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エジプトの国旗

旅行記:エジプト(世界自然旅)

9.王家の夢の跡 (2005/2/5:晴

 王家の墓参り

 今日はルクソール西岸、王家の谷(Valley of the Kings)に向かう。混雑を避けるため5時に起床し、まだ暗いうちに川を渡って用意されたロバに乗る。ここから、このロバに乗っていくのだが、さすがに馬のように優雅にはいかず、乗り心地は決して良くない。しかし、慣れれば小気味良い振動が逆に面白くなってくるから不思議だ。思った以上に距離があり、後半は疲れたが、これはこれで良い経験であった。

Valley of the Kings
王家の谷

 王家の谷に着く頃にはさすがに明るくなっていたが、まだ観光客の姿は多くない。昨日のガイドと合流し、入口を通過すると、さっそくラメセス4世の墓に向かった。手前で中の解説を聞いて入っていくが、まだ他に人がいないので、静かにじっくり見ることができる。部分的に痛んでいる箇所も見られるが、壁にはエジプト人の世界観が描かれていて興味深い。王たちは来世に何を夢見ていたのだろう…奥には巨大な石棺もあり、なかなか見応えがあった。

 外に出ると徐々に観光客が増えて混み出していたが、続いてはラメセス9世の墓に入っていく。4世と比べると損傷が激しいように見受けられ、先客も多かったのでやや物足りない部分もあったが、まぁ仕方ないだろう。

 そして最後、3つ目はラメセス6世の墓に入る。こちらは先の2つよりも大規模で、保存状態も悪くない。かなり混み合ってはいたが、見所十分だ。ただ驚いたのは、かなりの人が隠し撮りをしていたこと。なかには見つかって捕まった人もいたが、いかがなものだろう。気持ちはわからないでもないが…

 こうしてしばしの休憩(この間に別料金でツタンカーメンの墓に入ることもできたが、大したことなさそうだったので止めた)を取ったら、今度は山を越えてハトシェプスト女王葬祭殿(Deir el Bahri / Temple of Hatshepsut)方面に抜ける。足場はややもろいが、個人的にはへっちゃら。ひとしきり登りをこなすと、眼下には大勢の人がオモチャのように動いている。ここから山を周りこむようにして歩くと、ナイル川方面の展望が開け、真下には葬祭殿が見えてきた。

View of Valley of the Kings
王家の谷を見下ろす

Lokking down at Hatshepsut
崖下に葬祭殿

Valley cliff
こんなところを歩く

 この葬祭殿に向けて下りていく…のかと思っていたが、ツアー・リーダーはさらに南に進み、労働者の町を横目に下っていく。だいぶ遠回りをしたが、こうしてミニ・ハイキングは終了。待っていたロバに再び乗り、メムロンの巨像(Clossi of Memnon)などを通過しながら川岸へと戻っていった。

 煮え切らない思い

 楽しいような辛いようなロバ乗りを終えると、昨日夕食を取ったレストランで一服。随分時間が経った気がしていたが、朝早くに発ったので、まだ10時過ぎだ。もっと西岸の見所を周ると思っていたが、本日の団体行動はこれにて終了。なんだか煮え切らない思いを抱えたまま、ホテルに引き返したのであった。

 後は夕方の列車に乗るまで自由時間。他の人たちはもう十分満足して、午後は休憩すると言っているが、個人的にはなにか納得がいかない…せっかくここまで来て主要な見所を周らないのはもったいない気がしたので、ここは意を決して、残された時間で可能な限り観光することとし、船に乗り込んだ。

Nile ship
ナイル川の船

 昼時の船は、地元の人たちで大混雑している。船内で軽食を取っていると、さっそく貸自転車の客引きがやってきたが、粘りに粘って言い値の半額以下に下げて交渉成立。すぐさま自転車に乗って、快調に飛ばしていった。

 ところが、借りた自転車がぼろい…これは走ってみてわかったのだが、がたついている上に時々部品が外れたりする。失敗したが、値段から考えれば仕方がない。この間にトラブルがないことを祈ってこぎ続けた。

