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旅行記:パタゴニア&南極(世界自然旅)

69.隠れ展望地 (2004/2/15-16:晴後曇

 足慣らしから一転…

 トレッキングももう残り2日となったが、またしても好天に恵まれ、朝から惜しげもなく太陽が大地を照らしている。正直、ここまで天気が良いとは思っていなかった(パイネもそうだったが、かなりの幸運だ)ので、既に最低限の目標はクリアしてしまった。けれど、このピエドラ・デル・フレイル周辺にも見所はいくつかあるので、まずはそちらを探訪することにしよう。

 朝食を終えたら、とりあえず足慣らしということで、この先のエレクトリコ湖(Lago Eléctrico)まで散歩する。はじめのうちは湿地帯が広がっていて、抜けるのに苦労したが、その後は平坦で単調な道を歩くことになる。湖岸まで歩けば、その奥にあるマルコーニ氷河(Glaciar Marconi)とマルコーニ山群(Cordón Marconi)を望めるが、特筆すべきものがあるわけではない。ここから、ツアーに参加するとパタゴニア氷床を縦断することも可能なようで、それは非常に魅力的ではあるが、今回は無理な相談である。

Lago Eléctrico
エレクトリコ湖

 来た道を引き返し、キャンプ場まで戻ったら、いよいよ眼前の丘を登り始める。ここを登れば、フィッツロイの裏側を間近に望むことが可能なので、楽しみである。

  しかし、のっけから傾斜が予想以上で、しかも途中からはザレ場となり、大いに苦戦させられる。これだけ手強い登りは久しぶりだ。ジグザグに登っていくが、足下がおぼつかないので、思うようには進めない。が、急斜面はそう長くなさそうなので、我慢して登り続けた。

  すると、しばらくで傾斜が緩み、メドウのような景観が広がったが、それもつかの間、またしても急な登りが始まった。しかも今度は、岩がゴロゴロしたガレ場が続き、そこをどんどん上がっていく。気がつくとパタゴニア氷床の端くれも見えてきて、随分上がってきていることがわかる。でも、目指すクアドラド峠(Paso del Cuadrado)はまだ見えない…

Glaciar Marconi
谷奥に広大な氷河が見えてくる

 沢筋で迷子

 さらに登ると、次第に斜面をトラバースするようになり、傾斜は徐々に緩んできた。そこを踏み跡を頼りに歩くが、それも徐々に怪しくなってきて、途中でほぼ見失ってしまった。しかし、歩むべき方向は間違いないので、ルート・ファインディングしながら、岩場のアップダウンをこなして進んでいった。

 するとまもなく、モレーンの上に出て、眼前に小さな氷河と氷河湖が現れた。ここは絶好の休憩場所で、既に1組のカップルが休んでいたが、私も湖の淵まで下りてみる。湖面には氷塊がいくつか浮いていて、その背後には裏フィッツロイの姿もある。周囲はほぼ氷河に覆われているので、これ以上の前進は不可能。ここがクアドラド峠かは知らないが、景色は申し分ないので、この隠れ展望地で十分であった。

Paso del Cuadrado
クアドラド峠にて

 まもなくカップルが帰途についたので、昼食を取り、1人でのんびりと過ごす。ロンプラ情報では、ここからエレクトリコ山(Cerro Eléctrico:2257m)に登れるらしいが、とてもそんな風には見えない急斜面だ。これ以上の冒険はやめておこう。

  そして、1時間あまり過ごしたら下山を開始。下りは滑りやすいので、慎重に歩いてキャンプ場へと戻っていった。

  こうして周辺の散策を終了し、ついにチャルテンに向けて帰ることになる。森の道を引き返し、分岐を左折して23号線(Ruta Provincial 23)へ抜けていくが、この辺りはいく筋もの沢が流れており、踏み跡は次第に定かでなくなってくる。見失わないよう歩いたつもりなのに、あっさりと迷子になり、草木を掻き分けたり、何度も渡渉したりして、必死で下流に向かう羽目になった。

  それでも辛抱して歩き続けると、途中で正規の踏み跡を発見し、無事に抜け出すことができた。そして、23号線に出たら少し歩き、Hosteria El Pilarの脇を入って、今度はブランコ川の対岸を歩くことになった。

Fitz Roy from Ruta Provincial 23
23号線からの眺め

 フィッツロイとの別れ

  時々樹林越しにフィッツロイを見ながら、南極ブナの森を登る。進むにつれて、フィッツロイは様々な表情を見せてくれるので、それを励みに歩いていった。

  そして、ひとしきり登りきると、目の前にはピエドラス・ブランカス氷河を望めるようになった。が、この頃から雲が広がり出し、どうもパッとしない。もう夕暮れも迫っているし、先を急ぐことにしよう。

Monte Fitz Roy
天を突く頂き

View of Piedra Blancas
ピエドラ・ブランカス氷河を望む

 この先はほぼ平坦な道が続くので、淡々と歩いていく。だいぶ暗くなってきたところで下り始め、まもなく分岐に到達。ここを右に曲がれば数分でポインセノット・キャンプ場だが、今日はカプリ湖(Lago Capri)にテントを張るつもりなので、左折して下る道を選んだ。

  ここからは、時折フィッツロイを振り返りながら、山から離れるように歩いていく。そして、40分ほどでカプリ湖への分岐に達したので、そこを右に入り、誰もいない湖に到着。幸いまだフィッツロイは見えているが、すっかり暗くなってしまった。急いでテントを張り、食事を作り始めるともう真っ暗。風も強くなってきたし、他にやることなどないので、お腹を満たしたらさっさと眠りについた。

Lago Capri
カプリ湖より

  そして最終日は、朝からどんより霧が立ち込めており、フィッツロイの姿を拝むことはできない。これでは仕方ないので、朝食を食べたらまもなく出発することにした。

  カプリ湖からはもう、残り1時間ほどの道のりなので、お気楽に歩いてゆく。すると不意に天気が良くなってきて、フィッツロイも再び姿を見せてくれた。きっと私にお別れを言いたいのだろうと都合よく解釈し、最後、下り始めの前に別れの挨拶を交わしたのであった。好天で毎日姿を見せてくれてありがとう、と…

The last view of Fitz Roy
さらばフィッツロイ!

  こうしてエル・チャルテンに戻ったが、気がつけばもうフィッツロイは雲の中に消えていた。バスは夕方発なので、のんびりと待機。結局カラファテには夜戻ったが、明日は最後にペリト・モレノ氷河を再訪するので、ターミナル近くのAlbergue Buenos Airesに宿泊し、翌朝の出立に備えたのであった。

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