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旅行記:ネパール・ヒマラヤ(世界自然旅)

56.アンナプルナの聖域 (2004/11/16:晴時々曇

 内院はもう間近

 今日はついに内院に進むが、ここマチャプチャレB.C.も夜討ち朝駆けが得意なようで、5時頃から出かける音が聞こえてくる。それにつられて起床すると、周囲は霧に覆われていて何も見えない。くそっ、今日もダメか…と思ったら、しばらくして急に雲が流れて、モルゲンロートのアンナプルナ・サウスが姿を現した。おぉ、何という幸運!

Annapurna South in the morning
アンナプルナ・サウスに朝陽が差す

  これはこれで貴重な機会なので、ガイドを先にアンナプルナB.C.に派遣(宿の確保のため)し、私は裏山に登ってこの絶景を眺める。自分がもう、内院の入口にいるのだと実感するとともに、昨日無理してここまで歩いてきた甲斐があったとしみじみ思う。当然ながら高山病の症状はなく、快調そのもの。手早く朝食を済ませたら、意気揚々と出陣した。

 ここからは視界の開けた緩やかな道が続くが、ところどころ凍っているので、多少慎重に進んでいく。既に人が出払った後だったので、誰もいない中を歩くが、前方にはアンナプルナ・サウスが仰ぎ見られ、振り返ればマチャプチャレが大きく立ちはだかっている。ここはもう、神々の住まう世界だ。

The way to Annapurna B.C.
アンナプルナ・サウスを正面に登る

Macchapucchare in the morning
振り返ればマチャプチャレ

 しばらく登ると陽が当たるようになり、徐々に下山してくる人も現れた。やがてアンナプルナB.C.の建物が見えると、眼前のアンナプルナ・サウスはますます大きくなり、右手には南アンナプルナ氷河(South Annapurna Glacier)のモレーン越しに、バラハ・シカール(Baraha Shikhar:7647m)とアンナプルナ I 峰が姿を見せ始め、一大展望が広がっている。いよいよ、念願の内院入りだ。

 聖域の見応え

 最後の階段を登ってB.C.にたどり着くと、ガイドが現れ、Hotel Paradise Gardenに部屋を確保できたと報告してきた。これで一安心だが、何はともあれこの展望を楽しもうと、さっそくモレーンの上まで移動し、氷河越しの展望を満喫する。眼前のアンナプルナ・サウスからバラハ・シカール、そしてアンナプルナ I 峰と、まるで屏風のように広がっており、山が近過ぎて写真に収めるのがやっとだ。さすがはアンナプルナの聖域、見応えが違う!

Annapurna Sanctuary
アンナプルナ・サウス (左) とアンナプルナ I 峰 (右)

 陽が昇るにつれ、逆光のマチャプチャレからガンダルバ・チュリ(Gandharba Chuli:6248m)、アンナプルナ III 峰(Annapurna III:7555m)にかけても絵になる眺めとなり、実に素晴らしい山岳展望だ。正直、プーンヒルでは大感動とまではいかなかったが、ここはもう興奮も最高潮。絶好の天気にも恵まれ、この上ない喜びに浸った。

View of Macchapucchare
マチャプチャレ方面を望む

 ちょうど他の人たちが撤収した後だったので、1人のんびりと佇み、この絶景を飽きずに見て過ごす。しかし、1時間あまり経つとようやく後続が現れ始め、急に賑やかになったうえ、記念撮影などを強制される羽目となった。これは心外なので、宿に戻って昼食を取り(でも非常に高いので、軽食で済ます)、ほとぼりが冷めるのを待つ。

  ところが、まもなく下界から雲が流れてきて、あっという間に霧の中に入ってしまった。たとえ聖域であっても、昼頃からは雲が出てしまうようで、これに伴って刺客たちは次々に下山していく。中には雲に覆われてから到着した人もいて気の毒だが、しばらく退きそうにないので、ここは部屋にこもって休憩を取ることにした。

 雲と夕焼けのせめぎ合い

 やがて夕方が迫り、香港からのツアー客が大挙押し寄せてくると、周囲はたちまち大賑わいになった。外は相変わらず霧がかかって寒いが、良く見ると雲は薄くなっており、時々周囲の様子が垣間見えるまでになっている。この調子なら、マチャプチャレ方面の夕景が望めるかもしれない…せっかくここまで来たので、さらなる絶景を拝もうと、展望地に向かうことにした。

 既にヒウンチュリ方面の斜面に踏み跡を確認していたので、そちらに向かって歩き始める。道はすぐにガレ場の急登となり、不安定で危なっかしいが、ここは我慢して登っていく。気がつけば雲の上に出て、マチャプチャレやアンナプルナ III 峰が見えるようになるが、油断すると雲がまた攻め込んできて、霧の中に覆われてしまう。少しでも確率を高めるため、さらなる高見を目指した。

 そして、小さなタルチョを過ぎてさらに登り、岩場も乗り越えて、見晴らしの良い崖に出たところで腰を下ろし、日の入りを待つ。雲は一進一退を続けており、マチャプチャレB.C.まで退いたかと思えば、一気に聖域を覆いつくし、何も見えなくなる。果たして夕焼けの時点で雲が退いてくれるか微妙だが、とにかく運に任せるしかない。

  そうこうするうちに、日の入りの時間を迎え、マチャプチャレなどが赤らみ始めた。雲は相変わらずせめぎ合いを繰り返しているが、幸いにもこの展望地までは届かず、しかも周囲には誰もいないので、心ゆくまでこの夕景を楽しむことができた。陽が落ちてからの下りは少々怖かったが、それも何とかこなしてB.C.に降り立ち、ハイライトの1日を気持ち良く終えたのであった。

Macchapucchare from Annapurna Sanctuary
アンナプルナ III 峰 (左) とマチャプチャレ (右) の夕景

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