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旅行記:パタゴニア&南極(世界自然旅)

71.南極に向けて (2004/2/21:曇時々晴

 南極行の決断

 南極――それは地球に残された、究極の秘境。分厚い氷に覆われ、眩いばかりの氷山、無数のペンギンと、崇高なまでの大自然が残されている。が、その一方で、ここは人間の生活など営めない厳しい環境であり、かつては冒険家か研究者のみが入域を許されてきたのだ。

 しかし、そんな南極にも観光の手が及ぶようになり、今や年間2万人あまりの観光客が訪れるようになったという。当然、費用は相当なもので、大した預貯金もないニートには高嶺の花に思えたが、写真や映像を見るにつけ、ここにはどうしても行っておきたいという思いが強くなり、ついに南極行を決断したのであった。

 南極のツアーというと、やはりクルーズが一般的で、主に(1)南米の南端から南極半島(Antarctic Peninsula)周辺を巡るコースと、(2)オーストラリアやニュージーランドからロス海(Ross Sea)方面に向かうものがある。このうち、後者は一層雄大な風景が見られるものの、料金は最低でも100万円以上、期間も1ヵ月に及ぶので、さすがに手は出せない…

  他方、南米から南極半島に向かうのは非常にポピュラーで、料金は40万円ぐらいから、期間も10日前後である。これなら、奮発すれば手の届かぬものではないので、出発の8ヵ月ほど前、北米旅行中に予約を入れて、首尾よく確保することができた(ツアーは非常に人気が高いので、半年前でも一杯ということはザラ)。

 メンバーとの挨拶

 こうして迎えたツアー初日(2月20日)は、指定されたHotel Los Ñiresにチェックインするだけなので、悠々と過ごし、夕方前にタクシーでホテルに向かう。街中から随分離れていて驚いたが、問題なくホテルにたどり着き、日本の旅行会社に送ってもらったバウチャーも受け取り成功。超久々のVIP待遇の中、部屋へと入っていった。

 今回のツアーでは、最も安いトリプル・シェア(Triple Share)で予約していたので、部屋の方も3人部屋。しかも今日同室になる人が、これから船内でも一緒になるらしい。どんなメンバーなのかと興味津々で待ってみると、まず現れたのがアダム(Adam)というイギリス人で、Mrビーンを彷彿とさせるような、やたらと喋り倒す男だ。そして、続いて登場したのはイアン(Ian)。こちらもイギリス人で、スキンヘッドでちょっといかつい風貌である。どちらも私とほぼ同い年で、思っていたより若い。まずは挨拶を交わして友好的に振る舞い、無難に一夜を過ごしたのであった。

 明けて2日目、船は夕方に出発するので、ビュッフェ形式の朝食を食べたら(今までひもじい食生活を送っていたので、ついつい食べ過ぎてしまう)、荷物をフロントに預けて、皆ウシュアイア観光に出かけていく。私も、同室の彼らにマルティアル氷河(Glaciar Martial)に行かないかと誘われたが、南極を前に、今さら氷河に見えないような観光地を訪れる気にはなれなかったので、ここは固辞し、1人宿に残って来るべき時に備えた。

 クルーズ出発!

 そして、午後3時半に迎えの車に乗り、港へと走っていく。港内には何隻もの船があって賑わっていたが、我々のモルカノフ号(Professor Molchanov)は思いのほか小さい…隣りの豪華客船と比べると頼りなく、ちょっと心配になってくる。でも、あまり図体がでかいと狭い海峡に入っていけないし、砕氷機能は持ち合わせているようなので、きっと大丈夫だと信じよう。

  パスポートを預けて船内に入ると、部屋は既に2人に先を越されていて、私は上段に寝ざるを得ず、荷物の置き場もろくにない…あまりにスペースがないので、2人が少し空けてくれたものの、それでも収まりきらず、いくつかはベッドの上や座席部に置く羽目になった。

  そうこうするうちに出発の時間が迫り、一堂バーに召集されて、スタッフと対面を果たす。ツアー・リーダーが私とほぼ同い年で驚いたが、その他も意外に若い人が多く、それでいて経験を積んだ多種多様な人物が多い。南極に魅せられて、もう何度も訪れている人がほとんど。クルーはロシア人で、こちらも南極の海に精通した人たちばかりのようだ(客の方は、さすがに年配の人が多かったが)。

Depart from Ushuaia
ついにウシュアイアを出発!

  そして、5時過ぎについに港を離れ、クルーズは出発した。しばらく甲板から見ていると、ビーグル水道(Canal Beagle)を進む中で、ところどころでマゼランペンギン(Spheniscus Magallanicus)やオタリア(Otaria Byrona)、ウミウなどの姿を見ることができる。今日はウシュアイア滞在4日目にして初めて晴れ間が覗いたので、気持ちよく船上から眺めることができた。

 すると、まもなく避難訓練が行われ、緊急時の対応方法などを教わる。やがて夕食の時間を迎えたが、高額ツアーだけあって、かなり豪華な料理が振舞われる。こんな食事がずっと続いたら太ってしまいそうだが、何はともあれお腹一杯に平らげて、十二分に英気を養ったのであった。

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