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旅行記:カナディアン・ロッキー(世界自然旅)

61.遅れる出発 (2003/8/2:晴時々曇

 荷物が消えた!

 今日から1泊2日でトンキン・バレー(Tonquin Valley)を訪れる予定だが、荷物がまだ届いていないので、出発できない。シャトルバスは昼頃到着予定なので、それまでは待つだけ…そこで、ひとまずジャスパーの街に出て、近くのパトリシア・レイク(Patricia Lake)やピラミッド・レイク(Pyramid Lake)などを訪れ、気分転換を図った。

Pyramid Lake
ピラミッド・レイク

 買い物を済ましたら、到着予定時刻を過ぎた頃に宿に戻ってみる。すると、荷物は届いていないとの返事…何があったんだ?

  改めて確認すると、レイク・ルイーズの宿には荷物はないという。そんなバカな、昨日そう言っていたのに!と説明しても、昨日説明してくれたスタッフは休みで、確認しようがない。そこでレイク・ルイーズのユースに電話をするが、「そんなものは知らない」と言って冷たく切られてしまった。

  こうなると、荷物がどこに行ってしまったのか、検討がつかない。確かにレイク・ルイーズでシャトル・バスに乗せるところは確認しているので、道中の別の宿に間違って置かれたか、誰かがくすねたか…

  ともかく、こうなると今日20km歩いてキャンプすることなど不可能なので、急ぎ街中のインフォメーションセンターに出向き、礼の親身なおじさんに事情を話して、キャンセルさせてもらった。

 急転

 しかもレンジャーの話では、山火事の被害はさらに広がり、スカイライン・トレイル(Skyline Trail)でも発火があって閉鎖されているという。しかも最も被害が大きいのは、ロッキーの西に位置するカムループス(Kamloops)で、周辺では国道が閉鎖され、バスなども運休しているらしい。

  この百年で最大の山火事となっているそうだが、これで困るのが次の予定。実はトンキン・バレーの後は、ロッキー最高峰のロブソン山(Mt Robson:3954m)を訪れるつもりで、キャンプの予約も一部済ませているのだが、カムループスへのバスが運休になっているため、バスも2本が運休。ロブソンに向かうのは1日2便(しかも早朝か夜)しかなくなってしまった。荷物の行方もわからないし、もう踏んだり蹴ったりだ。

 意気消沈しながら宿に戻るが、荷物のありかがわからない以上、どうすることもできない。これからどうしたら良いのだろう…他の宿泊客が出払っている中、1人漫然と過ごした。

 すると、しばらくして1人のスタッフが現れ、私の名前を問いただした。何事かと思いきや、実は別のスタッフが荷物を預かってロッカーに収納しておいたのだが、誰にも言伝していなかったという。ナニィ~!

  さっそくロッカーをチェックすると、確かに私の荷物が放置されていた。これじゃ見つかるはずはない…このスタッフは謝ってばかりいるが、あなたが悪いわけではないし、見つかっただけで今は満足だ。とにかく、早く次の手を打とう。

  大急ぎで荷物を整理したら、インフォメーションセンターを訪れ、キャンプ計画を再検討する。明日出発となると、中間点にあたるキャンプ場が一杯なので、1泊2日で歩くのは無理。ならば今日歩き始めるとして、もう午後2時を過ぎているので、泊まるなら最寄りのPortal Campgroundしかない。幸いまだ空きはあったが、レンジャー曰く「ここは良くクマが出るからな…」。それでも出発したいので確保し、次の日も、別のキャンプ場に1人分だけ空きがあったので予約。これでやっと出発できることになった。

 闇夜の恐怖

 山道を走り、ポータル・クリーク(Portal Creek)のトレイルヘッドに車を置いて、さっそく歩き始める。しばらくは沢に沿って林の中を歩くが、このルートはホースバック・ライディングにも使われているので、傾斜は緩めだ。

  橋を2回渡ると視界が開け、ぺベール・ピーク(Peveril Peak:2679m)の斜面をトラバースするようになる。いかにもナキウサギが生息していそうな岩場が続き、反対側にはレクターン・ピーク(Lectern Peak:2774m)などが望める。ここを巻き込んでいくと下りとなり、沢の辺まで下り立ってしばらく進むと、ほどなくして本日のキャンプ場に到着した。

Lectern Peak
レクターン・ピーク

 ここまで約9km、2時間ほどでたどり着き、どうにか暗くなる前に歩き終えることができた。テントを設営し、早めの夕食を済ませたら、食料などはベアープルーフ(クマに狙われないよう、高い場所に引っ張り上げる装置)につるしておく。そして、陽が暮れるとともに眠りについた。

 とはいえ、レンジャーにクマが多いので危険と言われると、不安も大きい…そして、翌朝5時前、ノシノシと何かが動く音が聞こえてきた。まだ暗闇なので、人間ではなさそうだ。その足音は徐々に近づき、こちらに迫ってくる。かなり怖いので気配を消し、通り過ぎるのを待っていると、その動物は私のテントの前で立ち止まり、様子を窺っているようだ。どっ、どうしよう!

  動物と私の頭の距離は、間にテントの膜があるとはいえ、もう1mもない。万一踏み潰されたら一たまりもない…ここで、この恐怖に耐えかね、とっさに手でテントをさすって、こちらの存在を示してみた。一か八かだったが、まもなく動物は再び動き出し、どこぞへと消えていった。

  この判断が良かったのか、また動物が何物だったのか、結局わからずじまいだ。陽が昇ってから起床すると、別の宿泊者が、外に置いておいた靴がヤマアラシに襲われたと嘆いていたが、あの音はヤマアラシではない。クマかシカか…とにかくものすごい恐怖に襲われたのは確かであった。

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