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旅行記:パタゴニア&南極(世界自然旅)

67.フィッツロイの雄姿 (2004/2/13:曇後晴

 雲よ、消えてくれ

 夜明け前に起床すると、幸いトーレ峰は綺麗に見えていた。それならばと、暗闇の中で準備を整え、懐中電灯を持って出立。まず狙うのは、展望台から見る朝焼けのトーレだ。

 道はモレーンを迂回するように続き、まもなく登りが始まった。狭い尾根を上がると、途中からはジグザグの道になり、どんどん高度を稼いでいく。ちょっと雲が広がり出したのを気にしながら進むと、30分ほどで岩場に差しかかり、これを登ると道が終わってしまった。どうやらここがマエストリ展望台のようだ。まだ陽は昇っていないが、明るみ出した空に照らされて、トーレ氷河(Glaciar Torre)やアデラ山群(Cordón Adela)が一望のもとになっている。これは美しい朝焼けが期待できそうである。

 ところが、明るくなるにつれて雲が流れてきて、トーレ峰にかかり始めてしまった。そんな…せっかくここまで歩いてきたのだから、早く消えてくれ、と願うが、そう思うようにはいかない。雲は消えそうで消えず、微妙に邪魔をしてくれる。おそらくトーレ湖畔からなら問題ないのだろうが、この展望台からは邪魔でしかない。どうにかならないか…

  すると、ついに太陽が顔を覗かせ、トーレ峰らを照らし始めた。素晴らしく赤い朝焼けだが、いかんせん雲が邪魔して美しくない…せっかくここで朝焼けを独り占めできると思っていたのに、悔しい限りだ。せめて眼下のトーレ氷河を見下ろして、お茶を濁すことにしよう。

Torre sunrise
雲が邪魔して…

Glaciar Torre
トーレ氷河を見下ろす

  こうして、朝一の作戦は失敗に終わり、1人トボトボとキャンプ場に引き返さざるを得なかった。

 フィッツロイ登場

 もし日程に余裕があれば、ここで延泊して再挑戦することも可能だろうが、そこまでの時間はないし、そのせいでフィッツロイが見られなかったら一大事だ。覚悟はしていたが、ここは泣く泣くトーレ峰から去っていく。

 再びテント等を担いで歩き始めると、まずは元来た道を引き返し、分岐が現れたところで、左折してフィッツロイ方面に向かう。いよいよ核心部に迫っていくのだが、最初は森の中の単調な登りで、視界は全く効かない。ここは淡々と登ってやり過ごした。

 ひとしきり登ると台地に出て、緩やかな道を進むようになった。そこを楽々進むと、しばらくでイーハ湖(Lago Hija)が登場。何の変哲もない湖だが、のんびりするには良いところなので、ここで休息して英気を養った。

Lago Hija
イーハ湖

  そして、湖の東岸に沿って歩いていくと、やがて左上にフッツロイ山が登場した。ちょうど雲が流れているところで、想像していた以上に大きく、迫力のある山容だ。これも氷河が造り上げた造形なのだから、まったく恐れ入る。まもなくマドレ湖(Lago Madre)を見下ろす高台を歩くようになり、フィッツロイも全容を現してくれたので、ここで腰を下ろしてじっくりと堪能した。

Fitz Roy from Lago Madre
姿を現したフィッツロイ山 (マドレ湖より)

  それからは、左手にフィッツロイの雄姿を見ながら、快適な道が続く。やがて湖の先へと下ってゆき、沢に沿って歩くようになるが、この辺りからの眺めは最高で、フィッツロイ山群が屏風のように広がっている。こんな絵になる岩峰群は、世界中探してもまずないと言って良いだろう。素晴らしい!

Fitz Roy Range
迫力のフィッツロイ山群

 見上げる岩峰群

 この先の分岐を左に進むと、湿地帯を木橋(と言うより木の束)で乗り越えなければならないが、その後はお気楽な道となり、たわいなくポインセノット・キャンプ場(Campamento Poincenot)にやって来た。さっそくテントを設営し、昼食を取るが、天気はすこぶる回復し、フィッツロイが丸見え。これは絶好の鑑賞日和なので、ほどなくして、展望台として名高いロス・トレス湖(Laguna de los Tores)を目指すことにした。

 ブランコ川(Río Blanco)を渡り、クライマー用のブランコ川キャンプ場(Campamento Río Blanco)を過ぎると、とたんに目の前の急坂を登るようになった。スイッチバックを切りながら高度を上げていくが、私のペースが早いのか、ごぼう抜き状態となった。そして、30分足らずで急傾斜が終わり、なおも一踏ん張りで登ると、ついにロス・トレス湖が姿を現し、頭上にはフィッツロイが鎮座している。何という光景か!

View from Laguna Los Tres
ロス・トレス湖からの眺め

  湖の周りには多くの人がたむろしていたので、それを見下ろす丘の上に立って、この絶景を眺める。見上げる岩峰群は圧倒的なスケール感で迫り、ロス・ぺロス氷河(Glaciar de los Tores)とともに美しいコントラストを描き出している。岩峰群の見え方は下からの方が良い気もするが、とにかく素晴らしいことに変わりはない。

 しばらくは丘の上から見入っていたが、次第に人が減り始めたので、湖岸に下りて今一度岩峰群を見上げる。すると、左手の丘に人が集まっていたので、興味本位で歩いてみると、そこからは眼下にスシア湖(Laguna Sucia)が広がっているではないか。こちらも、リオ・ブランコ氷河(Glaciar Río Blanco)とともに険しい造形美を見せてくれている。足下はまさに切れ落ちていて、恐ろしいほどの眺めであった。

 こうして、どこまでも素晴らしい景観に感動して、大満足のうちに帰途についた。

Laguna Sucia
スシア湖を見下ろす

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