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旅行記:中国西南部(世界自然旅)

13.無謀でも一人 (2004/9/5:曇

 次は九寨溝・黄龍

 成都は様々な観光地への起点となっており、主なものだけでも、楽山(大仏)、峨眉山、大足、都江堰、臥龍(パンダ)、四姑娘山、海螺溝、九寨溝、黄龍、そしてラサ(拉薩)と、非常に多岐に渡る。その中で、私がまず目指すのは九寨溝と黄龍。ここは世界遺産にも指定された名勝で、神秘的なまでに美しい湖沼群や滝が見られるところだ。しかも、九寨溝が標高2000~3100m、黄龍が3100~3600mと、これから横断山脈やチベットに向かうにあたって、ちょうど良い高度順応の機会にもなるのである。

 ところで、ここは通常、ツアーでないと観光が難しいらしい。中国人にとって憧れの地であるうえ、昨年9月に九寨黄龍空港がオープンしたため、その混み具合は尋常ではないという。ガイドブックによると「あらかじめ入山許可を取っておかないと、九寨溝に到着しても観光できない」恐れがあるほど。現地の旅行会社などでも、個人旅行は「中国語が出来ないと困難だ」と説明しているらしく、現に、成都滞在時に会った日本人は皆、ツアーで現地に向かっていた。

 ただ、これまでも散々、大混雑と喧騒に悩まされてきたし、現地の天候は変わりやすく、悪天候の場合が多いので、できることなら個人で周りたい…私の性格からして、あの騒々しいツアー客に混じって観光してしまったら、きっと十分には楽しめないだろう。多少無謀かもしれないが、個人旅行もできなくはないとの情報も得ていたので、ここは定期バスを使って向かうことに決めた。

 とは言え、九寨溝行は朝早くに出てしまうため、夜到着してすぐに移動というのは難しい。そこで翌日は、午前中のうちに新南門バスターミナルに赴いてチケットを確保。宿に戻ったら洗濯を行い、久々にインターネットなどもして過ごした。そして夕方になると、偶然にも同室に2人、チベット方面の旅を終えた日本人旅行者が現れたので、街中に繰り出して夕食を共にし、その後も夜遅くまで旅の話をして盛り上がったのであった。

 バスの故障

 明けて5日、まだ静寂の宿を出て、タクシーでバスターミナルに向かう。本日の九寨溝行は3台にもなるが、私は1台目の最後部だ。明らかに3台目はガラガラなので移りたいが、それを伝えられないのが悲しい…

 バスは定刻(8時)よりやや遅れて出発し、車内にチベット民謡を奏でながら進んでいく(豪華バスと謳っているが、車内にモニターがあるだけで、映りはひどい)。都江堰を過ぎて岷江を遡るようになると、やや急峻な谷間を進むようになるが、どうも車の調子がおかしい…スピードが出ず、周りの迷惑になるばかりだ。そして、映秀の手前まで来たところで脇道にそれ、ついにボロ工場に入っていった。

 ここで乗客は全員降ろされ、何やら修理が始まった(エンジンの調子が悪いようだ)。しかし、なかなか直ってくれない…1時間経っても、2時間経っても、直る気配がないのだ。九寨溝まで、ただでさえ9時間以上かかるというのに、このままでは本当に今日中にたどり着けるのか、不安になってきた。

 ヤキモキしながら待っていると、結局3時間ほどかかって、ようやく復旧した。皆急いで中に乗り込み、再スタート。遅れを挽回しようと最初から飛ばすが、まだまだ道は狭いので、怖くて仕方がない。カーブで対向車が来ないことを祈るばかりだ。

 バスはその後、途中休憩を取りつつも順調に走り、急勾配も難なくこなしていく。黄龍への分岐となる松藩に着く頃には陽が落ち、その後は暗闇の中をひたすら進んでいったが、何とか8時過ぎに無事到着。これで一安心ではあるが、すぐに宿探しをしないといけない。

 安宿がない?

 九寨溝周辺はさすがに観光開発が進んでいて、かなりのホテルが建ち並んでいるが、どれも高級そうなものばかりだ。土地勘もなく歩き始めると、さっそく呼び込みの男が声をかけてきたので交渉。1泊50元でないかと聞いてみるが、100元以下などないと一笑されてしまった。そんなバカな…これから何日滞在するかわからないのに、そんな大金使えるわけない。

 困って右往左往していると、しばらくして別の男が現れ、60元で紹介してやると言ってきた(どうも先ほどの男から話を聞いたらしい)。そのまま付いていくと、やって来たのは華縁山荘というホテルで、フロントには300元以上と表記されている。こんなところには泊まれない!と怒って出ていくと、男は大丈夫だと言って引き戻した。確かに、フロントで聞くと60元で泊まれるのだが、その理由はすぐにわかった。実は、ここの裏にドミトリーがあり、寝るだけなら宿泊可能なのだ(トイレもシャワーも外)。それでも、高額出費を避けられるだけマシなので、今日はここに泊まることに決し、後はカップ麺をお腹に収めて早々に眠りについた。

 そして翌日は、朝から雨がぱらついており、とても観光に行こうという気にはならない。さっそく1日順延となったが、長期戦は覚悟の上。午後になって雨は止んだので、周囲を散策して位置関係をつかみ、明日以降の観光に備えた(しかし、この辺りはツアー客がほとんどなので手頃な食堂がなく、全食カップ麺という憂き目に遭う…)。

 続く7日も、朝起きるとパッとしない空模様であった。相変わらず微妙な情勢だが、そろそろ動きたいところ…すると、一部で青空が見え始めた。これなら行けるかもしれない…かなり危険な賭けではあるが、いつまともに晴れるともしれないので、ここは偵察も兼ねて出かけることにした。

 入口に迫ると、まだ7時半だというのに、早くも大勢の観光客でごった返していた。混み合うチケット売り場に入り込み、入場料145元、バス代90元を支払うが、今回は2日以上かけて周ろうと思っていたので、申告して写真を撮ってもらう(これで、次回の入場料は割引になる)。そして、行列のバス乗り場に進んで、どうにかミニバスに乗り込むことが出来た。

 当然、車内は満員御礼で、いったん中に入ってしまうと、途中で降りるのは難しい(中国語ができれば別かもしれないが)。結局、何も出来ないまま流れに任せて、最奥の原始森林までやって来てしまった。仕方なく、渋滞の中を一通り巡ってみるが、はっきり言ってそれほど美しい森ではない(中国人は大騒ぎだが)。がっかりしながら帰途につき、次の目的地に向かうが、この時、既に「罠」にはまっていたとは思わなかった。

Premival Forest
原始森林

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