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旅行記:イギリス&アイルランド(世界自然旅)

4.山上は厳しい (2004/4/20:曇時々雨

 天気が優れぬ中…

 2日目の朝、起きてみると何だか怪しい雲に覆われていて、今にも泣き出しそうな空であった。案の定、朝食を終えて出かける準備をしていると、サーッと雨が降り出してきた。ひとまず部屋で待機するが、同室のおじさん曰く「これから午後にかけて回復し、晴れてくるよ」とのこと(確かに天気予報ではそう言っていた)。しばらくすると彼は出かけたが、私はもう少し待ち、雨が止んだところで出発することにした。

 今日はアンブルサイドの北にあるフェアフィールド山(Fairfield)に登る周回コースを歩く。と言っても標高はたかだか873m、高尾山を少々高くした程度である。まずは昨日同様ライダルに向けて歩き出すが、途中の川を渡ったところで川沿いの道に入り、牧場を眺めながら歩いていく。この時期、羊たちは子育てに忙しく、かわいらしい子羊をたくさん見ることができるが、何とも愛らしい姿だ。

Sheep at Ambleside
羊たちが遊ぶ

Child sheep
羊の子供

 ライダルからは北上し、やや急な登りとなる。見上げると、こんな天候にもかかわらず、少なくとも10人以上が上をゆくのが見える(このコースは、地元では結構有名らしい)。見ればほとんどイギリス人の中高年のようだが、彼らのペースが遅いので、あっという間にその大半に追いついてしまった。そこでペースを落とし、振り返りながら歩くが、後方にはアンブルサイドの街並みとウィンダミア湖が見下ろせ、なかなかの景色である。が、ここで再び雨が降り出し、瞬く間に本降りとなってしまった。慌てて雨具を着るが、雲は低く立ち込め、フェアフィールド山はもちろん、そこまでの稜線や谷もすっかり霧に覆われてしまった。我慢して登っていくが、一向に天気が回復する気配はない…

Looking back at Ambleside
振り返ればアンブルサイドとウィンダミア湖

 凍えるような寒さ

 やがて急登にあえいで、前方の集団がばらけ始めた。先ゆく人たちが遅い人たちを待つようになったので、ここですかさずゴボウ抜きし、一気に集団から抜け出す。最初の急登を終えた頃から雨が弱まってきたが、この先の道は霧に覆われていて、どこまで続いているかわからないほどだ。再び登りとなり、ついに霧の中に突入!と言っても、霧は晴れたり曇ったりを繰り返しているので、何とも不安定な状態である。最初のピーク、ヘロン・パイク(Heron Pike:612m)に到着するも、景色はいまいちパッとしない。しかも、こんなところにまで石積みの塀ができている。いったいいつ作ったのだろう。

Wall at Heron Pike
山頂にも塀

 それからも尾根に沿って登っていくのだが、景色はやや平凡で、道は単調。目立った変化もなく、あまり面白くない。右手の谷を、時々霧が晴れて見渡せるのがせめてもの救いか。とにかく、ここは黙々と歩いていった。

 2つ目のピーク、グレート・リグ(Great Rigg:766m)を過ぎたあたりから雲が少しずつ上昇し始め、辺りの様子が眺められるようになってきた。だがそれでも、大した景色が広がるわけではない。春先のせいかもしれないが、見渡す山々に特徴はなく、しかも草が単調に生えているぐらいなので、面白味がないのだ。しかも、標高を上げるにつれて風が強くなり、寒さが急激に増してきた。驚くべきことに、前方に見えてきた山々には雪が残っている。標高は1000mを超えていないというのに、何ということだろう。イギリスの山を甘く見ていたと、反省せざるを得なかった。

 山頂に到着すると、ここにも雪が残っていて、ものすごく寒い。ここは北側が崖になっているのだが、そんなことよりも、凍てつく強風が吹きつけて、居ても立ってもいられない。そこで石積みの風除けに避難し、軽い昼食を取るが、あまりに寒くて味わうどころではない…他の人たちも来始めて、長居は無理と判断。そそくさと下山に取りかかることにした。

Fairfield view
フェアフィールド山頂より

 長い下り

 下り始めても、しばらくは風が強くて飛ばされそうなほどであった。一度登り返し、前方の視界が開けると、反対側から多数の若者が歩いてくるのが見える(林間学校だろうか?)。ギザギザの岩稜を下っていくと、その先からは石積みの塀に沿って歩くようになった。先ほどの若者たちとすれ違い、さらに下っていくと、この先も、延々と塀に沿って下っていくのが見える。かなり長そうだ。しかも、時折ぬかるんだ箇所が出てきて苦労させられる。結構急なところもあって、予想以上に険しい道である。こんなところで怪我をするのも何なので、ゆっくりと下ることにした。

Wall on the ridge
塀に沿った下りが延々続く

Fairfield valley
この両尾根を歩く

 稜線は相変わらず寒いものの、標高を落とすにつれて、徐々に体感温度も回復してきた。そして、ここにきてようやく晴れ間が覗くようになり、日が差せば暖かい。前方のアンブルサイドとウィンダミア湖の景観も抜群で、気持ちの良い下り道になってきた。しかし、油断は禁物。ところどころ険しい箇所があるうえ、下るほど道が不明瞭になり、道に迷いやすくなる。私は、基本的に尾根筋に歩くものだと信じて歩いたので迷うことはなかったが、それでも1箇所だけ、とんでもなく急な所に出てしまった。今回は地図を買わずに歩いたが、この辺りの道は標識が少なく、わかりにくいので注意が必要だと痛感した。

Ambleside overlook
アンブルサイドとウィンダミア湖を望む

 展望地で休息を取った後、少し下ると牧場に出たので、それからは羊さんの様子を拝見しながらのんびりと下っていく。やがて、無事にアンブルサイドの街に到着。下まで来ると、山上の寒さが嘘のように穏やかで、そして賑やかである。ここから宿まで、雨が降ったり止んだりと不安定であったが、山の上の厳しさを味わってしまえば恐れるには及ばない。遅めのスタートだったにもかかわらず、16kmの道のりでも、こうして夕方前には戻ることができたのであった。

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