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旅行記:東アフリカ(世界自然旅)

36.危機一髪! (2005/3/18:曇時々晴

 灼熱の移動

 ダルエスサラーム行のバスは早朝に出るので、夜明け前に起床し、タクシーを捕まえてバス・ターミナルに向かう。最安のチケットを取ってもらっただけあって、車内は5列と狭苦しく、しかも超満員での発車となったが、モシまで来るとだいぶ人が降りてくれた。それでも、ほぼ満員状態なうえ次第に蒸し暑くなり、座っているだけで消耗していく…これまでは比較的高地にいただけに、熱帯の暑さが身に染みるようになってきた。

 外は、雲が多いものの晴れてきたので、なおのこと辛くなる。進むにつれ、緑は一層濃くなり、車内はもう灼熱地獄だ。明らかにただ1人の観光客だったが、それにもめげず、結局9時間かけてウブンゴ・バスターミナル(Unbungo Bus Station)に到着した。

  すると、さっそく悪徳業者がタクシーを勧めてくるが、相場より高いので拒否。ところが、相手は数人がかりで説得にかかり、それ以外手段がないと言い出す(地元の客は使っていないのに)。やむなく外に出てバスを捕まえようとするが、あまりにしつこく付きまとうので、ある程度値が下がったところで妥協してしまった。我ながら情けないが、もう心身ともに疲れ切っていたので止むを得ない…プチ・ボッタクリ状態で市街に入り、Safari Innに部屋を取った。

 さて、ダルエスに来たら、次の南下の準備を進めるとともに、これまでの疲れを取るため、数日間ザンジバル(Zanzibar)でのんびり過ごして後半戦に備える予定だ。思えば、東アフリカに来てからは忙しく動き回り、特にタンザニアに入ってからの半月あまりは、1日も休みなく観光している。疲れていないはずはなく、もうダウン寸前であった。

 ネット探し

 しかし、その前に是非ともインターネットを使いたかった。東アフリカに入ってからというもの、忙しさとネットの遅さのあまり、サイトの更新はおろか、メール・チェックすらできずにいたからだ。もう1ヵ月あまりが経過していたので、これ以上遅れると、捜索願を出されかねない(?)。

  そこで、さっそく宿のインターネット端末を利用しようとすると、今は回線が繋がらないとのこと。既に日は暮れていたので出歩きたくなかったが、この状態は一刻も早く改善したかったので、やむなくインターネットカフェを探しに街に出た。

  すると、さっそく見知らぬ者に声をかけられる。この手の人間は信用できないので適当に相手をするが、インターネットカフェを探していると話すと、日本語の使えるところを知っていると言う。これは渡りに船。このところ掲示板の投稿もできずにいたので、その者に案内させて、5分ほどでインターネットカフェにたどり着いた。

 ネットカフェには確かに日本語の使えるマシンがあった。帰りに不安があったが、その男は終わるまで待っていると言う。こうして心置きなく1時間ほどネットを利用し、掲示板への投稿、ダイジェスト写真のアップ、そして若干のメール処理(あまりに多くて全てはできず)をこなすことができた。

  やれやれ、これで一安心!と思ったら、もう夜の9時過ぎだ。さすがに人気も少なくなって、嫌な雰囲気…と、先ほどの男が車で待っていた。この時間になるともう危ないから、車を用意したとのこと。いくらかかるのかと問うと、友達だからお金はいらない、後で少しだけチップをくれれば良いというので、この車に乗ることにした。

  中に乗り込むと、その男は「今、アフリカン・ダンスをやっているところがあるから案内する」と言ってきた。ちょっと嫌な予感がしたので「疲れているから宿に直行してくれ」とお願い。男は渋々受け入れ、お付きの運転手とともに出発した。

 ニセ?警官登場

 ところが、たかが歩いて5分の道なのに、車はしばらく走り、明らかに違う方向に曲がっていく。正しい道か?と聞いても、大丈夫だ、との返事。しかし、まもなく「ここがカリアコーだ」と言い出した。カリアコー(Kariakoo)は危険地帯とされる下町で、宿とは違う方向だ。それを問いただすと「アフリカン・ダンスをちょっと見せようと思って…」と言い出す始末。「興味がないので宿に戻ってくれ」と不機嫌そうに話すと、しばらくして車はガソリンスタンドに停まった。「ガソリン代を3,000Tsh(300円)払ってくれ」と言うので、「それは高すぎる。1,000Tshなら構わない」と言って、チップのつもりで1,000Tshだけ払うことにした。

 その後、車はUターンして宿のある中心部に戻っていくが、今度は宿より先の市街地に入っていった。男は執拗に「チップをくれよ」と言うので、「ちゃんと宿まで帰してくれたら払うよ」と応酬。やがて車はロータリーに差しかかり、元の道へと戻っていく。不審に思うと「道を間違えたんだ」と言う。段々不安と焦りがこみ上げてきたところで、突然、何の変哲もないところで車が停まった。

 不思議に思っていると、その男は「吸うか」と煙草を出してきた。「吸わない」と答えると、男はおもむろに火をつけて、煙を吹かせた。するとすぐさま2人の警官がやって来て、その煙草を取り上げ、「これはマリファナだ。違法行為だから警察に来てもらう」と言った。

「私は吸っていません」
「いや、お前の友達が吸っていたのだから、お前もグルだろう」
「友達ではない」
「とにかく来てもらう!」

  何が起きたかと一瞬パニックになりかけたが、「あぁ、大変なことをしてしまった、神様~」と男が下手な芝居をしてくれたお陰で、冷静になることができた。違法行為だとわかっていれば安易に吸わないだろうし、車の止め方も変だった。警官の登場もあまりにタイミング良すぎるし、煙を吹かせただけでマリファナだと即断するのも難しいだろう。この2人がニセ警官か腐敗警官かはわからないが、とにかくハメラれたのは確かだ。相手は4人、こちらは1人。これをいかに切り抜けるか…

  「警官」2人は私を挟み込むように左右に座っており、逃げることはできない。男はパニック状態のフリをして「ここは金を渡すしかない」と言ってくるが、「お前が悪いことをしたのだろう」と一蹴。警官に対しては「もし本物の警察なら、10時までに帰らないといけないので、まず宿に行って下さい。それから話しましょう」と丁重に言ってみた。「今はお金もろくに持っていません」と付け加え(実際、不安があったので最低限のお金しか持っていなかった)、相手の出方を伺った。

  男は相変わらず芝居を続け、お金を払って解決しようと言っているが、相手にせず、まず宿に戻るよう警官を説得した。車は怪しげな路地を走り続け、もうどこにいるのかわからない。このまま連れ去られたら終わりだ。どうなるのか、不安が沸点に達しかかったところで、細い路地を曲がって車が停まった。1人の警官が前方を指差し「あれが宿だろう?」と問う。頷くと、外に出るよう指示された。男は警官に金を払うよう要求するが、それを無視して外に出ると、車は引き返し、どこぞに消えていった。

 こうして無事釈放され、賄賂を渡すことなく宿に戻ることができた。中途半端な知能犯のおかげで助かったけれど、我ながら不用意なことをしたと反省している。アフリカの都市はどこも油断ならない(夜になるととたんに人通りが途絶え、街灯もあまりないので怖くて歩けない)ので、この先は一層気を引き締めていかねばならない。

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