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エジプトの国旗

旅行記:エジプト(世界自然旅)

1.異教徒の聖地 (2005/1/25:曇後晴

 大移動

 成田空港を23日昼に発ち、シンガポール、ドバイを経由してカイロに到着したのは24日早朝。眠気眼を擦りながら入国手続きをこなし、客引きを無視して市内行のバスを待つ。ほとんどの乗客はツアー客と見えて、次々と観光バスに乗り込み、他の客もタクシーでそそくさと出かけていった。そして、気がつけば一人取り残されていた。

 バスが来ない…すると、タクシーの運転手が「ここにはバスは来ないぞ」と言ってきた。そんな、ガイドブックには第2ターミナル前にもバス停があると書いてあるのだが…でも確かに、眼下の道にはバスが頻繁に通るけれど、ターミナルには1時間経っても現れない。これでは埒が明かないので下の道まで歩き、少々さ迷いながらも目的のバスをゲット。無事格安で市内に出ることができた。

 喧騒の市内に着いたら、休む間もなくバス・ターミナルに向かう。本来ならカイロに1泊ぐらいして、移動の疲れを取りたいところだが、この後のツアーが5日後に控え、それまでにシナイ半島(Sinai Peninsula)を周りたかったので、強行軍を承知で動くことにしたのだ。

 重い荷物を背負いながら街を歩くが、まだアフリカに来たという実感がわかない…なぜなら、エジプトはほとんどがイスラム教を信仰するアラブの国。「アフリカ」と聞いてイメージする黒人をほとんど見かけることがないからだ。これが中東かと、感慨にふけりながらターミナルに到着。幸い次の目的地、聖カトリーナ(St Catherine)行のバス(1日1本のみ)の席を確保することができた。

 バスは10時半に出発。最初は空いていたが、途中のターミナルに寄るたびに人が増え、いつの間にか満席になっていた。スエズ運河をトンネルで抜けると、そこはシナイ半島(ここは、厳密にはアフリカではなく、アジアの西端)。その後は岩砂漠の中をひた走り、睡魔でウトウトしている間に陽が暮れて、すっかり暗くなっていた。入口で入場料US$3を払わされ(今年になって徴収開始)、聖カトリーナに着いたのは午後7時過ぎ。これから宿探し…というところで、安宿El Malga Bedouin Campの客引きが車内に乗り込んできた。もともとこの街には安宿が少なく、この宿はガイドブックにも載っていたので渡りに船。他3人のバックパッカー(皆年上の白人)とともに宿に入った。東京から実に44時間かけて、ようやく大移動は終わった。

 深夜巡礼

 ところが、ここでのんびりしている暇はない。これから向かうガバル・ムーサ(Gebel Musa:通称「シナイ山」)は、あのモーセが十戒を授かったとされる、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖地で、御来光を拝むのが定番になっている。まぁ、曲がりなりにも仏教徒の身にとっては異教徒の聖地でしかないが、ここは定番観光コースの仕来りに従うことにして、食後しばし仮眠し、明朝2時過ぎに起きて支度を整えた。

 物音一つしないなか、宿を発ったのは3時前。雲が気になるものの、ほぼ満月で、明るい中を歩いていく。街から修道院入口の門まで3kmほどあるので、最初は淡々と歩き、門には3時半に到着。辺りには十数台のバスが屯し、「ガイドがいないと歩けないぞ」という忠告を無視して先に進む。深夜とはいえ、月明かりのお陰で道は良く見え、時々ラクダも下りてくるので、心配なかったのだ。

 ラクダの客引きを軽くあしらいながら歩を進めると、まもなく修道院が現れた。道はここで階段コースとラクダ道コースの二手に分かれるが、階段コースの入口が暗くて良くわからない…こんなところで迷いたくないので、無難なラクダ道コースを選択して進む。客引き以外、周りには人がおらず、実に静かであった。