 チケット売り場を経由し、最初に目指したのはハトシェプスト女王葬祭殿。ところが、途中から自転車がガタガタ言い出した。パンク? だが、そんなことに構っている暇はないので、自転車通学・通勤10年以上のキャリアを生かして無理やり漕いでいく。途中砂利道のショートカットを利用し、女王葬祭殿前まで来たら、いきなり葬祭殿に向かうのではなく、まずは右手の丘に登ることにした。この丘から眺めた葬祭殿の写真が本などでよく見られ、美しかったからだ。

 道は2つあるように見えたが、近道の方が楽だろうと思い、ショートカット・コースを登っていく。始めは景色も良くてまずまずだったが、途中から妙に急な斜面になり驚かされる。急な部分をこなすと本来の道に合流するが、ここまで来ると、葬祭殿はちょっと遠い印象だ(私につられて、ここを白人のカップルが下っていったが、大変そうだった)。ひとしきり辺りを眺めたら、今度は正規の緩やかな道を伝って下っていく。こちらは家族連れもいて賑やかだったが、眺めとしては今ひとつであった。

 そして、いよいよ葬祭殿に入る。正面からの眺めも良いものだと思いながら階段を登っていくと、中は観光客で大混雑。しょうがないなと諦め気味に壁画を見て回り、早々に撤収することにした。

Hatshepsut lookout
ハトシェプスト葬祭殿を遠望

Temple of Hatshepsut
葬祭殿正面より

 時間に追われて

 続いてはラメセス2世の葬祭殿であるラメセウム(Ramesseum)に向かう。タイヤのガタガタは一層悪化していたが気合いで進行し、中に入っていく。なぜか観光客はほとんどおらず、暇そうにしていた監視員が案内すると言ってきた。時間がないので断っても、まぁ良いからと聞かない。仕方なくついていくと、裏側に入り、門の上に登れという。狭い通路をかがみながら進み、崩壊したブロックを越えていくと、門の上に到達。すると「本当はここは登ってはいけないのだが、君は特別だ」と言い出した。べつにそんなこと望んでいないのに…下りてからも(断っても)しつこく付きまとい、壁画などの説明をしてくる。そして帰るというと、当然のようにバクシーシの請求。これがエジプトか、と嫌な気分にさせられたが、はした金を渡してこの場を去った。

Ramesseum
ラメセウム

Relief at Ramesseum
レリーフ

 だんだんと時間がなくなってきたが、最後にラメセス3世葬祭殿(Medinet Habu)に行きたかったので急いで出発。既に自転車は後輪が跳ねるようになり、行き交う人が皆振り向くほどの騒音を発していた。すると、チケット売り場の近くで男が駆け寄ってきた。もうウンザリした気分だったので邪険に扱っていると、「パンクしているから直さないと駄目だ。俺は自転車屋だ」と言う。振り返ってみると、確かに後輪のチューブがはみ出ていて、どうにもならない状態だ。やむなく男の指示に従って直してもらうが、損傷があまりにひどく、穴埋めしただけでは直らない。時間は刻々と過ぎていき、もう30分も見る時間がない。どうしよう…焦りばかりが募った。

 業を煮やして事情を説明すると、男は別の自転車を出してきて、これを貸してやると言ってきた。ありがたく借りて走り、急ぎ葬祭殿に入っていく。中には美しい列柱やレリーフ、巨像などが立ち並び、見応えがあるが、いかんせん時間がなく、じっくり見ている暇はない。さらっと眺めたら帰途につき、修理の完了した自転車に乗って川岸へ飛ばしていく。結局値切った分も修理代で台無しになってしまったが、何とか待ち合わせの時間前にホテルに戻ることができ、一安心であった。

Medinet Habu
ラメセス3世葬祭殿

Statuary at Medinet Habu
巨像が並ぶ

Relief at Medinet Habu
レリーフも美しい

 それから専用バスで駅に行き、列車に乗って一路アスワン(Aswan)へ。約3時間かかって到着し、迎えの車に乗ってHappi Hotelにチェックイン。こうして長い1日はようやく終わった。

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