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旅巧館旅行記アジア

旅行記:アジア編(世界自然旅)

序.集大成として

 ついにアジアへ

 紆余曲折を経ながらも、この「世界自然旅」も1年半が過ぎ、ついに2年計画の最後、アジアに向かうことになった。南米に続く途上国の旅となるが、こちらの方が面白いのは既に実感しているので、楽しみな限りである。

 ところで、アジアというと、日本人バックパッカーの溜まり場として知られており、長期旅行をしている人が非常に多いという。地理的に近いのはもちろん、先進国と比べて物価が破格に安く、治安もそれほど悪くないのだから、それも当然だろう。バックパッカー初心者から、何年も旅をしているツワモノまで、どんな出会いがあるか楽しみだ。

 しかし、この旅の目的はあくまで「自然」であるから、当然そうした地域を目指すことになる。が、一口にアジアと言っても広大で、4ヵ月あまりという制約を考えると、場所は絞らざるを得ない(もう観光名所だけを駆け足で周遊するような旅はできなくなってしまった…)。どのように周るかは重要なポイントである。

  最も一般的なのは、韓国や中国から入って南下し、東南アジアをぐるっと周ってインドに飛び、トルコへと抜けていく「深夜特急」ルートであろう。インドへの憧れに加え、猿岩石によるヒッチハイクの旅の影響などから、このルートをゆく旅人は本当に多いらしい。もちろん、これを部分的に旅する人も多いから、道中の旅人の数は相当なものになると思われる。

  だが、これはどちらかというと文化・民俗的な側面に注目したルートであるから、個人的な関心はやや弱い。それに、あまりつるんで旅はしたくないので、初めての、限られた時間の中ではカットせざるを得ない(それに、好き嫌いが分かれるというインドは、どうも私の好みに合わない気がする)のである。

 ルートの選定

 では、どうするか。

  まず外せないのは、やはりネパール(Nepal)でのトレッキングである。世界の屋根・ヒマラヤ山脈(Great Himalaya Range)は見逃すことのできない、まさに旅のフィナーレにふさわしいところ。そのために12月をラストにもってきているので、ここは最後に1ヵ月ぐらいかけて周るつもりである。

  さらに言えば、その北側にあるチベット(西藏)も見過ごせないエリアであろう。入境許可証が必要な場合が多く、旅のしにくいところではあるが、雲上の世界に広がる厳しい自然と、そこで息づく仏教文化は、やはり魅力的である。

  これで旅の後半は固まったが、実はもう1つ、パキスタン北部に広がるカラコルム(Karakorum)にも行きたかった。これは2001年3月に放送されたNHKスペシャル「星明かりの秘境・カラコルム」を見て以来、ずっと行きたいと思っていたし、桃源郷と言われるフンザ(Hunza)にも惹かれる思いがあった。これにシルクロード(絲綢之道)もセットにすれば、美味しいところをぐるっと周って大満足、のはずだった。

  しかし、9.11のテロと、その後のアフガン戦争により、アルカイダの残党がパキスタン北部に逃げ込み、予断を許さない状況になってしまった。パキスタンではテロも頻発しており、何が起こるかわからない。残念だが、次の機会に譲るとしよう。

  一方、中国側に目を転じると、ヒマラヤの東には横断山脈があり、こちらにも美しい山群が広がっているという。中国西南部には、この他にもいくつも魅惑のスポットがあるし、ビザのことを考えると、長期ビザがすぐに取れる香港を起点とし、そこから西に足を延ばすのが好都合だ。時期的にも、時間的にも、これが最適な選択肢であった。

  こうして、今回は香港からスタートし、中国西南部、チベットを経由してネパールに抜けるというルートが確定したのである。

 これまでの経験を生かして

  ともあれ、途上国の旅の常として、あまり細かい旅程を決めても無駄なので、具体的な予定については、その都度適宜判断していく所存である。「国内旅行ブーム」に沸く中国では少々警戒する必要があるものの、宿が一杯になることは稀なようなので、南米での経験を生かしていけば良いだろう(それゆえ、今回はテントを持っていかない)。

  また、今回は標高3000~5600mの高所を旅する期間が長いので、高山病には特に気をつけなければならない。でも、これも南米である程度(5000m近くまで)体験しているので、それほど心配には及ばない。最初さえ順応に気をつければ、高所のトレッキングも大丈夫だと思う。

 寒さも大敵ではあるが、これもアラスカや北欧、南極などで経験済なので、何とかなるだろう。それに今回は、チベットやネパールの冬に耐えられるよう、-20℃対応の寝袋を新調したし、防寒具も一通り揃えたので、問題ないと信じたい。

  物価に関しては、あの(超高い)ヨーロッパの後なので、至極安く感じるに違いない。移動の辛さはやや気がかりだが、これまでも過酷な旅をしてきたので、きっとやり過ごせるだろう。治安も、南米を経験した後だし、既に鍵をかける癖がついているぐらいだから、基本的には大丈夫だろう(ただし、ネパールではこのところ反政府組織・マオイストの活動が活発化しており、外務省からも警告が出ているので、気をつける必要がありそうだ)。

 このように、今回は地域を厳選しているので、かなり楽しみではあるが、不安も少なからずある(南米出発前の心境にやや近い)。かなりタフな旅になることは間違いないが、それでも、これまでの1年半の経験を生かして、集大成の旅にしたいと思っている。

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