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旅行記:カナディアン・ロッキー(世界自然旅)

48.絶景の聖域 (2003/7/18:晴

 これぞ絶景だ!

 昨日レイク・ルイーズ周辺を周ったので、今日はそれを上回るとも言われる、モレイン・レイク(Moraine Lake)周辺をハイクする。ただ、このエリアはクマがよく出没することで知られ、単独では歩けないと聞いた(状況によっては、6人以上でないと歩けない)ので、昨晩わざわざ人集め用のカードを作っておいた。1人旅もなかなか大変なのである。

 この日は快晴だったので、まずはレイク・ルイーズに寄り道。相変わらずの観光客の多さに閉口するが、ビクトリア山と氷河が湖に映り、明らかに昨日よりも美しい景観だ。これなら、ロッキーを代表する景色だと言うのもわかる気がする。

Lake Louise
レイク・ルイーズ

 ひとしきり眺めたら、いよいよモレイン・レイクに向かう。途中の分岐でバスを乗り換えると、見覚えのある人が…実は昨夜、ご一緒した女性の友人を紹介されていたのだが、その人が(昨日モレイン・レイクに行ったと言っていたのに)乗っていたのだ。ちょっとびっくりだったが、彼女はアイフェル・レイク(Eiffel Lake)の先にあるウエンチェンマ・パス(Wenkchemna Pass)に行く予定だという。私はアイフェル・レイクまで行き、そこから引き返してセンチネル・パス(Sentinel Pass)に向かい、パラダイス・バレー(Paradise Valley)に下る予定だったので、クマの危険を考えて、しばらくは2人で行動することにした。

  やがてバスは、終点のモレイン・レイク前に到着。すると目の前に、これまで見たこともないような美しい湖が現れた。吸い込まれそうなほどの色だ。この湖を囲むテン・ピークス(Ten Peaks)の眺めはつとに有名で、旧$20札の絵柄に使われていたほどだが、これを見るにはすぐ横のロックパイルに登らないといけないので、すぐにそちらに向かった。

  この岩の上からの眺めはまさに絶景で、美しいモレイン・レイクとテン・ピークスが、筆舌に尽くし難い景観を描いている。これはもう、レイク・ルイーズの比ではない。とにかく素晴らしい限りで、ロッキー随一と言って良いだろう。後から来た中高年の女性は「きれい…」と言ったきり言葉が出なかったが、それも納得の、実に美しい景色であった。

Moraine Lake
モレイン・レイク

Ten Peaks
テン・ピークスを望む

 どこまでもテン・ピークス

 ここでじっくり過ごすのも良いに違いないが、段々と観光客が増えてきたうえ、今日の行程は結構長いので、ほどほどで出発する。

  「クマ注意」の看板を横目にトレイルに入り、分岐を右に進むと、しばらくは林の中をつづら折に登っていく。出発が遅れたため、道中には日本人ツアー客(40~50名)が列をなしてトロトロ登っており、思うように進めない…それでも時々道を譲ってもらって、なんとか渋滞から抜け出すことができた。

 やがて傾斜が緩くなると分岐となり、ここはいったん左に入ってアイフェル・レイクを目指す。視界はすぐに開け、左にテン・ピークスの全景が広がっている(モレイン・レイクはもう遠い)。ほぼ平坦なトラバースなので、実に気持ちの良い道のりだ。

 ガレ場の斜面を歩いていくが、この辺りから見るテン・ピークスは、モレイン・レイク越しのイメージがあるだけに、やや冗長に感じてしまう。それでも、どこまでも続くような景色は感動もので、アイフェル・レイクまではあっという間であった(実際には1時間ぐらいかかっているが)。

Eiffel Lake
アイフェル・レイクより

  岩場の丘で少し休んだらお別れ…と思ったら、彼女もパラダイス・バレーに行ってみたいと言い出したので、引き続き2人で歩くことになる。再びテン・ピークスを眺めながら分岐に戻ると、そこから緩やかにラーチ・バレー(Larch Valley)を登り、やがてメドウに出た。振り返ればテン・ピークスの山々がせり上がり、なかなかの景観だ。

  さらに一登りでミネスティマ・レイク(Minnestimma Lakes)にやって来るが、ここからはテン・ピークスが眺められるし、行く手にはセンチネル・パスも見える。この先は結構混んでいるようだし、ちょうど昼時だったので、この湖畔で一休みすることにした。

Minnestimma Lakes
ミネスティマ・レイクとテン・ピークス

 時間の制約

 休憩中に続々と集団が下りてきたので、一通り通過したところで登り始める。斜面をトラバースしながらじりじりと登っていくと、途中からはつづら折の道となり、やがて峠に到達する。振り返ればテン・ピークスは遠ざかり、反対側にはグランド・センチネル(Grand Sentinel)などの岩塔とパラダイス・バレーが望める。ここも休息には良いところだが、風が強くて寒いうえ、時間が迫っていてあまり余裕がない。少し休んだら、そのままの勢いで下っていく。

Ten Peaks from Sentinel Pass
テン・ピークスを振り返る

Paradise Valley from Sentinel Pass
行く手はパラダイス・バレー

Grand Sentinel
グランド・センチネル

 ここの下りは、崩れやすいガレ場がしばらく続くので、慎重に歩かなければならない。日本のガイドブックで紹介されていないのを不思議に思っていたが、それも納得だ(でも、日本の登山に慣れていれば問題ないと思うが)。

  落石が怖いので、少し距離を開けて急下降していくと、いつの間にか相当下ってきていた。傾斜が緩くなってもしばらく岩場が続くが、ところどころモス・キャンピオン(Moss Campion)などの花も見られるようになり、まもなくバレー奥にホースシュー氷河(Horseshoe Glacier)と取り囲む山々も望めるようになる。逆光なのが惜しいが、なかなか雄大な景色である。

 やがて木々が生え始めてきたが、ここで突如、目の前に何物かが現れた。一瞬ドキッとしたが、よく見ればヤマアラシ(Porcupine)ではないか…すると分岐となったので、ここを右に進んでほぼ平坦な道をゆく。緩やかに下りだすと、しばらくでアネット湖(Lake Annette)が登場。これは小さいながらも趣きのある湖で、真上には標高差1200mもあるテンプル山(Mt Temple:3543m)が屹立している(あまりに急すぎて、山頂は見えない)。時間の制約がなければ、ゆっくりしたいところだ。

  しかし、終バスまで残り1時間半となったので、後ろ髪ひかれる思いながらも下山に取りかかる。この先は単調な森歩きなので、急ぎ足で進むと、1時間でバス停に出ることができた。後はバスが来るのを待って無事宿に戻り、長く充実した1日を終えるのであった。

Moss Campion
モス・キャンピオン

Paradise Valley
パラダイス・バレー奥を望む

Lake Annette
アネット湖

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