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旅行記:ニュージーランド(世界自然旅)

17.カスの玉手箱 (2003/2/6:晴

 交通の確保

 今日からは1泊2日で、アーサーズ・パスの締めくくりとしてカス&ラグーン・サドル(Cass-Lagoon Saddle)を歩く。このコースは、正確にはアーサーズ・パス国立公園の南、グレイギーバーン森林公園(Craigieburn Forest Park)内になるが、アーサーズ・パス周辺としては評判の良いところのようなので、歩いてみることにしたのだ。

  しかし、このコースは車がないとアクセスできない。南ゲート・北ゲートとも国道沿いにあるものの、街から離れているので、交通機関が利用できないのである。タクシーを利用する手はあるが高すぎるので、DOCや宿ではヒッチハイクを薦めていた。が、いきなりヒッチはリスクが高い(そもそもゲートの場所も良くわからない)ので、行きはバスのドライバーと交渉し、帰りはヒッチハイクを試みることにした。

 バスは朝10時発があるので、その前に支度をして交渉に備える…が、それにしても荷物が重い。この先どうなるかわからないので、全ての荷物を背負っていくことにしたのだが、テントから寝袋、パソコン、水中撮影用キットまで、様々なアイテムを担ぐのは容易ではなく、背中に背負うのも一苦労だ。

  とりあえず宿を出て、バス停留所で待っていると、目的のバスは十時前に到着。そこでさっそくドライバーと交渉してみると、あっさりOKが出てしまった($10かかったが)。最悪の事態も想定していただけに、予想外にうまくいってちょっと拍子抜けの感があったが、ともかくこれで往路の交通は首尾よく確保できた。

 こうして、バスは10時にクライストチャーチに向けて出発(今日は天気が良いので、周辺の展望が素晴らしい)。そして20分ほど走ると、約26km先だった南ゲートにたどり着いたので、ここで降ろしてもらい、いよいよトレッキングのスタートとなった。

 過重積載

 ゲートを越えてしばらく進むと、まもなくカス川(Cass River)の川原沿いを上流に向けて歩くようになる。風が少々強かったが、だだっ広い川原を延々と遡上する。最初は左岸を歩いていたが、やがて岩に塞がれたので渡渉し、今度は右岸を遡っていく。石がゴロゴロして歩きにくい中、だんだんと川幅が狭まり、山が迫る風景を楽しみながら歩いていった。

  再び左岸に渡渉せざるを得なくなり、さらに進んで1時間ほど経つと、突然小さな滝が姿を現した。ここでようやくトラックのサインが現れホッとする(それまでは何もない)が、この先も狭まった渓谷を進み、2度の渡渉が必要となった。いい加減川原歩きも飽きてきた頃、歩き始めから1時間半ほどでようやく森に突入。これで一安心なので、しばし休憩することにした。

Cass River
カス川の景色

 川原からブナの森に入ると、アップダウンを繰り返しながら進むことになる。歩き始めから比較的平坦な道が続いたので、この辺りから荷物の重さが応えてきた。大した道ではないのだが、登りが現れるたびに非常に苦しい。とにかく必要以上に荷物が重く、足取りが捗らず何度も休憩を取らざるを得ない。気がつけばザックも、重さに耐えかねて一部壊れかけている…

  喘ぎながらアップダウンをこなしていくと、1時間あまりで再び川を渡る(『ニュージーランド・ハイキング案内』には「丸太の一本橋」とあるが、立派な橋が備え付けられていた)。ここでも休息し、さらに森の中を登っていくと、30分ほどで、物置のようなカス・サドル・ハット(Cass Saddle Hut)が現れた。このすぐ手前のクリークで昼食にしていたので、ここは素通りしていくが、ここから10分ほど歩くと突然視界が開け、森林帯からタソット帯に変わった。

  ここからは、右にブラック山系(Black Range)、左にグレイギーバーン山系(Craigieburn Range)、正面にはカス・サドル(Cass Saddle:1326m)を望むことができる。特にブラック山系の山が迫力ある山容を見せていて印象的だ(名前はない模様)。一方のグレイギーバーン山系は、まるでガケ崩れのような山が続いている。カス・サドルまでも、まだ距離はあるが急登ではないようなので、少し安心した。

Black Range
ブラック山系の山

  タソット帯を30分弱登ると、やがて向かいの展望が開け、カス・サドルに到達。これで今日の登りは終わりだと思うと、かなり気が楽になった。まだ2時間ほどの行程が残っていたが、この時点で3時過ぎ。十分にたどり着ける時間帯だったので、ここで大休止と相成った。

View from Cass Saddle
カス・サドルからの展望

 おとぎの森へ

 サドルからなぜかいったん少し登ると、一転して急下降が始まった。すると、ほどなくして森林帯に入るが、これが不思議なことにウグイス色に覆われた森になっている。木々にはサルオガセ(「おじいさんの口ひげ」と呼ばれる)が付着し、全体をウグイス色の森に仕立て上げているのだ。これまでにもこの種の森は見たことがあるが、これだけの規模のものは初めてである。

  おとぎの森の中、標高差300mを一気に下ると、1時間ほどでハミルトン・クリーク(Hamilton Creek)に出て、道も平坦になった。そして、しばらくは川沿いの、美しく快適なブナの森歩きが続く。この辺りからは(緑色の)苔が綺麗で、歩き疲れを忘れさせてくれる。時々現れるクリークがアクセントになり、とても心地の良い道だ。ミルフォードとは違うが、久しぶりに快適な森歩きを楽しむことができた。

Forest at Cass
サルオガセの森

Mosses at Cass
苔の森

  しばらく森を歩くと、いったん川原に出て、そこからは草原帯を行くようになる。正面にはグレイ山系(Gray Range)の雄大な山並みが鎮座し、草原帯の先には、高台の上にハミルトン・ハット(Hamilton Hut)がひっそりと佇んでいる。後は小屋を目指して淡々と歩き、6時半になってようやく到着した。

  小屋には既に中高年の4人組がいたが、定員20人の小屋でそれだけだ。しかも結構快適で、綺麗な造りである。なぜかサンドフライが多い(道中では気づかないほどだった)のが辛いところだが、景色も良くて、滞在するには良いところだ。しかし、4人組は8時過ぎには就寝してしまったので、それに合わせるように私も寝る支度をして、まだ明るいうちに眠りにつかざるを得なかった。

Gray Range
グレイ山系の山

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