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旅行記:ネパール・ヒマラヤ(世界自然旅)

54.なぜ急ぐのか (2004/11/14:晴後曇

 早朝のプーンヒル

 プーンヒルはアンナプルナ有数の見所だけあって、5時前から歩き始める音が聞こえてくる。我々は5時半過ぎの出発を予定していたが、その後も続々と、どこに隠れていたのかと思うほど大勢の人が登っていく。まだ暗闇だというのに…

  そして、こちらが出発する頃にはもう、誰もいなくなっていた。ようやく薄明るくなり始めたところだが、まだ足下が良く見えない…ランプを頼りに、凍りついた道を登っていくと、頭上には光の列ができている。やがて先を行く人たちに追いつくようになり、構わず追い抜いていくと、30分ほどであっさり登頂してしまった。まだ日の出まで30分近くあるが、とりあえずは一安心。混み合う中、良いビューポイントを求めて彷徨った。

  この頃にはもう、周囲の様子がわかるほど明るくなっており、東にアンナプルナ山群(Annapurna Himal)、西にダウラギリ山群(Dhaulagiri Himal)が良く見える。幸い、周囲に雲はかかっていないが、下からでは木々が邪魔なため、やむなく展望塔の中段まで上がり、そこに三脚をセットして日の出に備えた(人が通る度に揺れるが…)。

 こうして6時半、まずアンナプルナの後方より太陽が昇り、アンナプルナ・サウスとアンナプルナ I 峰(Annapurna I:8091m)に光が当たり始めた(マチャプチャレはやや遠い)。逆光に近いとはいえ、なかなかに神々しい朝焼けだ。周囲の人たちも歓声をあげ、この光のショーに酔った。

Annapurna Himal from Poon Hill
朝焼けのアンナプルナ山群 (プーンヒルより)

 続いてダウラギリ I 峰(Dhaulagiri I:8167m)にも陽が差し始め、山群に降りてくるが、ここで他の人たちは次々と下山していくではないか。ガイドも「もう下りるぞ」と言うが、世界7位の高峰をそんな邪険に扱っていいのか? 私はどうしてもダウラギリ山群も見届けたかったので、無理を言って待ってもらい、何とか写真に収めることが出来た。気がつけばもう誰もいなくなり、ガイドもそそくさと下ってしまったが、せっかくの見所なのに、なぜそこまで急ぐのか理解できなかった。

Dhaulagiri Himal from Poon Hill
ダウラギリ山群 (プーンヒルより)

 急ぎ足で置き去り

 仕方ないので駆けるように下ると、途中でガイドや大勢の人たちに追いつき(道はまだ凍っているので、慣れない人は非常に遅い)、結局は早めに下りて朝食を頼むことができた。ガイドが言うには、今日はかなりの長丁場で、目指すチョムロン(Chomrong)までは9時間もかかるらしい。だとすると、今から発っても日暮れに間に合うかどうかだ。これは急がなければ!

Dhaulagiri from Ghorepani
ダウラギリ I 峰とトゥクチェ・ピーク (ゴレパニより)

  ということで、朝食を終えたらさっさと歩き始める。峠から東に進路を取り、森を抜け、尾根を急ぎ足で登っていくと、前方の人たちを一気に抜き去り、ガイドも置き去りにして、気がつけば誰もいなくなっていた。早くも雲がかかってきて嫌な感じだが、とにかく急がねばならないので、その先も急ぎ足で下り、まもなくデオラリ(Deorali)に到着。あまり先に行き過ぎるのもなんなので、ここでガイドを待つことにした。

 すると、20分ほど経ってようやくガイドが現れ、「こんなに早く歩くとは思わなかった…」と脱帽気味だ。時間は大丈夫かと尋ねると、このペースなら6時間もかからないという。それを聞いて一安心。少し休んだら、後続が来る前に歩き始めた。

Fog jungle
霧がかる森

 ここからは急な下りが続く。バンタンティの手前からは、逆方向から登ってくる人が多くなるが、皆かなり辛そうな顔をしている(本当に辛いのは、この先の登りなのだが)。なおもジャングルのような森を急下降し、ブルンディ・コーラを渡ると、今度は一転して山腹を急登するようになった。ここに橋を架けてくれれば楽なのに…と思いつつ、またもガイドを置いて登っていくと、昼前にタダパニ(Tadapani)に到達。交通の要衝のはずなのに、あまりに静かで驚いたが、ここで昼食となった。

 マオイストの仕業

 食事を終えて歩き始めると、まもなくガイドと知り合いの女性が現れた。私が日本人とわかるやいなや、彼女は何かのメモを持ってきて、いきなり大声で「ワタシハ、カレシガホシ~イ!」などと叫び出した。誰が教えたのか知らない(そもそも、意味がわかっているかも不明だ)が、これは苦笑するしかない。彼女の幸せを祈って、そのまま森の中へ消えていった。

 この先も下り続きで、特にチウレ(Chiule)の集落を過ぎてからは、眼下のキュムヌ・コーラ(Khumnu Khola)に向けての急下降となる。曇っているのが残念だが、ここは段々畑の風景を見ながら惰性でやり過ごす。橋を渡ると、ここからはジリジリとした登りだ。気がつけばガイドは橋のたもとで話をしているが、とりあえずはそのまま登り、グルン(Ghurjung)の集落を抜けたところで待った。

Khumnu Khola
キュムヌ・コーラを見下ろす

 しばらくしてガイドが現れて言うには、ちょうどカトマンズに帰る予定の日に、マオイストがバンダ(ゼネスト)を予定しているので、1日早く切り上げる必要があるとのこと。まだ確定情報ではないが、恐れていた事態が早くも現実になりそうだ。

  この先、道は急に荒れた急登となり、一気に山腹を上がっていく。明らかにおかしな造りだが、これはこの後、下ってみて良くわかった。途中で大規模ながけ崩れが発生してしまい、そこを避けるように急造の道が作られているのだ。事件は昨年春に起こったそうで、幸い怪我人等は出なかったらしいが、恐ろしいことである。

  ガンドルン(Ghandruk)からの道が合流すると、この先は緩やかになり、段々畑の眺めを楽しみながら歩いていく。そして、そのまま歩を進めて、無事日暮れ前にチョムロンに到着。手前にあるHimalaya View Guest Houseに宿を取り、久々にシャワーも浴びてリフレッシュすることができた。

Rice terrace at Chomrong
チョムロンの段々畑

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