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旅行記:中国西南部(世界自然旅)

14.はまってしまった… (2004/9/7:曇時々雨

 勝手に動けず

 九寨溝は、周辺にチベット族(藏族)の集落(寨)が9つあることから名づけられたもので、大小100以上の湖沼群が点在している。渓谷はY字状に延びており、樹正溝、則査窪溝、日則溝から成っている(入口近くに扎如溝もあるが、大した見所ではない)。今いる原始森林は日則溝の最奥にあたるので、まずはそちらから攻略することにしよう。

 バス乗り場に戻ると、そこには長蛇の列ができており、すぐには乗れそうにない。これは困ったが、ならば、次の天鵝海・草海へは歩いていこうと決意し、遊歩道に向かう。ところが、ここで関係者が制止し、この先を歩いてはいけないと言い出した。ちゃんと道は整備されているのに、なぜ…不可解に思いながらも、中国人も同様の扱いを受けていたので、渋々バス乗り場に戻らざるを得なかった。

 長い渋滞を耐え忍ぶこと3台目、ようやくバスに乗り込むことができた。例によって混み合っているため勝手なことはできず、天鵝海と草海はむなしく通過(観光客が誰もいないだけに惜しい…)。箭竹海でようやく降りる人が現れたので、それに乗じて私も下車させてもらった。

 しかし、ここも既に観光客で渋滞するほど混んでいて、おまけに雨も降り出してきたりと、踏んだり蹴ったりだ。かすかな期待を胸に、一緒に降りた人たちが通り過ぎるのを待つが、すぐまた新たな観光客が運ばれてきて、どうにも逃れられそうにない。これはもう、完全にツアーの行動パターンにはまってしまったようだ。

 仕方なく、賑わう遊歩道を歩いていくが、湖面の色はやはり素晴らしい。吸い込まれそうなほどの翠玉色(エメラルドグリーン)で、九寨溝が別名「翠海」と言われるのもよくわかる。雨天でこれなのだから、晴れたらきっと凄いことになるだろう…そんなことを想像しながら歩き、少しでも立ち直ろうとしていた。

Arrow Bamboo Lake
箭竹海の湖面

 見所は人だらけ

 箭竹海を抜けると、続いては熊猫海。こちらはかつて、パンダが水を飲みに来たというだけあって、やはり美しい湖面を見せつけてくれる。しばらく歩くうちに人がばらけ、若干静かになったので、しばし仙境気分を味わった。

 だが、東岸まで来ると状況は一変。いくつかの露店に大量の人と、またしても喧騒の渦に巻き込まれてしまった。これは耐え難かったので、休むことなく滝の脇を下っていく。いったん滝壺まで下りると緩やかな道となるが、ここもやはり人だらけで、どうしようもない(しかも、皆傘をさしているので、余計混み合ってしまう)。分岐を右折して熊猫海瀑布に赴くも、こちらも大盛況…逆側の遊歩道に出て若干空いたものの、これでは秘境でも何でもない。

Panda Waterfall
熊猫海瀑布

 このまま進めば、次は五花海(九寨溝随一の美しさを誇る)となるが、右手の道を登ると老虎嘴という展望台があるので、ちょっと寄り道して歩いてみる。すると、そこからは眼下に五花海を望むことができ、素晴らしく美しい。歩く距離が長いために、ここまで来る人はそう多くないので、雰囲気もなかなかだ。これは歩いてきた甲斐があった。

Colorful Lake (Tiger's Mouth Viewpoint)
五花海 (老虎嘴より)

 しかしながら、五花海の湖畔まで歩いていくと、再びのひどい喧騒で、一気に興醒めしてしまう。確かに湖は透き通るような青さで、石灰華に覆われた倒木も美しいが、あまりにひどい賑わいだ…バス停からは続々と人が流れてきて、喧騒に拍車がかかるばかり。ここは早々に退散することにしよう。

 ほとんどの人が橋を渡ってバス乗り場に戻るのを尻目に、私は孔雀河道に沿って歩いてみる。この辺りも非常に美しいのだが、歩く人は稀で、何とも贅沢な気分である。ここを抜けると、しばらくはやや単調な景色が続くが、人が極端に減ったので快適だ。が、それも珍珠灘までで、ここから珍珠灘瀑布にかけては、またも大混雑で閉口してしまう。確かに見所なので仕方ないが、この騒々しさは何なのだろう…

Pearl Waterfall
珍珠灘瀑布

 失敗から学ぶ

 ここまで来るともう、観光を満喫しようという気分は萎え、偵察だと割り切って巡っていた。今日は完全にツアーの流れに乗って失敗したが、ここから学習すれば、次はきっと満足いく観光ができるはず…

 滝を過ぎると再び人はいなくなり、一気に静かになった。まもなく鏡海に沿って歩くようになるが、この辺りは正直見所に欠ける。淡々と歩いて諾日朗瀑布までやって来ると、今度はまたしても大混雑。もう諦めていたので驚きはしなかったが、やはり見所は混み合うものだ。

 この時点でもう14時近くになっていたので、昼食を我慢して長海方面のバスに乗る。こちらはもうピークを過ぎたのか、大混雑というほどではなかったが、それでもやはり長海・五彩池には大勢の人がたむろしていて、なかなかの賑わいである。こちらはもう少し遅い時間の方が良さそうだ。

 気を取り直して諾日朗に戻り、バスを乗り換えて樹正溝を下っていくが、樹正寨まで来ると多数のバスが停まっていた。ここで再び乗換えを強制されたので、ちょっと寄り道して民俗文化村を訪ねると、さっそくもの凄い混みようである。観光の最後にお土産を、ということだろうか…呆れるほどの混雑だ。

 ただ、一説ではここで宿泊が可能と聞いていたので、そんな施設があるか探索してみるが、どうもそれらしきものは見当たらない(泊まれそうな建物はあるが、とても営業しているようには見えない)。さらに、樹正群海を眼下に見下ろす場所があるはずと思って探したが、こちらも手がかりがつかめず、消化不良のまま出口に戻っていった。

 こうして宿に戻ると、偶然にも日本人の中高年観光客がいた。彼は九寨溝観光を終えたところで、樹正寨では泊まれず、さらに下流の荷叶寨に泊めてもらったという(後で知ったことだが、もう溝内での宿泊は認めなくなったらしい)。彼は、朝のうちはバス券のチェックが厳しいので気をつけろなどと忠告する。私も、明日以降しばらく天気が悪いようなら、中に入って時を待とうと思っていたので、とりあえず手がかりはつかめた。今日の失敗を糧に、次は必ず成功を勝ち取ろう。

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