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旅行記:ネパール・ヒマラヤ(世界自然旅)

65.本当の頂きから (2004/12/1:曇後晴

 渦巻く雲

 興奮の夕映えから一夜明け、今日は朝から曇りがちの天候であった。これではカラパタールに登っても仕方ないが、もう1つのサイドトリップ、エベレスト・ベースキャンプ(Everest Base Camp)なら、どのみちチョモランマは望めない。多少天気が悪くても構わないと思っていたので、まずはこちらを歩いてみる。

 朝食を終えて歩き始めるが、やはりここに泊まっていた人はごく数人のようで、カラパタールに登る人は若干いる(朝登っても逆光なのに…)ものの、ベースキャンプに向かう人は見当たらない。小さな池の脇を抜け、モレーンを越えて氷河に降りていくが、周辺は土砂や岩石に覆われているので、あまり氷河上を歩いている感じではなかった。

 細かなアップダウンをこなしつつ進むと、次第に氷塔群が見えるようになってくる。左手にはプモ・リやリントレンが屹立し、右手にはウェスタン・クウム(Western Cwm)から流れるクーンブ・アイスフォール(Khumbu Icefall)が近づいてきた。それにしても、周囲にテントが見当たらないのはなぜだろう…

Khumbu Glacier
クーンブ氷河の氷塔群

  歩くにつれ、周囲の氷雪や岩壁が迫り、やがてウェスタン・クウムの全貌が露わになった。この辺りがベースキャンプのはずで、所々に遺物も見られるが、見渡す限り誰もいない。もうオフ・シーズンになり、登山者すらいなくなってしまったようである。

  石の上に座り、しばらくのんびり過ごしていると、まもなく雲が流れて、急速に天候が回復してきた。これは良い兆候だ、と思って見守るが、なぜかチョモランマ手前の雲は一向に取れず、激しく渦を巻いたまま。これはしばらく退きそうにないので、ベースキャンプからは撤退せざるを得ないが、この様子なら、またカラパタールから絶景が望めそうだ。

Khumbu Icefall
ベース・キャンプより

 さすがの大展望

 淡々と帰途につき、1時間あまりでゴラクシェプに戻ると、ちょうど昼時だったので昼食を取る。ここからのヌプツェの眺めもまずまずで、陽も当たるようになって良い感じだ。ここで英気を養ったら、昨日に続いてカラパタールに向かおう。

Nuptse from Gorak Shep
ヌプツェ (ゴラクシェプより)

 昨日は稜線に沿って登り、山腹の道を下ったが、山腹の先に本当のピークがあるとわかったので、今日は山腹のルートを直登する。登るにつれて、チョモランマが再び姿を見せてくれるが、雲は相変わらず渦を巻き、容易に退きそうにない。困ったものだ。

 稜線まで登ると、タルチョはためく向こうにチャングリ氷河が望めるようになる。風は大変強く、油断していると飛ばされそうだが、目指す山頂はもう少し。岩場をこなして上がれば、いよいよチョモランマとクーンブ氷河が露わになってきた。プモ・リはもう目の前で、振り返ればチョラツェやタウチェ、アマダブラムまで遠望することができる。標高5500mを越えるだけあって、さすがの大展望である。

Changri from Kala Pattar
チャングリを望む

Pumo Ri from Kala Pattar
プモ・リが迫る

  こうして、今度こそカラパタールの頂きに立ったが、頂上は非常に狭い上に暴風が吹いていて、とても長居できる状態ではない。とりあえず石積みのピークにタッチしたら、少し下って風の弱いところに居を構え、雲が消えるのを待った。

  ここからの景色はあまりに有名で、写真では何度も見ていたが、実際に見ると、想像以上に山が大きくて驚かされる。チョモランマも、写真で見ると小さく感じるが、なかなかどうして、実際には非常に大きい。そのため、持っている広角レンズではヌプツェからクーンブツェまででも一杯で、とてもこの全景は収めようがない。やはり神々の座は侮れなかった。

 思い残すことはない

 そうこうするうちに午後3時を周り、徐々に陽が傾きかけてきたが、それに伴って、雲の方も徐々に縮小傾向にあった。風は相変わらず強く、だんだんと寒さが体に応えてくるが、もう少しだと思って辛抱。そして、4時過ぎになってほぼ消失してくれたので、待った甲斐があったとばかりに、この光景を写真に収めた。

Kala Pattar
チョモランマを望む一大展望!

Khumbu Glacier from Kala Pattar
クーンブ氷河下流域を望む

 すると、下から大グループが上がってくるのが見えた。歩みは非常に遅く、まだだいぶ時間がかかりそう(きっと夕焼け目当てだろうが、下手したら見逃してしまいそう)だが、夕焼けは昨日十分堪能したし、もう寒さで限界に達していたので、喧騒に巻き込まれる前に帰途についた。

  下りはさすがに楽なもので、他の人たちが喘ぎながら登る中、すいすいと駆け下りていく。実は昨日、日暮れを見届けた後、帰路は暗くなって怖い思いをした(グラクシェプに下る頃には真っ暗になっていた)が、今回はそんな心配もいらない。陽が落ちる前にゴラクシェプに下り、余裕で今日の歩きを終えることができた。

 そして、夕暮れの時間を迎えると、ヌプツェが染まり出したので、宿の窓から拝まさせていただく。思えばこの2日、ゴラクシェプに来てからは天候に恵まれ、夕映えのチョモランマを始めとした絶景を眺めことができた。これでもう、思い残すことはない。明日からは下山に取りかかろう。

Sunset Nuptse
ヌプツェの夕景

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