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エジプトの国旗

旅行記:エジプト(世界自然旅)

11.フルーカは風まかせ (2005/2/7-9:晴

 風を感じて?

 ナイル川で昔から使われてきたフルーカ。これはエンジンなどの動力を使わず、風を利用して航行する船である。今日から4日間は、このフルーカで川下りをし、ルクソールに戻る(ただしフルーカで行くのは途中まで)。これまで慌しい日々が続いていたので、久々に優雅な時を過ごせそうだ。

 朝食を済ませたら、10時過ぎにホテルを出て岸辺に向かう。いくつものフルーカが停泊していたが、お目当ての船はすぐに見つかった。船上には2人のヌビア人(Nubian)がいて、彼らが船の航行や食事の支度をしてくれるらしい。甲板部分にはマットレスが敷き詰められており、横になると実に気持ちが良い。荷物を下に収納したら、いよいよ出発となった。

On Felucca
船上の様子

 航行の許可を得るのに時間を要したものの、11時過ぎにはスタート。向かい風のためジグザグに進むが、騒音もなく滑るように進むので快適である。ただ、まもなく風が強くなって、太陽が当たらないと寒い(帆が影になる)…薄着では耐え難いものがあった。

 しばらくのんびり進んでいくと、前方に大きな橋が現れた。どうやって通過するのか見ていると、橋の手前で帆を倒し、通り過ぎると再び立て直していく。なるほど、と感心したが、街から離れるにつれて風はさらに強まってきた。と、ここで昼食の時間となり、いったん岸につけてエジプト名物のコシャリをほおばった。

Feluccas at bridge
橋をくぐる

 フルーカの場合、船上で用を足すことは許されていない(ナイル川を汚すため)。それゆえ、もしトイレが必要になった時は、適当なところで岸につけ、どこぞの草むらで済ますことになる。トイレは近い方ではないので大丈夫と思っていたが、昼食を終えて再スタートを切った途端、お腹の調子がおかしくなってしまった。先ほどのコシャリが当たったのだろうか…

 しかし、さっき停まったばかりでまた岸につけるのも申し訳ない。しばらく我慢してみるが、すぐにもうどうにもならないと悟った。このままでは最悪の事態になりかねないので、やむなくツアー・リーダーに申告して岸につけてもらう。ところが、適当な場所がないのか、船はなかなか停まってくれない。寝ながら必死に耐えるが、もう我慢の限界に達しかけた…その時、ようやく岸辺に停まってくれた。慌てて上陸し、何とか難を逃れたが、実に危ないところであった。

 それからはひたすら下流に進んでいく。時々フルーカ同士が行き交い、その交流もまた面白い。そして夕暮れ前に何もないところで船を停め、本日の航行は終了。夜にはクルーズ船が何十隻と通過し、揺れと騒音に悩まされながらの就寝となった。

Feluccas
行き交うフルーカ

Felucca Sailer
フルーカの帆

 道半ばで

 翌日、朝食を終えたらさっそく岸を離れて航行再開し、静かな川面を滑っていく。今日は昨日よりも風が強く、特に朝のうちは寒かったので寝袋に包まってやり過ごす。1時間ほどで街が見え始め、大きな神殿と数多くのクルーズ船が見えてきた。ここがコム・オンボ(Kom Ombo)。我々の船も着岸し、この神殿に向かった。

 ちょうどクルーズ船の乗客が引き上げた後だったので、神殿内は我々のグループ以外は誰もおらず、実に静かだ。この神殿はホルス神とソベク神を祭っているため建物が2重構造になっているのが特徴。レリーフの保存状態もよく、見応えがあった。

Kom Ombo Temple
コム・オンボ神殿

Relief at Kom Ombo Temple
レリーフの保存状態も良い

 じっくりと鑑賞したら店で昼食を取り、船に戻っていく。相変わらず風が強い中を進んでいくが、あまりに逆風が強くて、なかなか進めない。川もまるで逆流しているかのようで、上流に向かう方がスムーズに動いている。まだ道半ばだというのに大丈夫だろうか…

 すると、ツアー・リーダーとクルーが何やら話し始め、まもなく岸につけた。先を進んでいたフルーカも、同様に進むのをやめている。ツアー・リーダー曰く、この先はさらに風が強くなるので、しばらく様子を見るとのこと。確かにこの風ではどうしようもないので、納得の中断であった。

 岸に上がって散歩したり、船上で本を読んだりして時を過ごすが、風は一向に弱まらず、全く見通しが立たない。仕方なく、風除けになる場所まで行こうと100mほど前進し、本日はそこで停泊することとなった(夜、枯れ木を集めて火を起こしてみたが、風が強すぎて暖まるどころではなかった)。

Stopping Felucca
停泊中

 そして3日目。風はだいぶ弱まったが、この調子ではエドフ(Edfu)まで行くのは不可能になってしまったので、午前中はのんびりと過ごし、午後になってコム・オンボ方面に引き返していく。予定通り行かなかったのは残念だが、フルーカはしょせん風まかせ。もう十分雰囲気は味わったので、誰も文句は言わなかった。

 コム・オンボの先で停泊し、翌朝、街に降り立ってこの船旅は終了。コンボイ先導のバス群が到着するのを待って、今度は一転陸路で北上したのであった。

Horus Temple
ホルス神殿

Statue of Horus
ホルス神像

 告白の時

 1時間ほどでエドフに到着。ここで観光客が目指すのはホルス神殿(Horus Temple)で、既に多くの人で賑わっていた。許された時間は1時間ほどなので、急いで中に入っていくが、ここは意外に立派な神殿である。まず36mもの高さがある塔門が聳え、それをくぐった先には有名なホルス神像、そして列柱室、前室、回廊など見所が盛りだくさん。時間をかけてじっくり見たいところだ(おそらくフルーカで着いていれば、もっと時間があっただろう)。

 なんとか駆け足で一通り見て回ると、再びコンボイに従って一斉にスタート。途中休憩はボッタクリの店だったので買い控え、2時間あまりでルクソールに戻ることができた。

 ホテルに着いたら、さっそくシャワーを浴びてリフレッシュ。その後、街中にあるSunshine Project Internationalという孤児院を訪問したら、夕食までは自由時間だったので、インターネット・カフェでEメールをチェックしたりして過ごした。

 そして夕食は、以前訪れた対岸のレストランで取る。今日はイスラム教の元旦にあたり、街も店も結構賑わっている。これでもう事実上ツアーも終わりなので、ツアー・リーダーも気が楽になったのか、店の人たちとの話に夢中だ。するとメンバーが「ところで"cin cin"はどういう意味なの?」と聞いてきた。新年早々そんなこと…

 しかし、私があまりに拒んでいたため察しがついたらしく、こういうことなの?YesNoで!と詰問されてしまった。「…Yes」当たっていたのでそう答えるしかなかったが、それに対する反応は案外冷静であった(ちなみに女性3人、男性1人)。しばらくしてツアー・リーダーが戻ってきたので、メンバーの女性が「彼らにあって、私たちにないもの」と説明すると、彼は噴き出して「バナナ」と言い出した。なんて品のない…

 こうして告白の時を終えると駅に向かい、夜行列車で一路カイロへと帰っていった(もともとは翌日の昼間の便で戻る予定だったが、メンバーの希望により変更)。

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