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旅行記:ニュージーランド(世界自然旅)

9.天界への遡上 (2003/1/25:晴後曇

 どこへ行くか

 ウェリントンを23日昼過ぎに発ち、およそ3時間のフェリーで南島の玄関口、ピクトン(Picton)に向かう。ウェリントンでは快晴だったが、クック海峡(Cook Strait)を渡り、マルボロ・サウンズ(Marlborough Sounds)に入ると徐々に雲が立ち込め、重苦しい空気に包まれてしまった。結局この日はピクトンのWedgewood Houseに宿泊したが、問題は明日以降、どこへ行くかだ。

 もともとは、このままネルソン(Nelson)に向かってエイベル・タスマン国立公園(Abel Tasman National Park)で海岸線のトレッキングを行うつもりであった。しかし天気予報によると、この先はしばらく芳しくない。おまけにこれから週末を迎えるので、家族連れなどで賑わうのは必至だ。ずっと悪いようなら、いっそカイコウラ(Kaikoura)に逃げようかとも思ったが、曇時々晴程度で、それほど崩れるわけでもないらしい。

  ならば第3の選択肢として、ネルソン・レイクス国立公園(Nelson Lakes National Park)に向かうことにした。ここは『地球の歩き方』でもわずか1ページしか割かれていないが、山岳展望の素晴らしいトレッキング・コースがあるという。そこで翌朝、さっそく起点となるセント・アーナード(St Arnaud)までのバスと宿The Yellow Houseを確保し、昼過ぎにピクトンを後にした。

View at Picton
港町・ピクトン

  バスはブレイナム(Blenheim)経由で1時間半あまりかかった("EXPRESS"と銘打っておきながら車内にエアコンがない…)が、到着してみると、風が強いものの天気は悪くない。さっそくビジターセンターで情報収集を行うと、明日・明後日と天候が良いようだ。それに気を良くして早く寝るつもりだったが、インターネットに接続していたら結構な時間になってしまった。

 挫いても一歩一歩

 翌25日、他人の物音で起きると、雲が多いながらも晴れている。そこで身支度を整えて、9時過ぎに出発。まずは10分ほど歩いて、ロトイティ湖(Lake Rotoiti)畔のケリー・ベイ(Kerr Bay)にたどり着く。なにかアメリカのグレイシャー国立公園を思わせるような景観だ(まだ行ったことはないが、写真で見る限り)。

  しばしこの景色を眺めていると、カップルのうちの男性が、水上タクシーに乗らないかと話しかけてきた。確かに、これを使えば湖畔歩きの3時間分が短縮され、しかも人数が多いと割安になる。今日の行程は6~9時間とあったので、体力温存の意味でも重要だ。そこでその話に乗ることとし、サンドフライとのしばしの格闘の後、$20の水上走行で対岸に向かった。

Lake Rotoiti
ロトイティ湖

 対岸にはレイクヘッド・ハット(Lakehead Hut)とコールドウォーター・ハット(Coldwater Hut)があるが、タクシーはコールドウォーター・ハットの前に到着した。湖畔を歩いた場合、レイクヘッド側からトラバース川(Travers River)を渡渉しなければならなかったが、これも回避できたのは大きい(結構水量がある)。

  気分上々でさっそく歩き始めると、油断したのか、いきなり足を挫いてしまった。普段なら難なくリカバリーできるのに、重い荷物と不十分な準備運動がたたって、しばらく足が痛い…我慢しながら歩いていると徐々に慣れてくるが、それでも珍しくなかなか痛みが引かず、後悔しきりであった。

 コースは、1時間ほど川沿いの平坦な道を歩き、やがて分岐に到着する。ここからさらにトラバース川沿いに歩けば、トラバース-サビン・サーキット(Travers-Sabine Circuit)という3~4泊の本格的なトレッキングになるが、私は右折してアンジェラス湖(Lake Angelus)に向かう。ここは岩稜帯と湖の美しさで知られ、一帯で最大規模のハットも設置されている。特にコース名はないのだが、ここを訪れるためだけに来る人も結構多いらしく、この周辺とロバート・リッジ(Robert Ridge)と呼ばれる稜線歩きが特に素晴らしいと聞いていたのだ。

  そこで、まずはカスケード・トラック(Cascade Track)を進む。しばらくは森林歩きで、滝状に流れるフケレ沢(Hukere Stream)に沿って緩やかに登っていく。が、久々に重い荷物を背負っているので、なかなか辛い…分岐からは4~5時間と書いてあるだけだったので、とりあえず1時間歩いたら休憩することとし、急がず一歩一歩登っていった。

 岩壁の先に

  挫いた足の痛みが引いていく中、1時間あまり歩くと突然視界が開け、目の前の岩壁、そして周辺の岩稜が露わになった。曇ってきてはいるものの、なかなかの迫力だ。正面には沢が滝となって流れ落ちているが、その先にはアンジェラス湖がある。あの岩壁を遡上していくのかと思うと気が重かったが、ともかくここで昼食とし、辺りの景色を堪能した。

Rock wall at Angelus
アンジェラス湖手前の岩壁

 さらに1時間ほど緩やかに歩くと、やがてあの岩壁が目前に迫り、いよいよ急登となった。急斜面の岩稜帯なので足元が滑りやすく、結構体力を消耗する。しばらく歩いて滝の前で休憩、さらに登って休憩と、休み休みの登りとなってしまった。

  それからも、谷越しのアンジェラス・ピーク(Angelus Peak:2075m)とサンセット・サドル(Sunset Saddle)の壮観な眺めに助けられながら、もうすぐ湖だと信じて、とにかく峠を目指してひたすら登っていく。そして、1時間ほどでようやく峠に到達、と思ったらその先はもうアンジェラス湖であった。意外にあっさりとした結末に拍子抜けしたが、ともかくこれで今日の行程は終了だ。

 完全に曇っていたせいもあって、天上の湖は想像していたほどでもないと思ったが、周辺を散策してみると、だんだんと味が出てくるのがわかる。これなら、きっと晴れると美しいだろう。明日こそ晴れてくれるに違いない…そんな期待を抱いて、賑やかなアンジェラス・ハット(Angelus Hut)内でいち早く就寝したのであった(それにしても、この周辺ではなぜかドイツ語が飛び交っていた。ドイツ語のガイドブックで紹介されているのだろうか?)。

Angelus Peak
アンジェラス・ピークとサンセット・サドル

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