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ニュージーランドの国旗

旅行記:ニュージーランド(世界自然旅)

18.ラグーンの大パノラマ (2003/2/7:晴

Mirror Tarn
ミラー湖

 沢休み

 久々にぐっすり眠って目覚めよく起きると、またしても晴天となっていた。アーサーズ・パスは天気が悪いと聞いていたが、これで4日連続の晴れ、まさに奇跡だ。

  今日は昨日より2時間ほど長い行程なので、8時過ぎには出発する。4人組は少し前に歩き始めていたが、10分も歩くとV字型の吊り橋にたどり着き、ここで追いついてしまった。吊り橋はとても不安定で苦戦しているようだったが、良く見たら難なく渡渉できそうだ。実際、4人のうち3人が渡渉を始めたので、私も吊り橋は使わずに渡渉し、ハミルトン・クリークを越えて北上を開始した。

  するとまもなく分岐があり、ミラー湖(Mirror Tarn)まで10分と書いてある。往復で20分なら行かずにはいられないと、ここで荷物を置いてサイド・トリップを敢行した。

  道はやや急なアップダウンであったが、荷物がないので楽にクリアし、10分弱でミラー湖に到着。名前の通り、鏡のように対岸の森とグレイ山系の山が逆さまに映っていて綺麗だ。しかも、誰もいないのが良い。ここでしばらく佇むが、あまりゆっくりしていくわけにもいかないので、ほどほどにして正規の道へと戻っていった。

 再び大荷物を背負って歩き始めると、10分ほどでハーパー川(Harper River)を渡る吊り橋が現れた。今度は大きなものなので難なく渡り、川沿いを緩やかに上流へ遡っていく。この辺りも綺麗な森歩きが主体だが、時折森が切れて展望が広がる。道もそれほど急ではなく、快適な道が続いている。ただし荷物の関係上、あまり長く持ち応えられるはずもないので、昨日もそうだったが、適当な時間で沢が現れたら休むことにした(沢での休憩は、冷たい水を顔や頭に浴びて、リフレッシュできるからだ)。

  ところが、吊り橋を渡って歩いていても、なぜか沢がなかなか現れない。だいぶ疲れてきたが、そろそろ現れるだろうと、だましだまし歩かされてしまう。結局1時間ほど歩いたところで、先ほどの4人組に追いついたと思ったら沢に到着。ここを渡渉して休憩とした(4人のうち1人が渡渉が苦手らしく、とても苦戦していた)。

 再び歩き始めると、ほどなくして4人を追い抜き、快適な森歩きを続けていく。するとまもなくウエスト・ハーパー・ハット(West Harper Hut)が現れるが、まだ休んで間もなかったため、ここは通過。予想よりも早いが、重さにも多少慣れたのか、これまでのところ順調に進んでいたので、その勢いのまま快調に歩いていく。

View of Gray Range
グレイ山系の展望

  いくつかのアップダウンをこなし、やがて急坂を下っていくと、川原沿いに出た。ここからはいくつもの支流が合流してルート・ファインディングが難しいところなので、マーカーに注意しながら慎重に歩いていかなければならない。

  そこで、まずは渡渉をこなしていくが、すぐにマーカーはなくなったので、川原沿いにあるケルンを頼りに進んでいく。何度も渡渉を繰り返しながら川原を歩くが、時々マーカーが現れたり、森に入ったり、また目印が見当たらなくなったりするので、少々不安を抱きながらのトレッキングとなる。やがて右手に白い十字マークと"FLOOD TRACK"と書かれた標識が現れたので、ここを右折。予備知識があれば問題ないが、これは少々わかりにくいうえ、この先の道がいったん狭くなるので、迷う人も多いだろう。先ほどの4人は大丈夫だろうか…

Harper River
ハーパー川沿いの景観

 パノラマ全開!

