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旅行記:中国西南部(世界自然旅)

30.泥まみれの道 (2004/10/1:曇時々雨

 道を間違える

 10月に入り、そろそろ乾季に入ってもおかしくない時期ではあったが、起きてみると雨が降っていて、周囲は濃い霧に覆われていた。しかし、もう国慶節の連休に入ってしまったので、ここで停滞していると、後から続々と観光客が来てしまう。その前に奥地に逃げ込もうと、今日は悪天覚悟で歩き始めることにした。

 既に他の人たちは、夜明け前に馬で出発していたので、実に静かな出だしとなった。道なりに歩いていくと、まもなく眼前に大きな谷間が現れたので登り出すが、これが妙に急な斜面で、途中からは踏み跡もなくなり、登るのさえ困難を極めるようになってしまった。おかしい…そう思い始めたところで、オージーが切れて下り出したので、私も下らざるを得なくなった。

 改めて脇道に入っていくと、幸い正規の道に合流して、先ほどとは打って変わって歩きやすい道になった。結局、達真頂まで登るのに1時間もかかってしまったが、ここで茶店が開いていたので、雨宿りも兼ねて休憩とした。

 雨が小降りとなったところで再スタートを切るが、ほどなくしてチベットの僧と一緒になったので、彼らに付いてショートカット・コースを歩いていく。途中ではまた雨に降られ、道もかなりぬかるんでいたが、どうにか頑張って登り続けると、次第に雲が上がってきて、樹林越しに瀾滄江の峡谷が見下ろせるようになった。そして、再び斜面がきつくなってくるが、ここも我慢して登ると、ついにタルチョが登場。もう峠は間近だと確信し、さらに歩を進めて、まもなく那宗拉埡口(3680m)に到達した。

 再びの再会

 ここにはいくつもの出店があるので、少々休憩したら、雨崩に向けて下り始める。するとまもなく、馬の一行が登ってきたが、その中に中山さんがいるではないか。日隆と亜丁で会って以来だが、彼は一足先に梅里雪山を訪れたらしい(以前は徳栄に先に行くと言っていたが、順番を変えたとのこと)。またも中国人のグループと一緒で、馬を使うなどすっかり中国人化していたが、まさかまた会えるとは思ってもいなかった。

 ここからは快適な下り道が続くが、道中にはなぜかサルオガセが群生しており、幻想的な風景を作り出している(これだけの規模のサルオガセを見たのは久々だ)。雨は止み、霧も少しずつ上がってきて、周囲の様子も見えるようになってきた。そして、ついには前方の視界が開け、上雨崩村が登場。後は気分良く下って、昼前には集落に到着した。

Yubeng forest
サルオガセの森

 今日はここに泊まるので、さっそく宿探しを行なう。オージーとともにいくつかの宿を周るが、結局最初の梅里客桟が良かったので、そこに決定(この時間はまだガラガラだ)。ちょうどお腹も空いてきたので、宿の人に頼んで食事を作ってもらい、腹ごしらえを済ませた。

 さて、雨崩から先は、一般に(1)笑農大本営(ベースキャンプ)と冰湖に向かうか、(2)神瀑に向かうか、の2通りになる。さすがに半日で両方行くのは困難だが、宿の人の話だと、どちらかと言えば前者の方が良いそうなので、残りの時間を使って歩いてみることにした。時間的にあまり余裕がないので、食事を終えたら即出発だ。

 とんでもない悪路

 集落を抜けていくと、しばらくで沢を渡り、ここから急登が始まる。方角的に正しいのか、疑問に思いつつ登るが、ここはかなりの悪路で、雨の影響で道がぬかるみまくっている。登るにつれ、道の状態はさらに悪くなり、もう靴はぐしょぐしょ…途中からは開き直って歩を進めるが、とんでもない状態になってしまった。

 道はジグザグに高度を稼ぎながら、次第に谷奥へと方向を変えていく。どうやら間違ってはいないようだと安心したが、とにかく登りが長く感じる。オージーはいつの間にか背後に消えていたが、我慢して一人黙々と歩いていった。

 やがて急登が終わると、前方の視界が開け、ここから森の中を下るようになる。沢まで降りれば緩やかな道となり、そこをのほほんと歩いてベースキャンプに到着。しかし、ここは特に何かあるわけではないので、オージーが来るのを待って、さらに奥の氷河湖を目指すことにした。

Yubeng glacier
氷河を遠望する

 この先は泥んこ道ではないので、比較的順調に歩くことができる。次第に岩壁が迫り、そこに向けて登っていくと、ついに氷河湖が登場。するとタイミングよく氷河が崩れ落ち、轟音を立てて湖に崩れ落ちた(しかしオージーは間に合わず、見逃してしまう…)。

 湖畔には中国人のグループがいたが、ちょうど引き返すところだったので、入れ替わりで降り立ってみる。この手の氷河湖はもう見飽きてしまったが、オージーは初めて見るとのことで、かなり興奮しているようだ。

Glacier Lake
冰湖

Ice hole
氷河に迫るが…

 左手には氷河があるので、せっかくだからと、その直下まで迫ってみる。ちょうど氷の下が大きく口を開けているので、そこに近づくと、突然"Watch out!"の声とともに、ゴンっと背中に当たった。落石だ。幸い小さな石だったので大事に至らなかったものの、一歩間違えば危ないところであった。

 そして、もう夕方間際になっていたので、ここからは秀吉並みに反転引き返し、先ほどのグループもごぼう抜きし、靴も泥まみれにして、何とか暗くなる前に宿に戻ることができた。が、宿はもう満員御礼で、これ以上入りきれないほどの大混雑…やはり国慶節は侮れない。

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