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旅行記:パタゴニア&南極(世界自然旅)

63.最後のご褒美 (2004/2/7:晴

 歩き尽くす!

 昨日でサーキットを完走してしまったが、まだ残り2日あるし、全てのコースを歩き尽くしたわけではない。この日も快晴に恵まれていたので、とりあえず歩けるだけ歩こうと、さっそく7時過ぎに南へと歩いていった。

 まず向かったのは、管理局本部(Sede Administrativa)のあるリオ・セラーノ(Río Serrano)まで通じるコース。ここは徒歩でペオエに向かうルートとして知られているが、個人的には、以前パイネ山群を一望する写真を見ていたので、ここを歩くことで、その撮影場所がわからないかとも考えていた。

Looking back at Lago Pehoé
ペオエ湖を振り返り見る

 ペオエ湖畔を歩き始めると、いきなりの急登に見舞われるが、この小峠を越えると緩やかになり、楽な道のりとなる。この辺りはパンパ(Pampa)と呼ばれる草原が広がり、伸びやかな雰囲気だ。振り返ればパイネ・グランデやクエルノスの姿もあり、なかなかの眺めである。

Río Grey
グレイ川に沿って歩く

  まもなく、トレイルはグレイ川(Río Grey)に沿って続くようになる。所々でアップダウンがあるものの、総じて平坦な道が続き、前方奥にはバルマセダ山(Monte Balmaceda:2035m)の姿も見えて快適だ。ラス・カレタス(Las Carretas)のキャンプ場を過ぎると、いよいよ広大な草原の中を歩くようになり、13時発のバスに間に合うよう、早歩きで進む。

Monte Balmaceda
バルマセダ山

  左を見ると、パイネ・グランデとクエルノスを遠望できるが、手前の丘が邪魔していて、期待した景色ではない。どうやら目的の場所はここではないようなので、後は競歩のごとく駆け足で邁進し、12時過ぎには無事、22kmのコースを歩き終えることができた。

Far view of Cuernos del Paine
クエルノス・デル・パイネを遠望

 目的の場所を発見

 少し時間が余ったので、出発までビジターセンターに立ち寄り、目の前のトーロ湖(Lago del Toro)を眺めたり、展示物を見物したりしていると、公園のジオラマを見ている時、不意にレンジャーが話しかけてきた。どこを歩いたの?と聞くので、9日かけてサーキットをくまなく歩いてきたと説明すると、彼は「とてもラッキーだったね」という。

  彼が言うには、パタゴニアでこれだけ晴天が続くのは非常に珍しいらしく、昨年は1月に全然晴れず、2月になって数日晴れた程度だったそうだ。それが、今回は連日好天に恵まれ、強風に見舞われる機会もほとんどなかったのだから、確かにものすごく幸運である。これも異常気象のなせる業なのだろうか(その代わり、氷河の溶けるスピードが早まって困っているらしい)。

 せっかくなので、ハポネス・キャンプ場の意味と、なぜサイレンシオ谷のトレイルが記載されていないのかも聞いてみると、この周辺は昔、日本人(誰かはわからない)が探検したことから名づけたそうで、サイレンシオ谷の道は、クライマーが利用しているのだという(おそらくトーレスに登るのだろう)。ただ、この辺りは常に強風に見舞われ大変危険なので、一般の観光客には勧められないそうである。

 と、ここでバスの時間になったので、親切なレンジャーと別れ、プデートまで乗車する。実は、バスのチケットを持っていると国立公園内は乗り降り自由なので、それを有効活用しようというわけである。

  バスは定刻通りに出発し、澄んだパイネ川、チコ滝(Salto Chico)と、風光明媚な景色の中を北上していく。そして、ペオエ・キャンプ場(Camping Pehoé)を通りかかるところで、一気にパイネ山群の展望が開け、パイネ・グランデやクエルノスが一望のもとになった。ここだったのか…もともと、今日はこのキャンプ場に泊まるつもりだったが、目的の場所を探し当てることができ、興奮は最高潮に達した。

 感動のフィナーレ

 プデートに着いたら、さっそく予定通りトレイルを歩き、展望台を目指す。分岐を右に折れてしばらくすると、ノルデンフェールド湖が左に広がり、その先にはパイネ・グランデが鎮座している。ここから見ると、この山が4つの峰ならなり、両側が角のようになっているのがよくわかる。最高峰だけあって、迫力の眺めだ。

Paine Grande
パイネ・グランデ

  さらに進むと、クエルノスを正面に望む展望地にやって来るが、こちらはちょっと近すぎるのか、思ったより美しい眺めではない…でも、パイネ・グランデは相変わらずだったので、こちらの展望を満喫して帰途についた。

Cuernos Mirador
クエルノスを正面に望む

 その後、グランデ滝(Salto Grande)に寄り道するが、こちらは水量がものすごく、近くで見ると大迫力だ。ただ、すぐに家族連れに取り囲まれてしまったので、ほどほどで戻り、夕方のバスを待機(キャンプ場までは距離があり過ぎ、歩く気にはならない)。そして、5時半頃にバスが迎えに来て、大絶景のキャンプ場に向かった。

Salto Grande
グランデ滝

 キャンプ場の前で降ろしてもらい、チェックインを済ませたら、さっそく展望の良い場所へと歩いてみる。すると、目の前には美しいペオエ湖が広がり、パイネ・グランデやクエルノス・デル・パイネなどの山並みが一望のもとに曝されている。何て美しい光景だろう…この周りを8日かけて歩いたのかと思うと、感激も一潮で、思わず涙が出そうになってしまった。トレッキングの素晴らしさもさることながら、最後にこんなご褒美が待っているとは…とにかく、これまでの旅で最高だったと言って良いだろう。

Cordillera Paine
ペオエ湖越しのパイネ山群 [→拡大版]

  そして、翌朝もまた展望地に上がってみると、今度は順光なうえ湖面にも一部投影していて、一層素晴らしい景観になっている。こんな景色を見せられたら、もう何もいらない。実はこの後、近くのペオエ展望台(Mirador Pehoé)に登ろうかと思っていたが、これには敵わないと悟ったので、バスが来るまでこの景色をずっと眺めて過ごしたのであった。

  こうして大感動のうちにパイネを後にし、10日ぶりにプエルト・ナタレスに戻ってくると、前の宿は一杯だったので追い出され、近くのCasa Teresaに移動した。ともあれ、これでチリともお別れだが、この国では良いことばかりで、感動の連続であった。これでもう思い残すことなく、アルゼンチンに渡れるというものである。

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