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旅行記:パタゴニア&南極(世界自然旅)

68.変貌する岩峰群 (2004/2/14:晴

 燃えるフィッツロイ

 3日目、フィッツロイの麓でキャンプをしたからには、朝焼けを見ないわけにはいかない。昨日トーレ峰で失敗していただけに、リベンジの気持ちは強かった。

  昨日同様、夜明け前に起床すると、幸運にもフィッツロイが完全に姿を見せていて、周囲に雲は見当たらない。隣りの人はつい先ほど出立して、ロス・ぺロス湖に向かったようだが、私の目的地はそこではない。昨日の「調査」で、朝焼けを見るならマドレ湖の方が良いと確信していたので、迷わずそちらにゆくのだ。

 キャンプ場からは30分もあれずたどり着けるので、少し明るくなった頃合を見計らってスタート。淡々と歩き、かの展望地に予定通り到着した。周囲には誰一人おらず、目の前のフィッツロイ山群は、静かに目覚めの時を待っている。私も撮影準備に取りかかり、寒くて手がかじかむ中、その時を待ち続けた。

 そして、ついに陽の光が降臨し、フィッツロイの頂きに点火された。岩峰はみるみる赤くなり、まるで燃えているかのような色になった。岩の色のせいもあろうが、この色合いには驚かされる。周囲の山も同時に染まって、神々しい限りの光景…まさに神が舞い降りたかのような朝焼けで、久々に度肝を抜かれてしまった。

Fitz Roy sunrise
朝陽に燃えるフィッツロイ山群 [→Flashスライドショー]

  しかし、このハイライトはわずかに10分ほどで終わり、それからは色が薄まりながら、全体へと光が広がっていく。キャンプ場に戻る頃にはすっかりいつもの岩峰群になっていたが、それにしても、あの朝焼けは凄かった。

 静寂のスシア

 これでもう、このキャンプ場には未練はないので、食事を済ませ、テントをたたんだら、次の場所へと出発する。ここからは、さらに北に向けて歩くつもりだが、その前に、せっかくだからスシア湖の湖畔にも行ってみようと思い、分岐を左に折れて、弱々しい踏み跡に入っていった。

 ここはあまりメジャーなコースではないだけあって、実に心もとない道が続いている。どうせ人は来ないだろうと思い、途中の草むらに荷物を置いて再出発。ブランコ川に沿って歩いていく。

  しばらくは川原沿いの平易な道だったが、途中、目の前の岩に道を阻まれ、道が消えている。どういうことだ…

  しかし良く見ると、道は真上に伸びているようだ。手を使わないと登れないような難所だが、ここを突破すると少し楽になり、やがて岩場を緩やかに下るようになる。ところが、その先も苦難の連続で、足場のもろい岩場を慎重に進み、時には渡渉も強いられる。見上げれば両側が崖になっていて、かなりの威圧感だ。

 それでも、湖岸近くまで来ると湖が見渡せるようになり、氷河や岩峰群も見上げることができる。ここは一般人がほとんど来ないだけに、貴重な場所。雑音を聞くこともなく、ただ自然の流れに身を任せて、ここでしばらく佇んだ。

View from Laguna Sucia
スシア湖畔からの眺望

  そして、帰りも気をつけながら戻り、無事に帰還することができた。結局誰とも会うことはなかったが、個人的にはその方が良い。気分新たに、北方へと歩き始めた。

 フィッツロイの裏顔

 この先はしばらく、ブランコ川に沿って緩やかに下っていくが、30分ほど経ったところで、以前会った女子大生2人組と再会した。彼女たちは北から入り、これからフィッツロイ、トーレと周るらしい。どちらも素晴らしいところなので、好天に恵まれることを祈るばかりである。

 さらに歩くと、突然、目の前に大きな土砂の壁が現れた。どうやらこれがモレーンのようなので、ここを無難に越えて、沢を渡ったところで左折。岩の間を縫うようにして、氷河湖へと歩いていく。ここも結構歩くにくい道が続くが、気をつけて岩場を乗り越えていくと、やがてピエドラス・ブランカス湖(Laguna Piedras Blancas)が登場。氷山を浮かべた姿が美しく、その奥にはピエドラス・ブランカス氷河(Glaciar Piedras Blancas)が流れ込んでいる。既に先客がいて賑やかだったが、この眺めを肴に昼食を取り、のんびりと過ごした。

Glaciar Piedra Blancas
ピエドラ・ブランカス氷河

 1時間ほど滞在したら元に戻り、分岐を左に入って下流へと下る。しばらくすると、トレイルは川から離れて、左に巻くように続くようになった。奥に聳えるベスピングナニ山(Cerro Vespingnani:2146m)を遠望しながら進むと、右から踏み跡が合流し、そのままエレクトリコ谷(Valle Eléctrico)に吸い込まれていく。森の中のアップダウンをこなすと平坦な道となり、まもなくエレクトリコ川(Río Eléctrico)に沿って進むようになった。

Cerro Vespingnani
ベスピングナニ山

  思いのほか多くの人とすれ違って驚いたが、淡々と歩くと不意に森が終わり、ピエドラ・デル・フレイル(Piedra del Fraile)に到着した。ここが今日の宿泊地なので、テントを張らせてもらったら、周囲を少し散策してみる。もうフィッツロイの裏側に周り込んできたようで、少し下がると岩峰が見えてきた。今日の岩峰群は様々に変貌してくれたが、明日はどんな表情を見せてくれるだろうか。

Backside of Fitz Roy
フィッツロイの裏側

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