 緩やかに迂回しながら登っていくと、やがて前方に茶屋が見えてきた。この辺りから人が増え始め、徐々に賑やかになってきた。どうやら集団に追いついてしまったようだ。心なしか年配の人が多く、ペースがかなり遅いので構わず登っていくが、時に渋滞に巻き込まれるような混み様になってくる。しかも、この先にはいくつもの灯りが見えている。これほど多くの人が深夜に巡礼をしているとは、思ってもいなかった。

 それにしてもこの道、ラクダ用とはいえ妙に迂回しているので、不必要に歩かされている感じがする。もっと直線的に道を作っても良いのにと思いつつ、軽く50人は抜いたところで階段コースと合流。ここからは山頂に向けてやや急な階段が続くが、完全に渋滞していてどうにも動きが取れない。やれやれ…

 牛歩のように登り、頂上手前の茶屋に着いたところで渋滞は解消。休まず登っていくと、まもなく山頂に到達した。時間はまだ5時半前。下から2時間もかからずに登ってしまい、日の出までまだ1時間もあって困ってしまった。

 雲間の日の出

 仕方なく山頂でじっと待つが、ここは標高2285mとはいえ結構寒い…目の前のカトリーナ山(Mt St Catherine:2642m)を見ながら耐えるが、思いのほかしんどい。おまけに日の出方向には雲が居座っており、このままでは御来光が拝めない可能性が出てきた。ここまで来て、そんなことはあって欲しくないが。

 空が明るくなるにつれて人も増え始め、皆朝陽を待っている。賑やかな黒人グループ、歌を歌い出す白人の集団などなど、この地ならではの景観を楽しみながら時を過ごしていると、次第に空が赤らみ始め、まもなく雲が赤く燃え出した。これはラッキー! 雲が太陽を隠してしまうかと思いきや、逆に太陽に照らされている。時間にすればそう長くはないが、これは思いがけず印象的であった。

Sunrise from Mt Sinai
朝焼けに燃える雲

At the top of Mt Sinai
山頂の礼拝堂

 そして、しばらくして太陽が雲間から姿を見せ、大地を染め上げていく。これまで暗くてはっきりしなかった周囲の岩山も、今となっては良く見える。最初はどうなることかと思ったが、何とかうまくまとまってくれた。

View from Mt Sinai
シナイ山群

 日の出のショーが終われば、当然、次は下山ラッシュ。私は後方からのスタートとなったが、ほとんどが遅いグループなので次々と抜き去り、途中からは階段コースを採って下っていく。こちらは総計3750段もあると書いてあったが、実際に歩いてみるとそんなにあるようには思えない。快調に高度を下げていくと、1時間も経たずに眼下に修道院が見え、あっけなく下り終えることが出来た。

Back way to St Catherine
階段コースを下る

Looking down at St Catherine
眼下に聖カトリーナ修道院

 修道院には8時頃に着いてしまい、まだ開いていない…オープンまで1時間以上あるので諦めて粛々と歩き、9時には宿に戻ることができた(ちょっと悔しかったのは、この後ほどなくして雲が消え、快晴となったこと)。

Sinai rocks
岩山を振り返る

 部屋に戻ったら出かける支度を整え、少しのんびりして昼前にチェック・アウト。バス・ターミナルに出向いて1時発のダハブ(Dahab)行に乗り込む。実に慌しい日程だが、こうして聖カトリーナを後にし、砂漠をひた走って3時半頃にはダハブにやってきた。

 ダハブはバックパッカーに良く知られたリゾート地で、広い意味での紅海(Red Sea)に面した美しいビーチが広がっている。行った人はほぼ皆絶賛していたので期待していたのだが、いざ着いてみると思いのほか賑やか…しかも、宿にしたSeven Heaven Hotelは驚くほど韓国人が多い。ガイドブックには、ここは「日本人に人気のホテル」と書いてあるのだが、まるで韓国人宿のようだ。聞けば、韓国では今エジプトがブームだそうで、昨年辺りから急に人が増えたらしい。

Dahab
ダハブ

 しかしそんなことよりも、早くも体力の限界で、もう眠らずにはいられない。出発前夜も含めると、この3日、まともに寝ることができなかったのだから。お休み…zzz

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