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旅行記:パタゴニア&南極(世界自然旅)

61.快晴強行軍 (2004/2/5:晴

 氷塊を肴に

 今日でもう7日目。普通なら、この日は3時間半先のロス・ぺロス・キャンプ場(Camping Los Perros)まで歩くだけだが、これがまた雲ひとつない快晴で、それではもったいなくなった。その先、峠を越えてグレイ氷河に向かう区間が、このコースにおける最難関。それでも、歩けるだけ歩く覚悟であった。

 さっそく、いつも通り早めに出立し、森の中を登り始める。ここからはロス・ぺロス川(Río de los Perros)に沿った道となるが、川の姿は見えない。淡々と進むと、30分あまりで林が途切れ、急に展望が開けた。前方には行く手の谷が広がり、振り返ればディクソン氷河とクーボ山が見えている。ここは絶好の展望地なので、しばし休んで周囲を見渡した。

Valle de los Perros
行く手の谷を望む

Cerro Cubo and Glaciar Dickson
振り返ればクーボ山とディクソン氷河

 ここで、トレイルはいったん下り、カベサ・デル・インディオ川(Río Cabeza del Indio)を渡ると林の中を登り始める。やがてロス・ペレス川の脇を歩くようになり、しばらくで橋が登場。ここを越えると一転して岩だらけの道になるが、目の前のモレーンを這い上がれば、ロス・ぺロス氷河(Glaciar Los Perros)と、直下で氷塊を浮かべるロス・ぺロス湖(Laguna de los Perros)が現れた。ここも休むには絶好の場所なので、氷塊を肴に一杯楽しんだ。

Glaciar Los Perros
ロス・ぺロス氷河

  そして、ここからモレーンを下るとまもなく、ロス・ぺロスのキャンプ場に到着した。思ったよりずっと混んでいたが、ここまで2時間半で来ているので、時間は余裕。天気も一向に崩れる気配はないので、そのまま先に進んでいく。

 難所の連続

 キャンプ場を抜け、川を渡るとまもなく、道は突如としてグチャグチャの泥沼地帯に突入した。噂には聞いていたが、これはひどい…できるだけぬかるんでいない場所を選んで歩くが、すぐにどうにもならなくなった。1回はまってしまったら、もう開き直り気味に歩くしかない。それでも、なかなか思うように進むことができず、おまけに本道を見失ったこともあって、この難所を抜けるのには大変苦労した。

 やっとのこと泥地からは脱出したものの、悪路を避けようとしたために、怪しげな踏み跡に迷い込んでしまった。ちょっと不安だったが、そのまま歩いていくと、しばらくでパソ川(Río Paso)が眼前に現れた。が、これが思いのほか水量が多く、渡渉するには危険である。ポイントを探してみるものの、良い場所がなく、なかなか踏ん切りがつかない。どうしよう…すると、下流に本道を発見。そこで、ここはいったん下ってまっとうに川を渡り、難を逃れたのであった。

 ここまで来ると、もう森林限界を越えて、岩がちの道を登るようになる。これまでの難所で体力を消耗したので、少し登ったところで休憩。昼食を取りながら体力の回復を図った。

Punta Puma
氷河を見ながら登る

  そしてここからは、ケルンやマーカーを頼りに、峠までひたすら登りが続く。はじめのうちは小さな花が咲き誇っていて、天上の別天地のようであったが、高度を上げるとともに岩だけとなり、傾斜もだんだんときつくなる。気がつくと先を行っていたグループに追いつき、追い抜いていくが、こちらもだいぶ疲れてきた。

  右からはアミスタド山(Cerro Amistad)から流れる氷河が見える。峠が次第に近づき、その向こうに待つグレイ氷河が待ち遠しい。気ばかり焦ってしまうが、難所の連続で疲れ気味の足には酷な状況である。それでも粘って休まず歩くと、ついにホン・ガルナー峠(Paso John Garner)に到達し、目の前にはグレイ氷河のパノラマが広がった。おぉ、素晴らしい!

View from Paso John Garner
峠からのパノラマ

 長大なる氷河

 これでも、見えている氷河はごくわずかだし、この奥には広大なパタゴニア南氷床(Campo de Hielo Patagónico Sur)が控えているのだ。さすがに感動だが、峠は風が強くて寒いし、もう少し先の方が眺めは絶対良いので、すぐに下り始めた。

 すると予想通り、少し下ったところでさらに展望が開けて、氷河が左右に広がっていく。クレバスもよりリアルに見えるようになり、実に見応えのある氷河だ。これだけ長大な氷河を間近に見られる機会はそうないので、ちょっとトレイルを外れて崖近くに寄り道し、この贅沢な眺めを手中に収めた。

Glaciar Grey from Paso John Garner
壮大なグレイ氷河を見下ろす

 ここから、トレイルは氷河の脇まで一気に下っていくが、森林限界を過ぎるとさらに傾斜が増し、滑り落ちるのではないかと思うほどの急坂になった。しかも、森の中では視界がきかないので、しばらくは我慢、我慢…転ばないように気をつけながら、グングンと高度を落としていった。

  この一ノ谷以上の急斜面を下り切ると、まもなくパソ・キャンプ場(Campamento Paso)に到着。ところが、ここが非常に混んでいて、今日はもう泊まれそうにない…でも、この先のキャンプ場まで行く時間は辛うじて残されていたので、そのまま歩いていく。と、すぐにグレイ氷河を望む展望地が現れた。せっかくなので、ここでまた一休みして、最後の歩きに備えたのであった。

View of Glaciar Grey
グレイ氷河を見ながら歩く

  この先はしばらくグレイ氷河に沿って歩くのだが、これが意外に難所で、何箇所かは梯子やロープを伝って歩いたりと、アップダウンが激しい。普段なら何てことなくても、これだけ歩いてくると体力的に苦しい…が、もう夕方が迫っていたので、とにかく歩かなければならないのだ。

  そして、時々氷河を見ながら、いくつもの沢を渡って進んでいくと、2時間あまりで無事グアルダス・キャンプ場(Campamento Guardas)にやって来た。こちらはさすがに人が少なく、こんな遅い時間でも、問題なくテントを張ることができた。

  それにしても、今日は通常2日半かける難所を1日で歩く強行軍だったので、さすがに疲れてしまった。でも、まれに見る晴天に恵まれ、何物にも変えがたい風景に出会うことができたのだから、大満足である。ここがサーキットを歩く最大のポイントだったので、それを快晴のうちに乗り切ることができて、本当に良かった。

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