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旅行記:カナディアン・ロッキー(世界自然旅)

63.最高峰の背後へ (2003/8/5:曇時々晴

 ヒヤヒヤの予約

 トンキンから戻った翌日、いよいよ最高峰・ロブソン山に挑戦する。「カナディアン・ロッキーの巨人」と言われ、その堂々たる山容は名高いが、このエリアはロッキーの中でも降雨量が多いので、森に滝に湖に氷河にと、実に多様な世界が広がっている。まさにロッキー最後のトレッキングにふさわしいコースだ。

 とはいえ、山火事でバスが半減しているため、早朝4時前のバスに乗らなければならない…夜更かしして、2時頃宿を発ったら、後は駅前でひたすら待った(店も何も閉まっているので、本当にやることがない)。

  バスは定刻に出発し、1時間ほどで到着したが、真っ暗でよくわからない。しかも1時間の時差があるので、まだ4時前だ。目が慣れたら少し歩いてみるが、ビジターセンターや店は当然閉まっていて、人の気配すらない。入山にあたっては事前に申請しないといけないので、いきなり動きが取れなくなってしまった。

 仕方ないので、ビジターセンターの前に移動したら、しばらくは無為に過ごす。やがて空が明るみ出すと、ぼんやりと巨人の姿が見えてきた。標高差が3000m以上あるのでさすがに大きいが、山頂は雲に隠れているようだ。明るくなるとともに、観光客も現れるようになってきて、7時過ぎにはお店もオープン。すっかり体が冷え切っていたので、ここで朝食をいただく。そして、8時になってようやくビジターセンターが開館した。

South Face of Mt Robson
ロブソン山の南壁

  やっとのこと中に入ったら、まずはキャンプの申請をしなければならない。1組の家族連れに遅れを取ってしまったが、様子を見ていると、あれっ、予約をしないといけないらしい。日本の(古い)ガイドブックや、数年前に訪れた人の話だと、申請だけすれば、後は先着順と聞いていたのだが…

  順番が回ってきたので、恐る恐る尋ねてみると、やはり全て予約をしないといけないそうで、今日の分は既にほぼ満員だ。しかしよく見ると、16km先のEmperor Falls Campgroundに1つだけ空きがある。翌日はBerg Lake Campgroundを予約済(この時点ではもう一杯だった)でセーフ。3日目、4日目はまだ余裕があったので、ヒヤヒヤながらも4泊分の予約を済ますことができた。

 重量に苦戦

 こうして際どくもパーミットを発行してもらったら、2km先のトレイルヘッドに向かう。車がないので歩かざるを得ないが、この間にも大勢の観光客が押し寄せるようになり、すっかり混雑してきた。道の途中でロブソン山州立公園(Mt Robson Provincial Park)に入ったが、ここはただただ黙々と歩いた。

 賑わう駐車場を過ぎ、橋を渡って本格的にトレイルを歩き始める。しばらくはロブソン川(Robson River)に沿って森の中を緩やかに登っていくが、さすがに5日分の食料とテントを背負って歩くのは楽ではない(これは、今までで最長のトレッキングだ)。普通の観光客が楽々歩くような道なのだが…

  川の音を聞きながら1時間ほど歩くと、木々の間からロブソンの南面が望めるようになり、川を渡るとほどなくキニー・レイク(Kinney Lake)が現れた。やや雲が多いものの、トルコブルーの湖面にホワイトホーン・マウンテン(Whitehorn Mountain:3395m)が映り、一息つくには絶好の場所だ。人は当然多いが、ここの一角に陣取って、しばし英気を養った。

Kinney Lake
キニー・レイク

 この先は、湖の東側を高巻きに歩いていく。北東側の湖畔に出ると平坦な道となり、賑わうKinney Lake Campgroundに到着。しかしここは通過して、湖から離れていった。

  いったん広々とした川原が広がるようになるが、またすぐに森の中に吸い込まれていき、アップダウンを繰り返す。この辺り、それほどきつくはないのだが、重いバックパックがボディーブローのように効いて疲れてきた。再び川原に出て、ロブソン川を渡ったら思わず休憩してしまった。

White Falls
ホワイト滝

 登り続き

 そして、ここからが本格的な登り。じりじりと高度を稼いでいくが、体力を消耗しているだけに、結構きつい。ここをやっと乗り越え、つり橋を渡るとWhitehorn Campgroundが現れた。この先はしばらく平坦なので、少し行った先の川原で一息ついた。

  この区間は"Valley of a Thousand Falls"と呼ばれ、滝が集中しているのだが、それはそれだけ登りがあるということ。案の定、橋を渡るとかなりの急登が始まり、またも苦戦を強いられた。

  喘ぎながら一登りすると、右手にホワイト滝(White Falls)への分岐が出現。寄り道して滑りやすい岩の上を歩くと、谷奥にホワイト滝が望めるようになった。

  さらに坂を這い上がると、途中では来し方を振り返る展望地が現れ、その先にはフォールズ・オブ・ザ・プール(Falls of the Pool)が登場。ここからは視界も開け、川沿いの岩盤の上を歩くようになる。右手にはロブソン山西面とともに、轟音を上げるエンペラー滝(Emperor Falls)も遠望できるようになってきた。かなりしんどいが、もう少しだ。

 この後もじわじわと高度を上げていくが、やがて道は周り込むようにして滝に近づき、分岐が出現。いったん荷物を置いて寄り道し、エンペラー滝に近づいてみる。しかし、この滝の水量は半端ではなく、近くまでいくとものすごい水飛沫だ。これではカメラが駄目になってしまうので、とりあえず見納めたら撤収せざるを得なかった。

Emperor Falls
エンペラー滝

Falls of the Pool
フォールズ・オブ・ザ・プール

  分岐に戻ると最後の登りが待っていたが、ここは着実に登ってクリア。これでもう急登が終わったと思うと気が楽になる。そして、ほどなくしてキャンプ場が現れ、厳しい初日を終えることができた。ようやく最高峰の背後にやってきたのだ。

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