 この先は、いったん川原に出た後、森林帯に入っていく。ガケ崩れのような場所を越えながら、アップダウンをこなして小さなクリークを何度も渡る。そして、川幅がだいぶ狭まってきたと思ったら、1時間半ほどでラグーン・サドル・シェルター(Lagoon Saddle Shelter)が忽然と現れた。ここまで一度沢で休憩したものの、後30分はかかると思っていたので、思いのほか早い。しかも、この辺りのブナの森もなかなか味わいがある。もう10分ほど歩けばパノラマが開けるのはわかっていたが、天気は問題ないので、ここでまた休息を取ることにした(他に用もあったが)。

Forest near Lagoon Saddle
ラグーン・サドルの森

 シェルターから10分ほど登りをこなすと、樹林帯が終わりを迎えるようになった。最後の別れを惜しむように美しい森歩きを堪能すると、今度は一転して草原帯になり、一気に展望が開けてくる。ラグーン・サドル(Lagoon Saddle)の脇を抜けてさらに登れば、正面にはビーリー・スパー(Bealey Spur)、ワイマカリリ川(Waimakariri River)とドーム(Dome:1938m)、そしてアーサーズ・パス周辺のサザン・アルプスの山並みが一望のもとになった。眼下には車と列車が豆粒のように小さく見える。この大パノラマは想像以上で、とにかく素晴らしい。ここで1時間以上佇んで、周辺の景観を大いに楽しんだ。

Waimakariri River and Dome
ワイマカリリ川とドーム

View of Bealey Spur
ビーリー・スパー方面の展望 [→超拡大版]

Southern Alps near Arthur's Pass
サザン・アルプスの美しい景色

 結局1時間経っても誰も現れなかったが、もう十分に展望を堪能したので、ついに下山に取りかかった。

  ここから、しばらくはタソット帯を巻きながら、ほぼ平坦で快適な道を進むが、ところどころ泥濘があって苦戦する。だんだん諦めながら歩を進めると、1時間ほどで森林帯に入っていく。そして最後の展望を楽しんで森に入り、ジグザグに下り始めた。

  この下りが大変かと思っていたが、道は良く整備されており、傾斜も緩やかなので全く問題ない。森下りを40分ほどこなすと、ビーリー・ハット(Bealey Hut)が登場。ここまで来ればもう終わったも同然なので、ゆっくり休んで英気を養った。そしてさらに15分ほど歩いて国道にたどり着き、無事トラックを歩き通すことができた。

 幸か不幸か

 さて、トラック終点からアーサーズ・パスまではまだ15kmほどあるので、とても歩いて帰れるはずがない。そこで休憩もそこそこに、ヒッチハイクを試みることになる。さすがにいきなりつかまるはずもなく、何台も猛スピードで通過していく。世の中そう甘くないなと思ったら、10台目ぐらいで停車してくれ、快く乗せてくれるという。これでひとまず安心だ。

  乗せてくれたのは中年のおじさんだったが、日本から来たというと、いきなり「ワタシハセイブツノセンセイデス!」と言い出し、トレッキングの時には寿司と味噌汁を持っていくんだと話してくれた。なかなか良い人のようだ。

  この人はホキティカ(Hokitika)まで行くというので、駄目元でそこまで乗せてくれないかと頼んでみると、全く問題ないとの答え。これは正直ラッキーだった。ただでさえ現金が尽きかけていたうえ、アーサーズ・パスでは今晩空いている宿が皆無だったからだ。

 DOCで無事帰還の報告を終えると、一路ホキティカに向けて西へ走る。アーサーズ・パスの峠越えの景色も素晴らしく、かなり迫力ある景観が楽しめる。もっとも、2時間近いドライブともなれば、さすがに途中から会話がなくなってしまったが、ともかく7時頃には無事ホキティカに到着し、後は宿を確保すれば万々歳、のはずだった。

 ところが、金曜日の夜ということもあってか、電話しても周辺のホステルは既に一杯であった。『地球の歩き方』にはホキティカの情報が皆無なので、宿の情報すら入手できない。仕方なく周辺を散策してみるが、わかる範囲のモーテルやホテルも一杯だ。どうしよう…

  途方に暮れて、とりあえず軽食を食べていると"Holiday Park 1km"の標識を発見した。もはやこれに賭けるしかないと、とにかく歩いてみる。そしてテントが張れるか尋ねてみると、テントなら問題ないとの返事が。これでようやく寝床を確保できたので、テントの設営後、汚れた体を清めてすぐさま就寝したのであった。

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