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旅行記:パタゴニア&南極(世界自然旅)

52.急峻なる展望地 (2004/1/22:晴

 湖に氷河峰に

 カテドラル山周辺を歩いたところで、続いてはこのエリアの最高峰、トロナドール山を目指す。日本のガイドブックを見ると、ここはツアーがやたらと推奨されているが、その場合は日帰りになってしまうし、周辺をいろいろ歩きたかったので、あえてバスを使って2日間、ハイキングをすることにした。

 9時発のバスで出発し、南西へと走っていくと、やがてグティエレス湖、マスカルディ湖(Lago Mascardi)を右手に見るようになる。分岐を右に入り、しばらくでゲートが登場。ここで国立公園の入園料を支払い、さらに奥へと進んでいった。

  この先はずいぶんと狭い道になったが、樹林越しに見えるマスカルディ湖が美しい。すると、バスは途中の展望台で停まり、しばしの鑑賞タイムとなった。慌てて向かうと、結構な混雑なうえ、周囲の景観は今ひとつ…この湖は確かに綺麗だが、やはり個人で来ないと満足できないようだ。

Mirador of Mascardi
マスカルディ湖の展望台より

 バスはまもなく走り出し、ほどなくして湖の西端にやって来た。ここで若干名の客を降ろすと、なぜか引き返して、湖畔を走るようになる。が、これが実に素晴らしい眺めなのだ。バスは湖畔のホテルに荷物を届けに来たのだが、ここは思わず外に降りて、周囲の美しい景観を目に焼きつけた。

Lago Mascardi
麗しのマスカルディ湖

  そして、ここからはマンソー川(Río Manso)に沿って上流に向かうが、しばらくで前方にトロナドール山の雄姿が見えてきた。氷河を戴く美しい山で、車内の人の目も釘付けになっている。と、ここで乗客の一人が物申し、途中の見晴らしの良い場所で停まってもらえることになった。他力本願だが、この眺めは確かに特筆すべきものである。

View of Mt Tronador
トロナドール山が現れた

 定番巡りは喧騒の中

 こうして、湖といい氷河峰といい、湖水地方の魅力を味わったところで、終点のパンパ・リンダ(Pampa Linda)に到着した。正面にトロナドール山を望む絶好のロケーションで、これを見ただけでも来た甲斐があったというもの。しかし、これからさらに探訪する所存なので、まずはCAB経営のキャンプ場でスペースを確保し、腹ごしらえを済ませてから出発した。

 この周辺で最もポピュラーなのが、ネグロ氷河(Ventisquero Negro)と呼ばれる黒い氷河と、悪魔の喉笛と言われる滝を見に行くもので、近くまで道路が整備されているため、ツアーでは定番の観光スポットとなっている。私もとりあえずこちらに寄ってみようと思うが、個人で来てしまうと、ここから先の交通手段がないので、歩かなければならない(その点ではツアーは楽)。渋々歩を進めることになった。

 道は緩やかなもので、マンソー川に沿って未舗装路をだらだらと登っていく。川を渡るとまもなく、左手にネグロ氷河が見えるが、観光客でごった返している割に大したことない。これには少々落胆してしまった。

Ventisquero Negro
ネグロ氷河

Gargenta del Diablo
悪魔の喉笛滝

  気を取り直してさらに歩くと、ほどなくして道路の終点となり、ここからは観光客に混じって、先にある悪魔の喉笛滝まで歩いてみる。こちらも若干の期待を持っていたが、いざたどり着くと、観光客だらけのくせに普通の滝で、今ひとつ迫力に欠ける。しかも、滝の近くに迫れなくなっているので、ダブル・パンチだ。もはやこの程度の子供だましでは感動できないので、そそくさと戻っていった。

 過酷な道のり

 しかし、本当の目的地は別にあった。普通の観光客は行かないところらしいが、道路の終端から、北東にあるピエドラ・ペレス(Piedra Pérez)に登れば、素晴らしい眺めを得られるとの情報を入手していたので、まだ諦めるには及ばない。この道はかなりハードらしいが、ここまで来たら行かねばなるまい。

 そこでさっそく歩き始めるが、いきなり目の前に川が立ちはだかり、それもかなりの水量なので、渡渉に苦労する。かなり遠回りしながらも、何とかあまり濡れずに渡り切ると、今度は登り口がわからない…それらしき道を探して右往左往し、やっとのこと見つけることができたが、のっけから苦戦を強いられた。

 そして、いざ登り始めると、最初こそ無難に歩けたが、すぐに急で荒れた道となり、予想通りの試練となる。我慢してジグザグに登り続けると、森林限界の辺りに来たところで、道は一層厳しくなり、足下がおぼつかないほどの急登となった。ガレガレの急斜面なので、気をつけながら登るが、振り返れば滝や氷河の眺めが素晴らしい。上まで行けばもっと良くなると信じて、慎重に登っていった。

  上部は急峻な岩場になっていて、かなり厳しい道が続くが、1時間あまりでどうにか尾根に登りつくことができた。試しに反対側に歩いていくと、カスターニョ・オベーロ氷河(Glaciar Castaño Overo)が望めるようになり、南北どちらも迫力のパノラマが広がっている。こんなところでも誰もいないので、ここはじっくりと展望を楽しんだ。

Glaciar Manso
悪魔の喉笛方面の眺め

Glaciar Castaño Overo
カスターニョ・オベーロ氷河

  結局1時間ほど滞在したら、夕方も近づいていたので、下山を始める。ちょっと急ぎ過ぎたのか、途中で誤って谷筋に入ってしまい、恐ろしいほど急な下りとなったが、すぐに気づいて正規の道に戻り、滑らないよう注意を払いつつ、無事下ることができた。もう観光客はまばらだが、空腹に耐え切れなくなったので腹ごしらえをして、未舗装路を下っていく。結局、パンパ・リンダには暗くなる寸前に戻ったのであった。

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