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旅行記:ニュージーランド(世界自然旅)

19.氷河展望 (2003/2/9:曇時々晴

 隠れ良い街

 早朝、車の音で目を覚ますと、空は西海岸らしいどんよりとした曇り空に変わっていた。この日は移動日なのでとりたてて急ぐ必要はなく、結局10時前にホリデーパークを後にした。

 ホリデーパークからは中心街まで1kmほど歩くが、街並みがとても綺麗だ。車道と歩道の間には十分な芝生のスペースが設けられ、そこに品のある家々が立ち並んでいる。『地球の歩き方』には紹介されていないし、ほとんどの観光客も宝石店を少し覗くだけで通り過ぎてしまうが、とても居心地の良さそうな街である。

  おまけに人も良かった。ビジターセンターでフランツ・ジョセフ氷河村までのバスを予約したが、荷物を(こちらが頼んでもいないのに)快く預かってくれるし、街のベーカリーに立ち寄ると、私を日本人と見るや、知っている日本語で話しかけてきたりする。街のすぐ近くはタスマン海なので、潮騒を聞きながらボーッとするのにも好都合だ。こうして昼過ぎまでのんびりと過ごし、午後の便で氷河村に向かった。

 夕方、フランツ・ジョセフ氷河村にたどり着くと、観光客がカフェや商店に溢れ、街は昨年より華やいでいる感じであった。この日はYHAに宿泊できたが、翌日はもう満室だというし、辺りを見回しても"NO VACANCY"の表示ばかりだ。このままでは路頭に迷う可能性大だったので、翌日分は何とかGlow Worm Cottagesで確保し、さらに明後日の分をYHAで予約して、ひとまず3泊することにした。

 氷河末端へ

 明くる9日、予報は芳しくなかったが、朝起きてみると青空が広がっており、雪を戴く美しい山々が見えている。しかし、一方で西にはもう雲が迫っていた。これは早めの出発が良さそうなので、食事を終えたらさっそく氷河に向けて歩き始めた。

 街から氷河近くの駐車場までは、およそ4.5kmある。平坦な道を淡々と歩いていくが、車はあっさりとその横を通り過ぎていくのが口惜しい。そして1時間弱で駐車場に到着したが、既にかなりの数の車が停まっており、多くの観光客で賑わっていた。

  さて、まずは歩いて10分弱の展望台、センチネル・ロック(Sentinel Rock)に行ってみる。いきなりドイツ人の団体とすれ違い不安になるが、着いてみるとそれほど混雑していなかった。氷河も雲に隠れることなく見えており、まずまずの景色だ。しかし、ほどなくして中国人の団体が現れ、賑やかこの上ない状態になってしまった。嵐が過ぎ去るのを待って再びじっくり観賞し、また騒がしくなり始めたのを機にこの地を去った。

Franz Josef Glacier from Sentinel Rock
センチネル・ロックからの展望

 元の道に戻ると、今度は氷河末端に向けて歩き出す。しばらく森の中を歩くとワイホ川(Waiho River)の川原に出て、後は眼前に氷河を見ながら、ひたすら川原を歩く。石がゴロゴロしているので歩きやすいとは言い難いが、それでも結構多くの観光客が歩いていて驚きだ。

  そして氷河が近づくと、その全貌も徐々に明らかになり、迫力が増してくる。先の展望台からはわかりにくいが、フランツ・ジョセフ氷河は直線的に流れているので、その分クレバスも多いようだ。ところが、だいぶ末端に近づいたところで、まもなく立入禁止になってしまった。この先は危険な箇所があるため一般の通行を認めていないらしい…

  しかし、氷河ウォークの人たちは難なく通過しており、観光客2人も禁止区域に入っていったので、特に問題ないだろうと私も先に入ってみる。すると、まもなく岩場に取りつけられた梯子を昇るが、そこからの氷河の眺めは格別だ。末端部と氷河の中流域が迫り、少し進んだだけで迫力がかなり違う。ここから末端まではもう少しだが、別に末端を見たいわけではないので、この展望地でしばし景色を眺めて退散することにした。

View of Franz Josef Glacier
フランツ・ジョセフ氷河 (ほぼ) 全景

Terminal of Franz Josef Glacier
氷河末端付近より

 危険な展望地

 その後川原を戻り、駐車場を過ぎてしばらく進むと、右手に分岐が登場した。このまま街に戻る手もあったが、まだ昼過ぎなので、ここは氷河の展望台、ロバーツ・ポイント(Roberts Point)に赴くことにしよう。

  分岐からはダグラス・ウォーク(Douglas Walk)に入り、しばらくで吊り橋が現れるので、ここで対岸に渡る。すると、そこから往復4時間との表示が…あれっ? てっきり街から往復5時間だと思っていたのだが、どうやらダグラス・ウォークからが5時間で、街からは9時間かかるようだ。これで時間の余裕がなくなったうえ、雲も多くなり始めたので、多少巻き気味で歩くことにする。

  しかし、ここはそれほどきつい道ではないにせよ、石や岩を歩くところが多く、滑りやすくて危険だ。注意しながら進んでいくが、森の登りをこなしたかと思うと一転して下りになり、崖に取りつけられた木道を川原まで下る。するとまた登りになり、徐々に岩場も多くなってきた。しばらく歩くと小さな小屋が現れるが、その先には崖に作られた100段以上の階段があり、またひたすら下っていく。それを終えるとまた登り…てっきり楽なコースだと思って油断していただけに、思いのほかてこずってしまった。

 それでも最後の登りをこなし、1時間半近くかかってようやくロバーツ・ポイントに到達。目の前には大きなクレバスがあり、迫力の眺めであるが、それを遮るように森もあり、展望がイマイチ…おまけに雨も降り出してきた。

  仕方なくここでしばらく様子見となるが、よく見ると、立入禁止とある岩盤を下った辺りからの展望が良さそうだ。そこで他の人がベンチで休んでいるのを尻目に、滑らないよう慎重に下ってみると、危険な場所だが景色は断然良い。幸いにも雨も上がったので、氷河のクレバスが間近に迫った景色を十二分に堪能することができた。

View from Roberts Point
ロバーツ・ポイントより

Clevas at Franz Josef Glacier
険しいクレバス

 帰りは、ひとまず往路を戻っていく。滑りやすい岩場を注意深く下り、結局1時間半弱で再び吊り橋付近に帰着。そして、ここから元来た道を戻っても良かったが、せっかくなので車道とは対岸のカレリー・ワイホ・ウォーク(Callery Waiho Walk)を歩き、西海岸特有の苔むす原生林を楽しみながら、夕方には街に戻ったのであった。

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