検索 Google
五輪館
Back|Next
旅巧館旅行記アジア>ネパール・ヒマラヤ
ネパールの国旗

旅行記:ネパール・ヒマラヤ(世界自然旅)

73.谷の奥まで (2004/12/14:晴時々曇

 凍てつく道

 今日は谷奥のランシサ・カルカまで足を延ばす。本当はランシサ・カルカを起点に、さらに奥の方に分け入ったら良いのだろうが、今回はテントを持参していないので、日帰りするしかない。しかも往復8時間の長丁場なので、日の出とともに出発した。

 まずは川原に向けて下っていくが、チュビ・チュ(Chubi Chu)を渡ろうとしたところ、流れが完全に凍り付いていて、容易には越えられない。滑らないよう慎重に進むが、もう歩くにはギリギリの時期なのだと、改めて認識させられた。

Back view of Langtang Lirung
振り返ればランタン・リルン

 この難所を突破したら、淡々と歩いて飛行場跡を通過する。振り返ればランタン・リルンが朝陽に照らされて美しい。いったん川原に出て、岸に沿って歩いていくと、眼前にはランシサ・リ(Langshisa Ri:6427m)が姿を現した。谷から屹立し、迫力ある山容だ。ここから緩やかに登って、まもなくジャタン(Jatang)に到着した。

Langshisa Ri
せり上がるランシサ・リ

  ランシサ・リの奥には、巨大な氷河壁を持つペンタン・カルポ・リ(Pemthang Karpo Ri:6830m)が望めるようになり、ますます展望が良くなる。ここをランタン・コーラに沿って歩くと、やがてヌバマタン(Nubamathang)に達し、巨大な山塊がますます迫って見えてきた。前方にはサルバチュム氷河(Shalbachum Glacier)のモレーンがせり出し、行く手を遮るように横たわっている。

Langshisa Ri and Pemthang Karpo Ri
ランシサ・リとペンタン・カルポ・リ

  道はここを右に巻くようにして続いているのだが、この辺りは湿地帯になっていて、橋を渡るとまもなく、一面凍てつく状態で、道も完全に氷に覆われている…踏み跡すら見当たらないから、最近は誰も歩いていないのだろう。しかし、ここを越えねば、ランシサ・カルカに到達できない。

 奥地の山々

 仕方ないのでスケートのような気分で滑り歩き、どうにかこの難所もクリア。すると岩場の登りとなり、このモレーンを越えていくと、ついに前方の世界が解禁になった。正面にはランタン氷河が延び、聳え立つランシサ・リの奥には、ペンタン・カルポ・リ、トライアングル(Triangle)、そしてペンタン・リ(Pemthang Ri:6842m)と続いている。山向こうにはシシャパンマが鎮座していると思うと、随分と奥地まで来たものだと実感。ここは絶好の展望地なので、小休止して静かに眺めた。

Upper Langtang Valley
ランタン谷源流部を望む

 しばらくで強風に耐えられなくなったので、目の前のランシサ・カルカに下ってみる。ここは陽が当たって暖かく、風も弱くて気持ち良い。ここまで来ると、ランシサ・リは見上げる高さとなり、南のランシサ氷河(Langshisa Glacier)方面には、ウルキンマン(Urkinmang:6151m)とカンシュルム(Kanshurum:6078m)が顔を覗かせている。ここから足を延ばせば、さらにドルジェ・ラクパ(Dorje Lakpa:6986m)やレンポ・ガン(Lenpo Gang:6979m)も見えるらしいが、さすがにそこまでの時間はない。隠れた山々にも思いを馳せながら、しばらくのんびりと佇んだ。

Langshisa Kharka
ランシサ・カルカより

Lingshing Himal
ランシサ氷河方面

 こうしてランタン谷の源流部を堪能したところで、ゆっくりと帰途につく。陽が昇るとともに、凍り付いていた道も溶け始めていて、思ったより楽に歩けるようになった。時折振り返っては、ランシサ・リなどのパノラマを楽しみながら進むと、やがて谷が開けて、眼前にランタン・リルンとキャンジン・ゴンパが見えてくる。まだ昼過ぎだから、思いのほか早い帰着となった。

 下山開始

 これでもう、キャンジン・ゴンパでの用は済んだので、昼食を取り、身支度を整えたらさっそく下山を開始。すると、賭け事に熱中していた主人が引き留めにかかるが、正直、この宿にはこれ以上泊まりたくない。無下に断って、そのまま歩いていった。

 広い谷を見下ろしながら、緩やかに下っていくが、振り返ればガンチェンポが優美な姿をさらしている。思えばこのランタン・トレッキングも、当初は、アンナプルナとサガルマータの後では見劣りするかと心配したが、これがなかなか素晴らしいところであった。しかも、ただでさえ訪れる人が少ないのに、ちょうどオフ・シーズンに入ったところ。行き交うトレッカーは日に数人程度と、一人で歩くのが恐ろしいほど静かなトレッキングとなり、大満足だ。

Ganchenpo from Langtang
ガンチェンポを振り返る

  こうして粛々と谷間を下ると、ムンドゥまで来たところで、なぜか例の女主人が登場。どうやらキャンジン・ゴンパではなく、ここに住んでいるようで、お茶でも飲んでいけと言ってくるが、もうあまり関わり合いたくなかったのでお断り。そのままランタン村まで歩いたところで、日暮れを迎えた。

 夕方になって雲が上がってきて、すっかり霧に包まれてしまったが、とりあえず宿探しを始める。と、Hotel Tibetを通りかかったところで、宿代はタダで良いから泊まっていってくれと懇願された。混んでいるのでは、と尋ねると、今は法事で親戚が来ているが、まもなく退散するという。団体客がなかなか泊まってくれないので是非に、と言われてしまったので、ここはお情けで泊まってあげることにした。

Page Top
Copyright © gorinkan.org All Rights Reserved.