検索 Google
五輪館
Back|Next
旅巧館旅行記アジア>ネパール・ヒマラヤ
ネパールの国旗

旅行記:ネパール・ヒマラヤ(世界自然旅)

69.最後のトレッキング (2004/12/9:曇後晴

 近くて遠いランタン

 ランタンはカトマンズの北東約60kmに位置し、イギリスの探検家・ティルマンが「世界で最も美しい谷のひとつ」と紹介したことで知られている。周辺にはチベット系のタマン族(Tamang)が住み、アプローチも容易で魅力的なエリアだが、意外にも訪れる人は少ないらしい。今回は12月なのでなおさら。最後に静かなトレッキングが楽しめそうだ。

 昨日、ドゥンチェ(Dhunche)までのバスを予約し、国立公園入域許可証も購入しておいたので、後顧の憂いはない。まずは早起きしてタクシーを捕まえ、ニュー・バスパーク(New Bus Park)には6時半前に到着。バスは7時発だったので、最初は人もまばらで心配したが、結局は超満員となって出発した。

 のろのろと北上し、カカニ(Kakani)まで来れば視界が開けて、ランタン山群(Langtang Himal)を遠望できるようになる。そして、ここから山腹道を走って、トリスリ・バザール(Trisuli Bazar)へと下っていった。

  しかし、実際にはそんな楽なものではない。車内はただでさえ混み合っている上、ところどころでチェック・ポストがあり、その都度客は降りて荷物チェックを受けている(車内にも軍人が乗り込んでくる)。どうやら外国人と女子供は免除されているようだが、それにしても時間がかかって仕方がない…

  トリスリでは昼食休憩になったが、荷物を置き去りにするのは怖いので、私は車内でパンなどを食べてやり過ごす。そして、この先のベトラワティ(Betrawati)からは本格的な山道になって、距離の割になかなか進まない。結局、ドゥンチェに着く頃には真っ暗になってしまったが、まだ国立公園事務所は開いていて、無事登録を済ますことができた。

  こうして10時間かけてドゥンチェにたどり着くと、今度は客引きたちに取り囲まれてしまった。他に客がいないので仕方ないが、押し合い圧し合いのボロバスに揺られ、途中7ヵ所ものチェック・ポストを通過した後では、まともに交渉する気力がない…とりあえず適当にかわして、今夜は隣りのHotel Langtang Viewに泊まった。

 ひたすら急登

 そして、翌9日より歩き始める。本当は、この先のシャブルベンシ(Syabrubensi)から直接ランタン谷に入ろうと思っていたが、サガルマータを予想以上に早く抜けてきたので、ゴサインクンド(Gosainkund)に寄り道してからランタンに向かうことにしたのだ。今日も朝から晴天に恵まれ、幸先の良いスタートである。

 街外れのカーブで右折し、谷奥に導かれていくと、突然獰猛な番犬が立ちはだかり、行く手を遮られてしまった。しばし睨み合いが続いたが、まもなく家の人が出てきたので一件落着。ここを通過させてもらって、段々畑の間を横断していった。

  ほどなくしてトリスリ・コーラ(Trisuli Khola)の川原に出ると、今度は道に水があふれていたが、飛び石伝いに渡ってクリア(ただし、右足は一度水没…)。木橋を渡って対岸に出ると、ほどなくして急登が始まった。

 ここからシン・ゴンパ(Shin Gompa)までは標高差1300m以上あるので、つづら折の道で一気に高度を稼いでいく。森の中をひたすら進むと、やがて小屋が建つ平坦地に到達。ここで小休止したら、なおも尾根道を登り続け、ディムサ(Dimsa)を越えてさらに上へ。いつの間にか霧に覆われていたが、しばらくで開けた山腹に出て、シン・ゴンパの集落が現れた。

  なかなか手強い登りだったが、それでも昼前に登りつくことができ、ここで昼食を取る。周囲は霧で何も見えず、人の気配もなくて薄気味悪かったが、この先もこのままでは、頑張って登ってきた甲斐がない。なんとか霧が晴れてくれることを祈って、午後のスタートを切った。

 雲上に出て

 シン・ゴンパからは尾根に沿うようにして緩やかに登るが、相変わらず霧に包まれている上、背の高い樹林の中を進むので、展望は全く望めない。ところが、眼前にチャランパティ(Chalang Pati)が見えてくると、突然霧が晴れて、左手に美しい氷河峰が見えてきた。あれはランタン II 峰(Langtang II:6571m)とランタン・リルン(Langtang Lirung:7225m)だ。いつの間にか雲上に出て、雲海ともども素晴らしい展望である。これは歩いてきた甲斐があった。

Langtang Himal with sea of clouds
ランタン II 峰とランタン・リルンが現れた

 この眺めを満喫してチャランパティに着くと、宿の男が現れて、「この先の宿は開いてないぞ」と言ってきた。予定ではこの後、展望が良いというラウルビナヤク(Laurebinayak)に泊まるつもりだが、こんな男の言うことは信じられない。もし当たっていたとしても、ここではなく、さらに歩いてゴザインクンドまで行けば問題ないので、ここは相手にせず通過した。

 ここからは森林限界を越え、眼下に雲海を見ながらの快適な登りとなる。登るにつれ、左手にランタン山群(Langtang Himal)、背後にはガネッシュ山群(Ganesh Himal)にマナスル山群(Manaslu Himal)があり、遠くアンナプルナをも望むことができる。何て贅沢な眺めだろう。

Ganesh Himal
ガネッシュ山群を望む

  すると、まもなくラウルビナヤクに到着するが、やはり宿は閉まっている。ここは通過せざるを得ないのか…と思ったら、すぐ先に人の気配があった。勇んで上がると、一軒のロッジのみ開いているではないか。当然、ここはこのHotel Mayaにお世話になり、後は夕方まで、雲海に浮かぶ山々を眺め尽くしたのであった。

Sunset Langtang Himal
夕焼けのランタン II 峰とランタン・リルン

Page Top
Copyright © gorinkan.org All Rights Reserved.