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南極の旗

旅行記:パタゴニア&南極(世界自然旅)

72.南極にやってきた! (2004/2/22-23:曇

 魔のドレーク海峡?

 南氷洋(Southern Ocean)は、船乗りすら恐れる荒れた海域として知られている。曰く「吼える40°、唸る50°、叫ぶ60° (roaring 40's, howling 50's and screaming 60's)」。ウシュアイアは南緯55°に位置し、目指す南極半島は60°以南と、まさにこのエリアに当たるのだ。この1000kmほどの間には、しけることで有名なドレーク海峡(Drake Passage)が横たわっているが、これは避けて通れぬ最初の難関なのである。

 ところが、朝起きてみると、驚くほど穏やかな海で拍子抜けしてしまった。外に出ても、風はあまり吹いておらず、極めて快適な航海だ。これから「魔のドレーク海峡」を越えるのに2日かかるが、こんな状態がずっと続いてくれれば幸いである。

Drake Passage
穏やかなドレーク海峡をゆく

 さて、船内では様々なプログラムが用意されており、乗客を飽きさせない工夫が施されている(主な予定は、前日の夕方に配られる)。南極の生態や歴史に関するレクチャー、ビデオの上映会、船上観察会など、数多くの催しが目白押し。もちろん、これらは原則として自由参加なので、自分の興味に従って参加すれば良い。本も多数取り揃えられており、自由に読むことができるので、思い思いに過ごすことができる。私も積極的にレクチャー等に参加して、知識の習得に励んだ。

  一方、外は分厚い雲に覆われていたが、相変わらず穏やかな海で、風も弱いので、思ったより鳥が飛んでいない。それでも、時々アルバトロスやカモメの群れが飛来してきて、我々の目を楽しませてくれる。船は多少揺れるようになり、夕食時にはまっすぐ歩くのが困難になったが、それでも、誰も船酔いせずに過ごすことができた。

Sea birds at Drake Passage
海鳥の群れも飛んでくる

 氷山現る

 そして翌日も、曇りがちながらも穏やかな海が続き、順調に進行しているのがわかる。スタッフが言うには、これだけ穏やかな状態は極めて珍しいそうで、強風が吹き荒れ、荷物などが落ちまくることも稀ではないらしい。船が45°まで傾くこともあるというのだから、今回は何という幸運だろう。

 今日の夕方には初上陸を果たす予定なので、楽しみに過ごしていると、昼過ぎになって、前方に氷山が見えるようになってきた。最初は小さく見えたが、いざ近づいてみると、想像していた以上の大きさで、まさに山だ。形や大きさは様々で、中にはペンギンが棲まう氷山もあったりと、見ていて飽きることがない。いよいよ南極に近づいてきたのだと実感した。

Iceberg at Shetland
巨大な氷山登場!

Iceberg with Penguins
ペンギンの姿も見える (左)

 いくつもの氷山を横目に進むと、やがて南シェトランド諸島(South Shetland Islands)が姿を現した。ここはまさに南極の玄関口で、見えているのはキング・ジョージ島(King George Island)のようである。今日上陸を予定しているペンギン島(Penguin Island)は、この島を周り込んだ先にある。いよいよ、待ちに待った南極にやってきたのだ!

Iceberg and Island
背後に島も見えてきた

  なおも氷山の間を分け入って進むと、ここで召集がかかり、上陸に当たっての注意事項などが説明された。南極の観光は、南極条約体制(Antarctic Treaty System)のもとで規制されており、動物には近づき過ぎてはいけない(例えば、ペンギンには5m以内、アザラシには15m以内に近づかないようにする)。また、ゴミは捨てない、食べ物や飲み物は持ち込まない、現地の物は持ち帰らない、落書き等はしないなど、諸々の注意点がある。どれも基本的なものばかりだが、十分に頭に入れておいた。

Penguin Island
ペンギン島

 島に上陸

 そして、船はキング・ジョージ島を周り込み、ついにペンギン島が現れた。と、ここで船はアンカーを降ろし、続いてゾディアック(Zodiac)という小型ボートに乗り換えて、島に迫る。無事上陸を果たすと、さっそくペンギンやアザラシがお出迎え。アザラシは浜辺で横たわるのみだが、ペンギンはちょこまか動いて可愛らしい。

Professor Molchanov
モルカノフ号を望む

Sleeping seals
浜辺で寝転ぶアザラシとペンギン

  全員揃ったら、まずは島の中心にあるディーコン・ピーク(Deacon Peak:170m)の火口まで登ることになり、ガイドについて歩き始めた。他愛のない道だが、上に上がるほど風が強くなり、火口まで来ると、風が強すぎて飛ばされそうなほどであった。これからピークまで登るつもりだったが、これでは危険なので断念。一気に下って、ペンギン観察に励むことになった。

Deacon Peak
ディーコン・ピークの火口

  この島にはヒゲペンギン(Chinstrap Penguin)のルッカリー(Rookery:巣)があり、おびただしい数のヒゲペンギンが密集し、けたたましい鳴き声を発している。これぞ南極らしい光景で、落ち着きのないペンギンたちが、愛嬌ある動きをしてくれるので、しばし観察に没頭。ただじっとしているものもいれば、走ったり、喧嘩したり、転んだりと、実に様々な表情を見せてくれる。もう子供たちは大きくなって、大人と区別できないほどに成長しているが、落ち着きがないように見えるのは気のせいだろうか。

Rookery at Penguin Island
ヒゲペンギンのルッカリー

Trio of Chinstrap Penguins
トリオで移動中です

 そうこうするうちに時間になってしまい、泣く泣く船に戻ることとなった。これはまだ序の口だが、氷山にペンギンにと、南極らしさをいきなり楽しむことができ、スタートとしては十分であった。

Seal and Penguin
アザラシとペンギン

  その後、船はまもなく出発し、ブランスフィールド海峡(Bransfield Strait)を横断するようになるが、夜になると雲が消え、星空が見えるようになってきた。ひょっとしてオーロラ(Southern Lights / Aurora Australis)が見えるかもと期待したが、そう都合良くは現れてくれない…明朝は、天気が良ければ3時半起床との連絡があったので、この日はもう無理することなく眠りについた。

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