急遽予定を変更して、デビル島(Devil Island)に上陸することになったという。こういうハプニングは大歓迎。ここでは氷山とペンギンが数多く見られるというから、さらに楽しみが増えたというものだ。

Many icebergs
どこまでも続く氷山

Fridtjof Reflection
まさに鏡だ…

Devil Island
デビル島

 ついに本土上陸

 デビル島の近くにアンカーを降ろしたら、ゾディアックに乗り換えて島に向かう。小氷山を分け入って上陸を果たすと、さっそくアデリーペンギン(Adélie Penguin)がお出迎え。でも、まずは丘の上まで登ろうと、ガレ場を登り始める。結構急なうえ滑りやすく、厳しい道のりが続くが、ここはパタゴニアで鍛えた足腰をいかんなく発揮して、後続を引き離していく。振り返れば氷塊群と海が眼下に広がり、反対側にはベガ島(Vega Island)も見えてなかなかの眺望だ。鞍部に登りついたら一息入れて、この絶景をしばし眺め尽くした。

Icebergs at Devil Island
浜辺に転がる氷塊群

Lookdown from Devil Island
上から見下ろしてみる

 ゆっくり休んだら一気に下り、続いてはアデリーペンギンの様子を鑑賞させていただく。このペンギンは愛らしい目をしているうえ、まだ子供も多くて、親が食事を分け与えたりするシーンを見ることができる。中には親離れできない子供もいて、親が食事を拒否したりするなど、ペンギンの生活模様も拝見できて有意義であった(残念ながら、遺体がいくつか浜に転がってもいたが…)。

Adélie Penguins
餌をあげるアデリーペンギンの親子

Adélie chick
まだ子供です

 そして、船に戻る間にはミニ氷山鑑賞ツアーが催され、ゾディアックで周囲の氷山を見て回る。穴の開いたもの、帽子のような形、城のような造形など、実に不思議な形をしたものが多くて、間近に見ると圧巻だ。天気にも恵まれ、南極にいるのを忘れてしまいような心地よさであった。

Iceberg at Devil Island
浜辺の氷山

Strange Iceberg
奇妙な形をしている

Antarctic Iceberg
不思議な造形だ

  船に戻ったら、再び海氷の間を分け入るように進んでいく。この辺りはもう鏡の世界ではないが、大小無数の氷山の間を進むのはやはり感動的で、見ていて飽きることがない。左手には南極半島の先端、トリニティ半島(Trinity Peninsula)も迫っていて、いよいよ本土上陸が近いことを匂わせる展開である。

Shipping amang Icebergs
氷山の間を進む

Icebergs near Trinity Peninsula
大小無数の氷山が広がる

Icewall near Trinity Peninsula
こんな大きなものまで…

  本日の最後、ブラウン・ブラフ(Brown Bluff)には7時過ぎの上陸になりそうなので、予定を変更して、先に夕食を済ませてしまう。そして、夕暮れ間際になったところで、ついに茶色い崖が見えるようになり、本土上陸の時を迎えた。

  例によってゾディアックに乗って上陸地に向かうが、私は一番手のボートに乗り、いち早く上陸に成功。ここはトリニティ半島のさらに先端だが、れっきとした南極大陸である。

  ここには多くのジェンツーペンギン(Gentoo Penguin)が棲んでいるが、ちょうど海から上がってくるものも多く、走り回ったりして賑やかである。このペンギンは人懐っこいだけあって、向こうから勝手に近寄ってきて、餌をせがんだりしている。まもなく夕闇が迫ってしまったが、その生態は十分観察することができ、今日1日の充実度とともに、大満足のうちに終えることができた。

Lookback Gentoo Penguins
見返りジェンツーペンギン

Chat Gentoo Penguins
井戸端会議中?

Brown Bluff
夕焼けのブラウン・ブラフ

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